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騒動の前に。〜その2〜

「本日は忙しい中、集まってくれてありがとう。各ギルド長、並びに副ギルド長に紹介する。ハンター代表、Sランクのアレクサンド、Aランク、エアハルト、ファビアン、オルゲン、ハンス、ギュンターだ。ハンターギルドではお馴染みだな」


「「「「「「よろしく」」」」」」


「今回、集まってもらったのは市井に対する抑止力となって貰いたいからなんだが、原因をこれから説明する」


 そしてジークが一連の流れを説明した。

 婚姻式前から続いた監視の目。

 わたし達の婚姻式の大捕物。

 そして、フェスタリオス中に起こった事件の全貌。




「まさか……魔術師団副団長だったとは……」


「魔術師団と言えば、王都全体の結界を張ってる、言わば民を守るべき者じゃないか!それなのに……」


「あー、魔術師団と一括りにしたくなるのは分かるが、副師団長の単独犯であり、魔術師団とは別に考えてくれ」


「いや、分かってます。ですが、所属してたのは魔術師団ではないですか。団長は……ユージーン……」


 あ、ラシードさんてば、それ言っちゃう?


「シャルルちゃん、大丈夫だったか?」


「はい!大丈夫です!」


「……シャルルがブチ切れたのを初めて見たよ」


 ザワッ!


 やーめーてーいーわーなーいーでー!


 こほん

「で、だ。ここに居るみんなが思ったように、この話が市井に流れたら反乱、もしくは暴動が起こる危険性を危惧している。なので、もうこんな事は起こらない、だから安心して欲しいと、噂を流して欲しいんだ。今は貴族たちの噂だけだが、恐らく近いうちにジュルナルに情報を渡さねばならんからな」


「……ジュルナルに出たら、一斉に広まるか」


「うむ」


「はい!」


「サラナさんどうぞ」


「あら、さん付けなんて必要ありませんよ?」

 ふふっ


「いや、やりづらいから!」


 うふふふふ!

「では、噂だけでも衝撃的だと思うので、いっそジークフリード様が街頭演説でもしたら1発じゃないですか?」


「えっ!?俺!?」


「いや、ジークフリード様だと説得しているようで煽ってるように見えてしまわないか?」


「それは困る!」


 うーん、ヘルベスさんが言う事も分からんでもない。

 反乱や暴動なんて、首謀者担ぎあげてなんぼな所があるもんねぇ。

 その首謀者をジークに仕立てるなんてありそうで怖い。


「ジークフリード様は最後の砦が1番いいと思う。情報操作でどうにもならなかった時の抑止力、だな」


 ”””ふむぅ”””


「内容が内容だけに、市井の中でも上部からの噂なら信ぴょう性があるし、頼みたいんだ」


「「「分かりました」」」


 はぁ……

「貴族のヤラカシを、ねぇ……」


 あ、薬師の副ギルド長がボヤいてる。


「不満か?えーと」


「ジャンダルム、ジャンダルム・メイソンです。まだギルド長が決まっていないため、今回の議会に参加させて頂きました」


「そうか。で、不満なのか?」


「不満、という訳ではありません。ただ、薬師ギルドは貴族の横暴が多いギルドでありまして、貴族に対してあまり良い印象がないのも事実で……」


「例えばどんな横暴だ?」


「はぁ……その、ハンターが使わないような薬を依頼されるのですが、納期を急かさられ、間に合わなければ金額を減らされたり……他にも……」


 えっ!?そりゃダメでしょ!


「それを医療厚生部門に進言したか?」


「いえ……」


「ふむ。まずは進言してみるといい。俺の名を出して構わない」


「はい、ありがとうございます。その、前ギルド長があんな人だったもので、まだ薬師ギルドはてんてこ舞いなんです……」


「マルクス捕縛にも俺とシャルルは関わってるから、責任はあるなー」


「いえ!ジークフリード様やシャルル様が気にする事ではありません!元はと言えば前ギルド長が全ての元凶ですし!マルクスのせいで、腕のいい薬師が虐げられていたのですが、辞めた薬師がチラホラと戻って来てもいるのです」


「そうなんですか!?」

 それは良かった!


「はい。ただ、マルクスは独自のやり方をしていて、私は副ギルド長でありながら、把握出来ていなかったのです。そこに来て、貴族は納品を早くしろだの、融通しろだのと脅してくるし……はぁ……」


「その気持ちは分からんでもないな。うちにも偉そうな言い方のやつは来るし」


「商業ギルドもですか!?」


「あぁ。ただ、私が元貴族だからあしらい方を心得てるので横暴は許さないけどな」


「そうなんですね……薬師ギルドには平民しか居ないので中々……」


「そうね、私も平民だから気持ちは分かるわ」


 マリアーナさんも叩き上げの人だもんね。


「ふむ」


「愚痴になってしまい申し訳ないです。医療厚生部門に掛け合ってみます」


「いや、気にするな。うん、言ってみるといいよ」


「はい。それと噂の件、畏まりました」


 わたしはハンター用のポーション4種類しか作ってないが、薬は多種多様な物がある。

 プロプス(睡眠薬)や化粧品、それこそ養毛剤等も薬師の仕事だもんねぇ。

 ……宰相さんの頭皮も、ちょっと、危ない気がしたし、ね。


「よし、では噂の件頼んだ。決行は明日から。とにかく、もう安全だからって事を流して欲しい。アレクと5人組はハンター中心に頼むな」


「「「「「応!」」」」」


「店とかで割と小声のフリした大声で話す感じで大丈夫か?」


「そうだな。うん、そんな感じでいいと思う」


「がってんだ!」


 小声のフリした大声って!

 くすくすっ


「我々ギルドでも、その様にするか」


「そうね!服飾ギルドは女性が多いから広まるのも早いわよ〜!」


「怖っ!」


「ファッション情報発信地でもありますからね!ファッションだけじゃなく噂好きが沢山だもの!」


「商業ギルドも噂好きは多いですよ!こちらも情報発信地ですし!」


「サラナ筆頭になー」


「ギルマス酷いです!」


 あははははは!!





 うん、何とかなりそう!

 ホント、頼れる人達!




この後19:00に短編閑話が入ります。

読まなくても大丈夫です。


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