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Sランク授賞式。〜その3 予測〜

「あぁっ!くそっ!」

 ダンッ!


 あらあら、何とか言ってとは思ったけど、テーブルに当たっちゃダメですよ。


「俺が気づいてたら受賞式なんてほっといて拘束したのに!」


「いや、そいつが主犯なのかも分からないし、襲撃事件と関わりがないなんて言われたら元も子も無いぞ」


「でも明確な殺意だよ!?それもシャルルに!」


 にっこり

「いっそ釣る?」


「「「えっ!?」」」


「ほら、そんなに明確な殺気をぶつけて来る位だし、わたしはいい餌だと思うんだよねぇ」


「「「ダメ!」だよ!」に決まってます!」


 おおおっとー。


「相手は呪物を持ってたんだぞ!しかも強力な呪詛が仕込まれていた!他にも持ってる可能性があるのに、釣りなんてとんでもない!」


「あ、呪詛の類は……」

 ドラゴンさんの加護があるから効かないって言ってもいいもんなのか……?

 いやダメだろ。

 うーん、困ったなー。


「俺とシャルルは強力な呪術避けを持ってるから、呪物対策はしてる。でも釣りはダメだ」


 あ、アイテムって事にするのね、了解。

 でも釣りはダメか。そうか。


「その……シャルル様は落ち着いていらっしゃいますね」


 ん?


「シャルルも最下層到達者だぞ」


「あ、はい。しかし、その……」


「何だ?」


「噂では、その、ジークフリード様の付き添い、だったと……」


 はははっ

「付き添いだけでくぐり抜けられるような場所じゃないよ。最終魔獣はヒュドラだぞ?当然共闘だったし、何なら8:2でシャルルが倒したも同然だよ」


「「えっ!?」」


「これは最重要秘匿だからな?この部屋を出たら口を噤め。噂等が流れたら、真っ先に八つ裂きにするぞ」


 ひぇ!?


「「言いません!」」


「ジーク!言い方!」


「シャルルが馬鹿にされるのは嫌だ!」


「してません!あくまでも噂で!」


「あああああああ!それも腹立つぅぅぅぅ!しかし秘密にしたいぃぃぃぃ!!ジレンマっ!」


 くすくすっ

「ジークったら。それでいいんだってば!と言うか、6:4位だよ!」

 プロミネンスが使えたかどうかってだけだもん!


「あ、もしかして、狙われるのってその噂のせいか?」


 ん?お兄様、どゆこと?


「ジークのオマケなのに、ジークに上手く取り入った。とか思われてる?」


 えー。

「それだと犯人は女性の線が濃厚にならない?」


「いや、男だって、そう思うヤツは居るだろう」


 えー。

 ちっせぇな!って、まだ憶測だった。


「まぁ、それに固執したら、他の線が消えるから、あくまでも可能性ってだけな」


「シャルル、今も赤いかちょっと気配探知で探れる?」


「うん、やってみるね」

 ”気配探知””マップ”100mで!

 うぉ!詳細なお城の地図!これマズイんじゃない!?

 抜け道とかも表示されてそうだよ!


「現時点で赤い点はないね」


「そっか……」


「対象を目の当たりにして、思わず殺意が湧いたのかも」


「今ここにシャルルが居るし、城じゃない場所で悪巧みするか」


「恐らく、な」







「「「「えっ!?」」」」


「誰が開けていいと!って、ユージーン!」


「ノックしたよ!?でも何度ノックしても返事がなかったから!」


 あ、両方向の防音結界してたわ。


「ごめんなさい!わたしのせいです!」


「もしかして防音結界してた?」


「はい、両方向で、すみません」

 片方向にしておけば良かったー!


「シャルルだから許しちゃう!で?何かあったの?」


「その前に、ユージーンは何しに?」


「休憩!まだ居るかなーと思って」


 ぶふっ!

「はい、まだ居ました」

 くすくすっ


「で?何の悪巧み?」


「失礼な。あぁジーク、ユージーンにも話しておくか?」


「……うん、そうだね。ユージーン兄さん、時間ある?」


「長くなるなら、伝言しておくから大丈夫だよ」


「じゃ、時間下さい」


「了解」



 ユージーンお兄様は一旦外に出て、伝言してから戻って来た。

 片方向の防音結界を再度張る。

 そして、これまでの一連の流れを話しておいた。





「……そいつ、八つ裂きでいいよな?」


「「いい「ダメです」」」


「何でだよ!シャルルに殺意を向けたんだよ!?八つ裂きでも足りないよ!」


「ユージーンお兄様、まずは捕まえて動機を聞かないとです!」


「これがジークに対する殺意なら、城封鎖して全員に尋問するのに!シャルルに対するモノじゃ出来ないのが歯がゆいぃぃぃぃ!!」


 そう、SSランクはあくまでもジーク。

 王の次に敬うのもジークなので、わたしはやっぱりオマケなのだ。


 ふふふっ

「ユージーンお兄様の、その気持ちだけでも有難いですよ」


「今日の事を知ってるのは?ここの4人と俺だけ?」


「あぁ。他には言ってない」


「そうだな。言わない方がいい。誰が狙ってるのか、仲間は居るのかが分からないし」


「襲撃犯が市井の裏の者を使った事から、貴族仲間は少ないか、居ないかだと思う。居れば貴族が持ってる影とか使いそうだし。自分の影を使わなかったって事は、何がなんでも隠したがってるって事だろうしな」


「まぁ、最悪影が捕縛されたら一網打尽を懸念したんだろうなー。気に入らない」


「影が捕まるなんて、マヌケにも程があるしな」

 はははっ


「その時影は自害するだろうし、影を無くすより、市井の裏の者を使う方が、実害も少ないからな」


「全てに対して気に入らないっ!」


「やっぱり、わたしが餌になるしか……」


「「「「ダメ!」に決まってんでしょ!」」です!」


 ちぇー。






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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
[一言] シャルルのこと明かしたら全部解決するけど、それ以上にその後が酷くなるもんなー。何なら愛し子のこと含めて価値が一番高い子になるというある意味歩く爆弾。神様以外切れる剣。魔力が世界から無くなるま…
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