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フランシア家の攻防と秋の嵐。

 ギルマス達が帰ってから、ジークが実家にデンタツした。

 フランシア家も問い合わせが殺到しているとか……。

 なんで!?


「あー、お披露目の問い合わせが半分、ライランズの問い合わせが半分って所らしいよ」


「ライランズは分からなくもないけど、お披露目の問い合わせって何聞くの?」


「シャルルのドレスの形とか色だね」


 えっ!?


「女性は色被りとか形被りとかに敏感だろ?」


「あー……そうねぇ……」


「反対に被らせて装飾でマウントとか取るんだろ?」


 げっ!

「そんな所までマウント合戦……」


「だからフランシアでは警戒態勢最大レベルにしたらしい」


 は?


「お針子も住込みにして、外に出さないんだと」


「なんで!?」


「誘拐してデザインやら聞き出そうとする輩が出るからだよ」


 ひぇ!?


「マダムフロリアはフランシアお抱え針子で、腕もいいから特に警戒してるね」


「うわぁ……マダム大丈夫かな……」


 はははっ

「大丈夫だよ。よくある事だし」


「よくあるの!?」


「大きなパーティーとかでは茶飯事だね」


 ひー!お貴族様めんどー!


「フランシアに盗みに入ろうとする身の程知らずも居るからなー」


「はぁ!?」

 ()()フランシアに!?

 執事筆頭に使用人もメイドも暗器携帯してて戦闘に長けてる、()()フランシアに!?

「そりゃ身の程知らずだわ……」


 あはははは!

「だろ?大事な服は家で秘密に作るからなー」


 それは高位貴族だけだよね?

 って、ジークはそれが普通なのか。

 時々垣間見る、お坊ちゃま発言だね。

 そーゆーわたしも家で作ってたわ。

 自分で、だけど。


「今度フランシア家に行く時は、お針子さん達に差し入れ持って行こう」


「うん、きっと喜ぶよ」

 なでなで ちゅっちゅ





 そんな熾烈な戦いはフランシア家に任せて、ここではのんびり過ごさせて貰ってます。

 んが!相変わらずデンタツのチリンチリンは鳴り止まず。


「いい加減返事しとくか。うるさくて敵わん」


 コピペとか出来たらいいのにね!

 ん?まぁいいか。


 と言う事で、暫し返事をすることに専念。

 ホログラムに並ぶ名前は多くは無いけど、何度も同じ内容が送られて来てるるるるる〜ん。

 予測変換もないから返事するのに一苦労だよ!


 まぁ送られて来た内容は、みんなほぼ同じなので返事もテンプレだ。

 ひとりにつき1回送ればいいだろう。

 5人組なんて、誰か1人が送れば情報共有出来るはずなのに、全員が全員、同じ様な内容送って来るって……。

 ヒマなのかな?


 えーっと、わたし達も号外は知らなかった、と。

 そんでー、ギルマス達と相談済みなので、お披露目に乗っかって、事件は大事(おおごと)に、しないようにしようって、事になりました、っと。

 それでも、事件で騒ぐ人が居たら、ギルマス達が対処する事になりました、酷いようならジークが出るそうです、っと。

 こんな感じでいいかな?これを人数分下書きしてー。

 よし!一括送信!


 ジークを見たら、表情がウンザリしてる。

 笑っちゃダメだけど笑っちゃった。ぷぷっ





「うわ、街の様子を知らせてくれたヤツが居るんだけど、ダンジョン攻略の時と同じ位のお祭り騒ぎだと」


 ぶはっ!

「もしかしてまた街に出られない!?」


「うーん……。各ギルドに行く必要があるなら、先に知らせて転移で行く方が安全、かなぁ?」


 えー……まじかー……。

 と、しょんもりしてたら、


「あ、いや、出よう!隠れて過ごすのはもう嫌だもんな!とは言え、もうすぐ秋の嵐が来るし、その後にしようか」


「うん、じゃあその間は作り置きでも作ろうかなー」

 そうだよ、秋になったらまたカーちゃんトーちゃんが冬支度のオネダリに来るかもしれないし。


「俺も教えてくれたら手伝えるよ!」


 ふふふっ

「またお菓子も作りたいから手伝ってね!」


 秋になったら、去年着る機会がなかったマリアーナさんに貰った服を着よう。

 たーっくさんあるもんね!


 ふと考えたら、お披露目まで2ヶ月位しかない事に気がついた。

 そう考えると、今回の号外を出すタイミングと事件の事が被るのは仕方ないんだろうな。

 彩葉の月初めだし。

 ふむ。


 まぁ、お披露目に関しては指示待ちだから、気負わずに待つとしますかね!






 ◇◇◇


 翌日、秋の嵐の魔法カードが届き、3日後に嵐が来た。

 相変わらずの激しさだけど、わたしも慣れたもんよ!

 多少のガタガタバタバタドタドタには動じません!


 ドッカン!バリバリバリッ!


 ひぇ!!雷凄い!!

 いえ、動じてません!






「前回の秋はダンジョンだったんだな。もう1年経つのか」


「早いよね!」


「今年もカーバンクルの室内履、出さないとなー」


 ぶはっ!

「今年も履いてくれるの?」


「そりゃ履くよ!思い出深い履物だしな!」


 げっ!

「ソウデスネー……」


「誰かさんがトーちゃんの履物で戦って回し蹴りしてパンチラしたなんて事は……責めてませんよ?」


「ソンナコトモ……アリマシタカネー……?」


 何故かジークにバレてたんだよ。

 どうしてバレたんだろう……。

 ぴゅーぷぴー(口笛吹けない)


「まぁあんな事、二度とないよね?」

 にっこり


「ありませんとも!」


「……」

 にっこり


「ありませんよー?えぇ!ありませんとも!」


「ならよし。さて、カフェルでも淹れようか」


「うん!お菓子食べる?何がいい?」


「エクレア!」


「がってんだ!」


 あはははは!




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