ガルボさん。
今日の午後はガルボさんの所に型の進捗を聞きに行くのだ!
午前中にブーツも出来たし、ワンピースじゃなく、狩り用の服装で行ってみよう!
◇◇◇
「ガルボさん、こんにちはー!」
「おう!待ってたぞ!出来てるから持ってけ」
「えっ?全部ですか?」
「おうよ」
「わぁ、ありがとうございます!」
型を見せてもらったが、思った以上によく出来てる!
「凄いですね……、縁の巻まで均一です」
「ったりめぇだ!そこらのボンクラと一緒にすんじゃねぇよ!」
あら、耳が赤い。
照れておられる?ふふっ
「ありがとうございます、またお願いがあったら注文してもいいですか?」
「紙に詳しく書いてくれりゃー作るぜ」
「では次回来る時に、お願いしますね」
「おう、いつでもいいぜ。つーか、お嬢ちゃんハンターだったのか?」
「ん?いいえー、ハンター登録はしてませんし、しませんよ。薬草採取するのにパンツスタイルなだけです」
「そうか、その方がいいな。角うさぎだって、突撃されたら怪我するし、お嬢ちゃん細っこいから、角うさぎでもぶっ飛びそうだ」
がはははっ!
「むむっ、まだ狩りはした事ないけど、一応心得はあるんですよ?でも気をつけますね!」
「おう、俺も昔はハンターやってたんだけど、怪我して引退したんだ。鍛冶が出来たから食いっぱぐれねぇでいられるよ。武器を作る事も出来るが、人の命が掛かるからな。あぁいや、歳とると愚痴っぽくていけねぇや!悪ぃな!」
がはははっ
なんと、元ハンターさんだったのか……。
「どんな怪我をしたんですか?」
「ん?あぁ、足をな、やっちまって、もう走れねぇんだ。医者も教会にも見てもらったんだがなぁ」
しんみりするガルボさん。
うーーーむ……。
うーーーーーーむ……。
よし。
「ちょっと見せてもらえますか?気休めにしかならないかもだけど、ヒール使えるんで」
「お?そうか?時々痛むから、ちっとでも痛みがなくなれば御の字だ。やってくれ」
”鑑定”
今の状態は、右膝靭帯損傷と骨折の時に変な風にくっついちゃったのか、それが神経に当たって痛むんだね。
でも、これ何で治らなかったんだろ?
皮1枚しかくっついてないような怪我だったのかなぁ。
時間が経ってるからポーションでは無理だもんね。
よし。
”ヒール&キュア”
ぱっ!と光って完了!
「おぉ!痛みが消えたよ!ありがとうな!」
「ああ!まだ立ち上がったらダメです!いいですか、わたしが帰ってから、ゆーーーっくり具合を確かめて下さいね?拙いヒールだから、誰にも内緒ですよ?恥ずかしいですからね!あ、商品貰っていきます!お金はこれで間違いないですか?」
「それ全部持って帰るのか!?後で配達してもいいんだぞ?」
「じゃーん!マジックバッグがあるから大丈夫です!」
がはははっ!
「そりゃいいな!金はこれであってるよ。また作るのがあったら持ってきな!サービスしてやんぜ!」
ふふっ!
「じゃあまた来ますね!」
「毎度ありっ!」
◇◇◇
ふぅ。
ヒールの掛け逃げしちゃった。
痛いの嫌だもんね。
走らないにしても、普通に歩けるようにはなったはず。
余計なお世話だったかなぁ。
もしお小言があるなら次回聞こう。
◇◇◇
その頃のガルボ。
いい子だなぁ。
型の注文は不思議なのが多かったが。
真ん中に煙突みたいのがついてるのは何だったんだろうな?
四角いパンとか。
よっこいしょっと。
ん?足っ!?
痛くない所か、普通に立てる!普通に歩ける!は、走れる!?
はっ!?どういう事だ!?
まさかさっきのヒールのせいか!?
これは……。
まさか最上級の回復魔法!?
あいつ……。
今度来たら説教だっっ!!!




