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お披露目式。〜その2 予行練習〜

「シャルル様、お召し物をお着替え致しましょう」


 え?

「えーと、これから何か予定あるの?」


「ご予定はカサンドラが戻り次第になりますが、訪問用のドレスですので、滞在用のドレスにお着替え致しましょう」


 は?え?

「えと、このままじゃダメなの?」

 これが楽ちんなんだけどなー.......


「滞在用のドレスは、更に着心地が良いものに致しましょう?」


 お!それなら!

「分かりました。ジーク、ちょっと行ってくるね」


「うん、俺も着替えるわ。タージェス」


「畏まりました」







「此方など如何ですか?」


「わぁ!柔らかい生地ね!」


「はい、コットンシープの1番柔らかな毛を選んで織られた生地で作られたドレスでございます」


 シープ?羊なのにコットン??

 何やら不思議な.......まぁいいか。

 形はシンプルで踝までのドレス。

 あれ?この形はジュリエットドレス!

 これなら楽ちんで尚且つ可愛い!


「素敵なドレス!」


「着心地もようございますよ」


 メイドさん3名、揃ってにっこにこだ。

「ではお願いします」


 今回は、ひん剥かれる事はなく、すすっと脱ぎ着。

 着てみると、本当に柔らかで着心地がいい!

 袖は控えめなパフスリーブに、ひらりとした7分袖。

 スクエアネックで胸の下で切り替えたAライン。

 うん、素敵!

 うちにもこの生地あるのかな?

 あったら何か作りたいな!


「シャルル様、本当に良くお似合いです!」


「お可愛らしくて、お美しくて!」


「お綺麗です!」


 ふふふっ

「褒めすぎ!でも綺麗にしてくれてありがとう」


「「「まぁ!!」」」


「シャルル様が美しいので、わたくし達は腕のふるいようがない程ですのに!」


 うんうんと首を振りまくるメイドさん。

 首もげるよ?


 早速ジークに見せに行くと、ジークは既に着替え終わってた。

 シンプルなシャツとスラックス。

 極々普通なのにカッコイイ!


「シャルル!可愛い!」

 ちゅ


「ほんと?ジークも素敵!」


 はっ!!

 見渡すと、生ぬるい視線がアチコチから!

 あ、いや、これは微笑ましい視線と解釈しよう.......。

 もうフランシア家では日常茶飯事だった。







 ◇◇◇


 鐘ひとつ分程でカサンドラが戻って来た。

 今は大体6の鐘半て所かな?


「ジークフリード様、シャルル様、ただ今戻りました」


「おかえりなさい!カサンドラもお茶でも飲んで休憩してね」


「まぁ!シャルル様ありがとうございます」

 にっこり


 わたしはブラックは望まない!

 働くならホワイトだ!


 半刻程したら、カサンドラから明日からの予定を教えてもらった。






「滞在日数は、本日を含めて4日になります。4日の間に、王と王妃との謁見、第1王子との会食があります」


「却下で」


「畏まりました」


 うぇ!?

「いっいいの!?えっ!?」

 王妃様には会いたくないけど!カサンドラも顔色ひとつ変えないけど!


「あー、第1王子か.......お披露目前にシャルルに会わせろって言ってたんだっけ.......うーーーーん.......」


 そうなの?


「あっ!クリス兄さんもユージーン兄さんも呼んじゃうか!うん、そうしよう!タージェス」


「畏まりました。では手配致します」


 うはっ!


「謁見は王のみならOK」


「はい、ではそのように」


 はぁー.......やりたい放題だな。


「御免状あるしね」

 ふふーん♪


 なるほど?

「でも.......王妃様いいの?」

 フェスタリオスで叫んでた人だけど。


「俺あの人苦手」


 ぶふっ!まさかの理由それか!

 まぁぶっちゃけわたしもお近付きにはなりたくない。

「お任せします!」

 会わなくていいなら、それに越したことはない!


「では早速.......」


「頼んだー」






 ◇◇◇


【カサンドラの攻防】


「おや、フランシアのメイド長。何か聞き忘れか?」


 この方は宰相補佐のテラミング様。

 先程、予定の確認をさせて頂いた方です。


「ジークフリード様より、若干の訂正が入りましたのでお伝えに参りました」


 ぴくっ

「あー.......それは、あれか?その.......」


「謁見は王のみ、との事。第1王子との会食は、フランシア家が嫡男、クリスティアン様、並びに次男、ユージーン様と同席を希望されておいでです」


「何と.......!会食はそれでも通るだろうが、王妃との謁見は!?それが1番重要なのだぞ!!」


「そう仰られても、ジークフリード様のご意向故」


「ぐがあああああ!!王妃に何と申し上げたら良いのだ!!叱責されるのは私なのだぞ!!」


「.......」


「ジークフリード様にお目通りの手配を!!書状を書き記すのでお渡しされよ!!」


「ジークフリード様より、お手紙や伝言は受け取るな、と申し付けられております。故にこれにて御前失礼致します」


「いや待て!ならぬ!ならぬぞ!何か、何か手は無いのか!?」


「.......ジークフリード様は、王より直にお受け取りになられました御免状をお持ちだとか.......」


「あああああああ!そうだったああああああ!!えっ!?俺怒られるの!?あのヒsいや待て言ってない!言ってないぞ!」


「ではこれにて.......」


 バタン


 ”うおおおおおおおおお!!”


 ふふっ

 頑張ってくださいましね!








「メイド長〜!どうでした!?」


「.......万事抜かりなく」


「「きゃぁ!」流石はメイド長!!」


「主をお護りするのもわたくし達の仕事ですよ!」


「「畏まりました!!」」

 ”やっぱりメイド長よねぇ!””流石よね!見習おう!”


 .......フランシア家の下働きが弱い立場だと思われるのも癪だもの。

 毅然とした態度とへこたれない気質がなければ務まりませんわ!

 今!この(しろ)での主はジークフリード様とシャルル様。

 必ず、必ず!王妃(まのて)から護りますわ!




この後19:00に閑話が入ります。

読まなくても大丈夫です。

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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
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