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餌巻き作戦。〜その18 対戦相手と実戦3〜

「シャルル!!」

 がばちょ!!


「髪、大丈夫だったか?」


 ふふふっ

「大丈夫よ!」


「騎士団……止めもしないでやらせるとは」


「お兄様、口塞がれて羽交い締めされてたよ」


「纏めきれてない証拠だ。許さん」

 ゆらり……


 あ、ジークがキレた。

「ジーク!」


「仇は取る」


「いや、やられてないし!寧ろぶちのめしたし!」


「あ、そうか」


 あははははは!


「んじゃ最後行ってくるね」


「相手はお兄様だよ?頑張ってね!」


「瞬殺してくるよ」

 にこっ


 あ、やっぱりキレてる。





「すまん!ジーク!」


「何が?」

 にこっ


「奴らを止められなかった!」


「シャルルが勝ったし、問題ないよ」

 にこっ


 おぞぞぞぞ……

「こ、この試合、こうs「ああああああっと!」」


「何?」

 にこっ


「あ、あのぉ……開始、しても?」


「あぁ!勿論さ!いつでもどうぞ!」

 にこっ


「くっ!!こうなったら全力で!!」





「で、では…………開始っ!!」


 ”身体強化””ヴァイン”!首に剣!


「ひっ!!」


「シャルルの1試合目と同じにしたよ」

 にっこり


「こここ降参っ!」


「ジークフリード様!!勝利ぃぃぃぃぃぃぃ!!」


 ”わあああああああああああああああああああ!!”






 ◇◇◇


 こうして手合わせという名の試合は終わり、SSランク夫妻の強さが知れ渡った。

 と、思うでしょ?



「パフォーマンスだろ?SSランクに忖度し過ぎだよな」


「騎士団が瞬殺とか、何の冗談?」

 ははは!



 こんな噂話に、騎士団は口を噤んだ。

 違う!と、そうじゃない!と、手抜きなどしていない!と言えば、騎士団の沽券に関わるからだ。

 もちろん、素直に真実を語る人も居た。


「すっごく強かった!流石SSランク夫妻!」


「最下層まで行って攻略しただけあるよ!見応えあった!」


 しかし、煮え切らない騎士団。

 まぁそれで怒り狂ったのがママだ。


「元副騎士団長として情けないにも程がある!!」


 と、これまた元騎士団長と、日参してシゴいているとかいないとか。

 ちゃんと認めて反省したら良かったのに。


「ダンジョンに放り込んだらいいよ」


 と、ジークが言ったもんだから、ハンターの横で2〜3人ずつのチームを組ませて、各領地のダンジョンでちまちましてるらしい。

 素材は全てハンターギルドへ。

 近衛兵の手には入らないんだそうだ。

 まぁ修行ですしね!


 当然、クリスティアンお兄様もシゴかれている。

 頑張って!



 閑話休題。




 ◇◇◇


 話は戻り、試合当日、夜。


 はっ!!

「ジーク!」


「ん?」


「赤い点!!」


「何!?」


 ポイントマーク!

「今日の噂を聞いたのかも」


「あれだけ騒げば耳に入るか……距離は?」


「んと、200〜250位。ポイントマークしたから青くなっても見失わないよ」


「それって気配探知切れない奴じゃないの?」


「うん」


「ダメだ。シャルルの負担が多すぎる」


「大丈夫!」


「くそっ!俺に対しても害意があれば俺にも分かるのに!!ただでさえ一日中使ってるんだよ!?次回を待とうよ!」


「次回がいつなのかも分からないのよ!絶対ヤツを逃がさない!」


「それなら今から追い詰める!」


「待って?消えた」


「え?」


「マークしてるのに消えたって事は、気配探知の距離を越えた?広げてみる」


「シャルル!」


 1kmで気配探知!

 ぬぉ!おー……よし、大丈夫そうだ。

「移動してる」


「シャルル……無茶だ」


「無茶でもやるの!」


 はぁぁぁぁ……

「それなら影に追跡を頼もう。捕物は明日だ」


「どうやって!?分かるのはわたしだけなのに!」


「これから忍んでヤツを特定する。影はそいつから目を離さず追跡させればいいだろ」


 ピュィ!

「付いてこい。行くぞ!」


 ”御意”


 わぁぉ!初めて声聞いた!







 ◇◇◇


 遠くで聞こえる音楽。

 どこかでパーティーでもしているんだろう。


 人気のなくなった廊下。

 気配遮断と認識阻害で走る。


『こっち』


『すみません!!ジーク様とシャルル様を見失いました!』


『何やってんだよ!』


『影よりも影過ぎます!』


 ぶふっ!


『あ!今ので分かりました!』


『……定期的に息を吐きます』


『申し訳ない……』



 苦肉の策でデンタツの念話モードに影さんも参加してもらったけど……。


『オマエら修行しろ!』


『必ず!必ず今よりも影になります!』


 ふっ


『距離にして30m』


『ここから歩く』


『御意。大丈夫、見失っていません!』




『仮眠室?』


 城の端っこ、かろうじて敷地内、小部屋ばかりの建物だ。


『泊まり込みで仕事をする人が寝る場所だな。個室になってるし、下手に仕事場で寝起きするよりは、と使う人が多い。自宅に帰らず、自分の部屋みたいに使ってる人もいるよ』


『……何か、見た目よりも部屋数多いのは空間魔法かな』


『ドアひとつにつき、部屋は5つあるからね』


『2階、の、部屋にして13個目かな』


『シャルル様は、影も見えますよね?』


『あー、うん』


『では、忍び込んでみます。標的に近づいたら教えて下さい』


『お願いします』


 影さんが、するりと建物の中に入る。

 時間も遅いし、動いているのは影さんだけだ。

 ゆっくりと、しかし確実に。


『そこ!』


『了解。では、このドアを監視、出て来た人物を追跡します』


『お願いします』


『頼んだ。デンタツは切っていいぞ。何かあれば連絡しろ』


『御意』

 フォン!




 いよいよ明日だ!




※まとめて、誤字報告ありがとうございます!

赤ペン先生感謝です!

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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
[一言] そうだよなぁ。瞬殺される団員もいれば女性の武器でもある髪を掴むやつなんざマミィがブチ切れてもしかたなし。書かれてないだけでシャルルの相手は首になっとるやろなぁ。でも実力はあるから性根叩き直さ…
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