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落ち着かない時間。

 衣装はほぼ形になっていた。

 もう少しで仮縫いも終わるので、終わったら試着をする事になった。

 キラキラしい飾りは本縫いが終わってからになる。

 ビーズとか刺繍とかね。

 うん、裾の流れが綺麗。


「まぁまぁまぁ!シャルル様!ようこそおいでくださいました!お城は如何でしたか?魔法花の素晴らしかったこと!もぅわたくしは感動で涙が溢れましたわ!でも涙で滲んで折角の魔法花を見逃してはなりませんので必死で我慢しましたの!えぇえぇ!それはもう必死で!あっ!いやですわ、わたくしったら!ドレスの感想も聞かずに喋りまくってしまって!武装(ドレス)の着心地は如何でしたか?動きづらい等は御座いませんでしたか?それにほら!まだ仮縫いですけれども、着々と進んでおりますのよ!」


 うぉ!!弾丸トークはここにも居たのか!

 涙が溢れる と、必死で堪える と、矛盾してるの気づいてるかなぁ?

 くすくすっ


「ドレスの着心地はとても良かったです。お陰様で目立ってました」

 ふふっ


「まぁ!目立つのはドレスではなく、シャルル様がお美しいからですよ?時間が足りなくて3日しか掛けられませんでしたが、お披露目のドレスは完っっっ璧!を!目指しますので!」


「ありがとうございます」

 にこっ






 その後もジークの騎士服の飾りを考えたり、ビーズを選定したりして過ごした。

 でも、犯人の自供が気になって気になってソワソワしてたよ!




 その後2日経ってから、ユージーンお兄様からデンタツが届いた。






 ◇◇◇


「いやぁ、思ってたより動機がクソ過ぎて危うく殺りそうになったよ〜」


 ちょ!!


「と言うと?」


 あれ?クリスティアンお兄様、お仕事は?

 あぁはい、仲間はずれ禁止ですね。


「そのまんま。平民のクセに!が主な動機だね。たったそれだけだよ?まぁ、前回話した内容まんまだね」


「「「えっ!?あれだけ?ホントに?」」」


「ホントに」

 こくん


 はぁ!?


「まぁ、根底にあるのが実家が没落した母親からの刷り込みではあるんだけど。相当歪んだよねぇ」


「と言うと?」


 うん、聞くのはクリスティアンお兄様に任せますか。


「調べたら、そもそもが、母親の実家が平民に任せた事業が上手く行かず、立て直しも出来ず、そのまま没落して貴族の名前だけが残ったらしい。それをライランズ侯爵に嫁ぐことで大部分の借金を肩代わりしてくれたから最低限の体裁を持ってるだけで、未だに細々と返済をしてるんだと」


 ふむふむ?


「母親の実家は、事業が上手く行かなかったのは平民のせいだ!と憚らず、自分達の采配が悪かったとは思いもせず、全ての罪を平民に擦り付けたみたいだね」


 あぁ、家畜、とも言ってたしね。


「んで、失敗したからと、給金も渡さず住んでた場所から追い出して、借金返済の為に土地を売ったけど、買い叩かれて返済も出来ずに居たんだと。んで、前ライランズ侯爵の時から懇意にしていたので、見るに見兼ねて借金返済する代わりに、婚姻したんだって」


「失敗した事業って?」


「薬草栽培らしいんだけど、そもそも薬草ってハンターのクエストにもあるだろ?」


「あるね。ハンターなりたての子が薬草詰みのついでに出てきた魔獣を狩るんだ。それで経験を積んで行くのがセオリーなんだよ」


「俺も魔術師だし、薬草学はそこそこ学んだけど、ヒット、マナ何かはちょっと森に入ればすぐ見つかるし、毒消しも、少し森の奥に入るけど、そこそこ戦えればどうにかなるよな?でも、栽培しようとしたのが、アブコンだったらしい」


 アブコンは聖域の側に生えるやつ。

 状態異常を治すポーションになる。


「そのアブコン、聖域近くの森まで採りに行かなくても、平地で採れたら一儲け!って思ったんじゃないかな。買った農地も広大だったみたいだし。でも、そこにしか成らないのは理由があるはずじゃん?それを無視して、上手に育たなかったのは平民が枯らすからだって思ったらしいよ。アブコンの株を取り寄せるのもハンター頼みだし、ひとつふたつじゃ足りないし、報酬だって滞在に掛かる費用だってバカにならんからなー」


「それでも貴族が没落する程の費用は掛からんだろ?」


「.......本来なら高ランクが行く場所に中ランクを雇って行かせたが、何人も帰らなかったから、遺族に渡す保証金が膨れ上がったんだと」


「「「はぁ!?」」」


「ギルドを通さずに依頼したのか!」


「恐らくな。高ランクは依頼料が高い。だから中ランクに個人的に依頼する。運良く帰ってきたハンターには、高額な褒賞を出す。アブコン植えるが根付かない。また中ランクに頼む。帰って来ない。遺族に保証金を渡す。アブコンが上手くいってたら一攫千金だから、ラクーンの皮算用でもしてたんだろ?だけど、ぐーるぐーるとそれの繰り返し。そのうち遺族に渡す金も出さなくなって、訴えると言った遺族は、力づくで黙らせたんだろう。憲兵本部でも、そんな訴えは過去なかったと言ってたからな」


 酷い!そんな貴族は没落して当然だ!


「しかも、持って来て植え替えたアブコンは、根付いても変異して毒草になるっつーから不思議!」


「「「えっ!?」」」


「研究魂が疼いちゃったよ!」


「毒草なんて!止めてよね!?」


「うちの庭には植えないよー」


「「「当然です!」」」


「まぁ、ラッセルがポーションに強く惹かれてたのも、そんな話を聞いてたからじゃないのかなーと。シャルルのポーションは高性能だったしね」


 oh......

 そこに繋がるのか.......。


「んで、薬草で没落したのに、ポーションが原因で減給、からのー、後継者脱落で、悪いのは平民だ!と。まぁ短絡的だよね」


 親の刷り込みって怖い.......。





この後19:00に閑話が入ります。

読まなくても大丈夫です。

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