表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

314/386

餌巻き作戦。〜その6 登城当日〜

 宰相さんが、迎えのゴレ車を寄越すと言っていたので、お迎えを待つ事にした。


「今回、カサンドラは屋敷を離れられないので、リリアとカレラを付けるわね。何でも頼むといいわ」


 まじか!お手伝いありがたい!

「お母様、ありがとう。リリア、カレラ、頼むわね」


「「畏まりました。お任せ下さい」」


「流石シャルルね、話し言葉もキチンとマスター出来てるわ!その調子でね!」


「本音を言うと、すぐにでもボロが出そうですぅ……」


 うふふふふ

「部屋に入れば、どれだけ崩れても大丈夫だから、城内では頑張りなさい。ママが傍に居られたら良かったんだけど……」


「お父様が不在ですものね。わたくしは大丈夫ですわ!」


 ふぅ……

「無茶をしないようにね」


 わたしの頬に手を当ててママが言う。

 心配させて、ごめんなさい。


「俺も居るからね、シャルルは絶対に護るよ」


「ジーク、頼んだわよ?シャルルに傷のひとつも付けないようにね!」


「付けさせませんよ」


「リリア、カレラ、あなた達にも頼むわね」


「勿論でございます!」


「必ず御護り致します!」


 おぉ、頼もしい!

 そう言えばお式の時も、どこからか暗器を出してたな……。

「ありがとう」


 そうこうしているうちに、お迎えが来たので、いよいよ出発だ。


「「行ってまいります」」





 ◇◇◇


「ジークフリード・エイプリル様、並びにシャルル様!私は宮廷近衛騎士第二師団、隊長のタルボット・マッカランと申します!宰相ホーエン・カルバンの依頼により、お迎えに参りました!」


 いよいよだ。

 ジークと頷きあい、いざ出陣!


 先んじてメイドのふたりは荷物をゴレ車に詰め込んでる。

 このゴレ車も空間魔法が掛かってるので、ドレスなんて、それこそ100着でも余裕だろう。

 まぁ実際はマジックバッグに入れるので、そこそこサイズの箱が2つだ。


 中は当然広々快適空間。

 フランシア家のゴレ車と同じ位かなー?

 ジークにエスコートされてソファーに座る。

 今日のドレスは移動日なので、コルセットなし、エンパイアラインの若干シンプルドレスだ。

 えぇ若干、ね。


 結局、新しいドレスは5着だけれど、足りないって事で、ママのドレスのリメイクもある。他にも見えるけど……。

 滞在が長引けば、新しいドレスも後で届けると言われた。

 いや、持って来たヤツの着回しでもいんじゃね?と思ったがダメらしい。

 んぁぁ!お貴族様めんどーーーーう!!


 ま、途中で家に帰って脱力タイムを儲けよう。そうしよう。


「シャルル、大丈夫?」


 ふふっ

「意外と大丈夫。まぁ打ちのめされたら慰めてね?」

 嫌味とかね!


「そんな事にならないように、目を光らせておくさ。それに、ただやられっぱなしにはしないだろ?」


 おぅ!分かってるぅ!

「えぇ、倍の値段で買うからね」

 くすくすっ


 はははっ

「うちの奥さんは頼もしい。デンタツ、念話モード」


 サムズアップ!

 ママ仕込みですからね!

 負けませんよー!

 気合い充分!わっしょい!







 ◇◇◇


 半刻程で城に着き、今回は大正門からの入城なんですってよ!

 (ちょーーう)目立っちゃうね!!

 寧ろそれが目的なんだけどね!!

 ジークカッコイイしね!!

 ヤバい、アドレナリン出てきた!!


 が!ここは既に戦場。

 気高く、激しく、美しく、尚且つ静かに、心に青く白い炎を燃やせ!


「さ、行こうか」


「えぇ」





 ◇◇◇


「到着致しました!部屋までご案内させて頂きます!」


「ジークフリード・エイプリルご夫妻様!御成でございます!」


 貴族達の視線が集まる。

 わたしは微笑みを絶やさず前を向く。

 時折、ジークと視線を合わせ、笑い合う。

 優雅に、淑やかに。


 ……。

『既にボロが出そう』


『そう?めっちゃ綺麗だよ。ほら、みんなの顔がほけらーっとしてて面白い』


 んふっ!

『やめて!爆笑したくなる!』


 ”まぁ!なんて優雅で美しいおふたりなの!絵になるわねぇ”

 ”あれが平民なんて、嘘だろ?”

 ”綺麗な髪ね!”


 おぉぅ。めっちゃヒソヒソしとる。


『いい感じに目立ってるね。シャルルが綺麗だからだよ』


『え、平民が化けてーらと思ってるんじゃない?』


 ぶふっ!んんっ!んっ!

『笑かすな!』


 くすくすっ

『さっきのお返し!』





 王城の第1扉から、第2扉、第3扉を通り、第4扉を通り抜けた。


『うへぇ、王族と同じ敷地内だ』


『えっ!?』


『部屋を用意させたけど、まさか第4扉の中とは……』


 その中でも、最奥にほど近い場所のドア前で、


「ジークフリード・エイプリルご夫妻様、ご滞在の間は此方のお部屋をお使いください。扉に魔力登録をお願い致します」


 扉横の鍵窓に魔力登録。


「こちらのメイドふたりも登録するぞ」


「はい、承っております」


 リリアとカレラも登録した。

 部屋に入ると、んまーーー!凄い事!

 まるで一軒家がまるっと入った位の広さだよ!

 いや、下手したら2区の家より広いかもしれない。

 こう言うの何だっけ、えっとー、しょんまん?まんしょん?何かそんな感じ?集合住宅!


「お時間になりましたら、宰相ホーエン・カルバンが参ります。それまで、ごゆるりとお寛ぎ下さいませ。メイドは追加致しますか?」


「いや、このふたりだけでいい」


「畏まりました。それでは御前失礼致します」


 ビシっ!と敬礼してタルボットさんが出て行った。



 念の為、何か仕掛けられていないかリリアとカレラが高速移動で調べまくる。

 まずは応接室を調べて、


「この部屋は安全でございます。お掛けになってお休み下さい。只今お茶をご用意致します」


「ありがとう」


 わたし達がお茶してる間に、他の部屋も調べていた。

 しかし、その高速移動どうなってんの!?凄いんだけど!


「全ての部屋の確認が完了致しました。安全でございます」


 おー!パチパチパチ!

「凄いわ!」


 にっこり笑うふたり。

 うん、可愛い。





この後19:00に閑話が入ります。

読まなくても本編に影響ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ