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お披露目式。〜その1 予行練習〜

 秋の嵐が終わった。

 めっきり空気が爽やかになった。

 夏の蒸し暑さも嫌いじゃなかったけど、やっぱり涼しいのは良い。


 カランコロン〜♪


「はーい!」

 誰だろ?


「ホーエン・カルバン宰相の代理で罷り越しました!ジャン・テラミングと申します!」


 モニターの前で書状を開き、刻印を見せてきた。

 横でジークが確認して、中に通すと、


「何用か?」


「はっ!エイプリル様におきましては、ご健勝であら「あー、要件を言え」」


「はっ!この度ホーエン・カルバン宰相より書状をお持ちするように賜りましたのでお届けに参りました!」


「ふぅん?ご苦労」


「はっ!確かにお届け致しました!それでは御前失礼致します!」


 と、踵を返した。





「何が書いてあったの?」


「お披露目の予行練習しに城に来いってさ」


 予行練習??


「民衆に姿を見せるバルコニーとか、お披露目式の手順とかだろうなー」


「なるほど。そう言えば何するか知らなかったわ」


「王族の婚姻式とか、戴冠式とかでしか使わない所だしな」


 ぎょっ!?

「ままままままさか……そこに立て、と?」


 はははっ

「な!俺もびっくり」


 そうか、いくらジークが元貴族と言えども、そこに立つなんてないもんね!


「シャルルも俺も初めてだけど、ふたりで居れば何とかなるだろ?」


 ぶふっ!

「そだね!ふたりで居れば何とかなるよ!」






 ◇◇◇


 と、言う事で。

 ママに相談したら、カサンドラとリリアとカレラとタージェス、他10人メイドさん、10人使用人さん、総勢24人ものお供がついた。

 多くない!?


「少ない位よ」


 マジすか!?


「ボーイは足りるけど、メイドは倍でも良いくらいよ?何なら城で用意させてもいいわよ」


 あ、使用人さんはボーイって言うんですね。

 知らんかった。

 にしても……。


「行ったままではないと思うんですけど……」

 帰るよ?帰ってくるよ?


「メイドもボーイも予行練習よ」

 にっこり


 あ、そうか。

 当然ですね、そうですね。

 当日知らずに動けと言われても無理ですもんね。


「うん、ママありがとう。頑張ってきます!」


 なでなで

「こちらはドレスの仕上げを頑張るわね。楽しみだわ!」


 ジークそっちのけでママとお喋り。

 横でニコニコ見てるジーク。

 ここに嫁姑問題はないわね。ふふっ






 ◇◇◇


 フランシア家の長ーいゴレ車で城に向かう。

 やっぱり大正門から入るんですね!

 目立ちまくりだね!

 そーいやレッドカーペットは前世も見た気がするけど、共通なのかな?


「カーペットは要人の瞳の色で決まるんだよ。シャルルの紫にしたいのに……」


 まさかの瞳の色だった。





「ジークフリード・エイプリル様!シャルル・エイプリル様!ご当城なされました!」


 あれ?

「おに、団長?」


「はい、シャルル様、ご滞在される宝珠の間までご案内させて頂きます」

 にこっ


 おぉ、団長自ら。

 そして副団長のオスキャルさん。

 お久しぶりです!と目で挨拶。

 にっこりと懐い笑顔が素敵ですね!

 え?もちろんジークが1番素敵ですよ?



 ジークのエスコートで城を歩くが、人々の目がキラキラしい。

 いやもちろん、礼をとり下を向いているので、遠目に見た時に思うだけなんだけど。

 うぅむ、魔法花効果恐るべし。

 下を向かず、堂々と!

 顔には笑みを貼り付けて.......。

 わたしは女優!再び!


 何だか.......

「空気が変わった?」


「あぁ、元に戻った、と言うべきかな?禍々しいモノが消えたからだろう。流石シャルル、敏感に感じ取るね」


 なるほど。

 怨念みたいなのが無くなって、清浄されたと言う事か。

 清々しささえ感じる。

 これが通常なのか。


「聖職者が城中浄化をしたからですね」


 と、クリスティアンお兄様が言う。

 そこまで念入りにしたのかー。

 そりゃ清々しくもなるわな。





「宝珠の間、ご到着で御座います!」


「ご苦労」


「ありがとう」


「勿体ないお言葉。それでは御前失礼致します!」

 ビシッ!






 ◇◇◇


 部屋に着いて、まずはリリアとカレラの高速点検。


「こちらの部屋でお休み下さい」


 と、通された応接室。

 ほんの数日前に滞在してた場所だし、緊張はしないね。

 出されたお茶を飲みながら、暫し。


 今回はお供が多いので、他の部屋も一瞬で終わった。

 いつもながら凄いよ!


「ジークフリード様、今後の予定を確認して参ります。お傍を離れる事お許し下さい」


「この部屋にいる間はフランシア家と同じでいいよー。タージェスも居るし、予定確認頼むな」


「はい。では暫し失礼致します」


 と、カサンドラが出ていった。

 ふむ?

「わたし達が直接聞かなくていいの?」


「俺らに話し掛けられる人は少数だからね。お付の者に伝えて、お付きの者がそれこそ付きっきりでお世話するんだよ」


 ほぇー

 って、そう言えば城に来る前、ママにレクチャーしてもらった時もカサンドラが虎の巻してくれてたわ!

 あの方式かー!

 なんと心強い!


「ありがたいね!本当にみんな頼りになる!」

 いつかちゃんとお礼をしたいなー!


 はははっ

「ホントだね」

 なでなで






 ◇◇◇


【メイドサイド】


「ありがたいね!本当にみんな頼りになる!」


 現場にいたメイドとボーイ、ずっきゅぅぅぅん♡








 〜給湯室にて〜


「聞いた!?頼りになるって!」


「わたくし感激で鼻血出るかと.......」


「シャルル様のお可愛らしさったら、もぅもぅ!」


「そう言えば、あなた前回もシャルル様のお世話したのよね?どうだった!?」


「一緒にお菓子を作らせてもらって、そして一緒に頂いたのよ!美味しかったぁん♡凄いのよー!手際の良さや、計りナシで正確無比な計量とか!何よりお可愛らしくて.......」

 ほぅ.......


「くっ!1歩リードされた感!しかし!前回よりも今回の方が良かったと思って頂くために協力しましょうね!」


「もちろんよ!」


「「「わたくしも!!」」」


 がしっ!と手を組む。

 ここに生まれる連帯感。

 フランシア家のメイドは仲良しです。





貴族にとって下働きに感謝する事などないので、シャルルの素直さは容姿も相まって可愛くて仕方ないのです。


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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
[一言] 仮に今の自分がお貴族様でも絶対お礼言っちゃうタイプだなぁ。 生まれた頃から教育受けてたら違うだろうけど。_(:з」∠)_
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