変装グッズ?
「サラナ、さっきのケーキ食べたか?」
サラナはここのサブマスだ。
食品は彼女が網羅している。
彼女が知ってるなら商品化は諦めだな。
「はい、頂きました。とっても美味しいケーキでしたね!どこのお店のですか?レシピ登録まだだと思うんですけど試食分でしたか?」
「やっぱりなぁ。チーズをケーキにするってレシピ無かったよな。あれな、さっきの客人がお土産で持ってきた。手作りだと」
「え!?それでレシピ登録すすめたんですよね!?」
「いや、普通に店にあるだろ?と言われたが、ないよなぁ……」
「何やっちゃってるんですか!!!その人に連絡つきますか!?」
「明日、会うことになってる」
「私に紹介して下さい!!レシピ登録の交渉します!!」
うん、シャルルごめん。
ガンバレと応援しとくわ。
◇◇◇
今日は薬師ギルドへ行くんだけど、目立たなさそうな服で来いと言われた。
出来ればフード付きのローブ着てこいって。
ローブって、王都初日に着てる人見たけど、あーゆーのだよねぇ?
目立たなさそうな服は、クローゼットに入ってた深緑のワンピースでいいか。
ローブ……作るか。
待ち合わせは6の鐘だし、間に合うだろう。
あ、生地が夏バージョン!
この中で地味な色かぁ。
皮ならあるな。濃い茶色ならいいよね。
自動温度調節付ければ季節関係なく羽織れるし、これでいいか。防水、防泥も、と。
目深に被れるフードと、全身隠れる長さと、あぁ、口元も隠れる形にしよう。
前を全開にしなくても手が出るようにして……。
ぷふふっ!変装してるみたい!怪しさ満点だね!!
時間は4時間か、皮だしね。
作っちゃおう!皮専用の裁縫道具かもーん!
◇◇◇
よしっ!出来た!!
これからお昼食べて、丁度いい時間かな?
ローブ羽織るのは商業ギルドでいいね。
昨日ラシードさんがうるさかったから、クッキー持っていこう。
えぇ、うるさかったからね!
◇◇◇
「おま……」
ローブを羽織ったわたしを見て、ヘルベスさんが絶句した。
え?変?ローブだよ?着てこいって言ったじゃーん!
「因みに、その皮がなんの皮か知ってて使ってるか?」
「知ったら怖いから知りません」
アラクネの魔糸って見てから鑑定せずに使ってるもん。
はぁぁぁ……と、それはそれは深いため息。
「まぁ並大抵の武器じゃ刺さらないし、いいと思う」
物騒な!!!
まぁエラいもんで作ったようだ。
あったから使っただけだし、気にすんなよ!!な!!
「ギルマスギルマスっ」
「あー、シャルル、こいつはサブマスのサラナ・ハミルトン。シャルルに話があるようだ」
「初めまして、シャルル・エイプリルです。何でしょう?」
「ご紹介にあずかりましたサラナ・ハミルトンです!チーズケーキのレシピ登録お願いしますっっ!!」
は?
あれ?
「チーズを甘いケーキにするレシピはなかったんです!なのでお願いします!!」
マジか!!!
やっちまったのか!!!
「か、考えときます……」
「えぇ!?そんな!!お時間取らせませんから!今すぐにでも!!」
ひぃ!!
この世界の人って、何でみんなこんなにグイグイ来るの!?
 




