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餌巻き作戦。〜その21 血の色〜

『シャルル、捕縛完了』


「リリア!」


「はいっ!」


「あ、ごめん、叫んじゃった」


「まぁ!シャルル様ったら」

 くすくすっ


 コソコソ

「捕まえたって」


「まぁ!!早く行きませんと!!」


『そっち行くね』




 えっと、確か執務室……こっちね。


 コソコソ

「場所はお分かりになりますの?」


「えぇ。っとー、多分?」

 えへへっ

 マップあるしね!





 コンコンコン

「シャルルです」


 カチャ

「どうぞ入って。俺の執務室だけど結界張るね」




 座り込む容疑者。

「……無様ね」


「きさ、まっ!!」


「シャルル、まだ話は聞いてないんだ。聞きたい事はある?近衛兵に渡す前に聞くといい」


「分かった。……何故?わたしが何かした?」


「平民!の、分際、でっ!!」


「そうよ。平民。貴族じゃないわ。何がそんなに違う?平民も”人”よ。民よ。そんなにポーションが欲しかった?たかがポーションで、人まで殺したの?」


「家、畜の、分際でっ!!」


「分際、分際って、しかも家畜?じゃあお前は何だ?神にでもなったつもりか!一介の魔術師の”分際”で!」


「私、は!貴族!だ!」


「だから?青い血でも流れてる?リリア、短剣貸して」


「畏まりました」


 あ、やっぱりそこから出すのね。


「「え、シャルル?」」


「な、にを!するつも、りだ!」


「あなた、動けないよね?ほら、見せてみて。青い血」


 つ、と腕を短剣でなぞる。


「ひ!!!」


「赤いじゃない」


「やめ!!ろ!!」


 次は短剣の刃を握り込み、引く。

 ザシュ!


「シャルル!!何を!!」


「ほら、わたしも赤いのよ。平民でも貴族でも、人は人!蔑まれるいわれはない!」


 魔力が怒りで溢れる。

 血が……

 ぽた。


「ひぃ!!!」


 ”ヒール”

「無茶をする!!自分を傷つけるな!」


「まさか、平民だから殺したい程憎んだ、って事だけじゃないわよね?他に何があった?」


「……ふら、んしあに!取り入っ!た!ちょと、うつくし、だけで!」


「「「「は?」」」」


「まさか、え?」


「わたしには理解不能なんだけど、どなたか分かる人居る?居たら教えて欲しいんだけど……」


「えーとー、わたくしには、平民なのに美しさを振りかざしてフランシア家に取り入った、と聞こえました」


「俺もリリアと同じように聞こえたが」


「俺もだな」


「きっと他の意味もあったよね?もしかして、これから話す?」


「馬鹿に、しおって!」


「シャルル、もう止めよう。後はこのお兄様に任せておけ。な?これ以上聞いてたら耳が腐るよ」





 コンコンコン

「ユージーン!居るのか!?」


「あ、父さんだ。1度結界解くね。どうぞー」


 バンッ!

「シャルル!」


「父さん、ドア!」


「あぁ、すまん」


 ドアを閉めて再度結界を張る。


「入って来た途端にシャルル!だもんな!」


「すまん。シャルル、大丈夫かい?」


 ふふっ

「パパったら。大丈夫ですよ」


「影からの報告で、すっ飛んできたんだが……この状況は……?ラッセル……」


「残念ながら、殺気を飛ばした犯人だ。まだ襲撃や監視、テイム調教等は追求しきれていないし、仲間の有無も聞いてない」


「ラッセル……お前なのか?」


「……ふん、私は、しゃべ、らんぞ。捕らえられ、る、謂れもない。これを!解け!」


 はぁ。

 ”無音結界”


「ーー!ー!」


「これでヤツには聞こえません。魔力が高いと自白させるのも難しいんですよね?ジャクリーンの時もそうだったって。だからあんなに強気なの?」


「そうだな……」


「あ、俺やれそうな気がする」


「「「え?」」」


 にやり


 パッ!と挙げた腕。


「「あっ!」」

 魔力増量バングル!


「なんのポーズだ?」


「……勝利宣言?」


「は?」


「まぁまぁ!いいじゃないの!俺はやれる!」


「シャルル、後は兄さんに任せよう。ちゃんと結果も知らせてくれるさ」


「おう!任せろ!……ただ、少し時間掛かると思う。フェスタリオスが迫ってるから、その後だ。今年は絶対に成功させねばならんと、上からのお達しがあるんだ」


「7日後が魔法花?」


「うん」


「じゃあ、それまでにテイム調教されてる使用人が居ないかの確認はこっちでやるよ。シャルルいいよね?」


「もちろん!」


「すまん。助かる」


「わたくし共メイドも探します。男性はタージェスに任せて、剥きまくります」


 え、剥く?


「あぁ、失言致しました。お気になさらず」


「……何か城付きメイドが可哀想になるな」


「恐らく、そんなに時間は掛かりません。ターゲットは新人メイドのはずですので」


「なるほど。うん、見つけたら連れて来てね」


「畏まりました」


「何やら聞きたい事が多過ぎて……。まぁ後からユージーンに聞くよ。フェスタリオスが終わってフランシア家に帰ったら、御前試合の確認だな!」


「「えっ!?」撮れてたの!?」


「いや、まだ確認しておらんて」


「楽しみにしておくよ」

 はははっ!


「こいつ、どうする?」


「任せてくれて構わない。帰って休むといいよ」


「分かった。シャルル、戻ろう」


「うん。パパ、ユージーンお兄様、よろしくお願いします」


 ”結界解除”


「! きさま!許さんぞ!」


「おぉ、流暢に話せる様になって来たな。うるさいから」

 ”無音結界”


「ー!ーー!」


「しかし、元気だね、こいつ」


「もうそろそろだろ?限界来たら大人しくなるよ」


「じゃあ、何かあったらデンタツよろしく」


「おう!お疲れ様!ゆっくり休んでなー」


「パパもお兄様も、休めたら休んでね?」


「ありがと!」

 なでなで




 まだ動機は分からないが、捕縛完了!






やっぱりそこから、とシャルルが言ったのは、どこ?

メイドが出すったら、そこ、だよね?

みなさんの想像はどこかなー。

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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
[一言] そらぁ桃しかないなぁ。あっ、でもこの書き方だと二通りになっちゃうか。太ももだよ太もも。 アハハヽ(´∇`)ノ
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