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ドレスデザイン。

 コンコンコン

「入ります」


「どうぞ〜!」


「「うわっ!」何これ!?」


 うふふふふ♪

「国内で扱ってるレースや布地を集めてみたの!どう?」


 かなり広めの被服室が上から下まで布の滝で凄い事になってる!


「母さん、今日はデザインじゃなかったの!?」


「あら、もちろんデザインも考えるけど、布地だって重要でしょう?デザインが先か布地が先かの違いだけよ」


 (チキリ)が先か卵が先かって事なんだろうけど、流石公爵家としか言えない量だよコレ。


「でね?デザインも考えたんだけど」


 と、指さす方を見ると、厚さ5cmになりそうな紙の山。

 え、まさかそれ全部!?


「針子達とも意見交換しながら描いたのよ!それで?ジークの持ってる素材で使えるのはあったの?」


「え?あ、あぁ、挙式の服に殆ど使ってしまったので、持ってる素材だとアラクネかコクーンの生地なら使えるよ」


 って事にしておいた。

 この2つなら、そんなに悪目立ちしないからね。


「まぁ!アラクネとコクーンですか!?素晴らしいです!ドレスならコクーンの方が艶があってぴったりでしょうね!」


 と、針子主任のフロリアさん。

 そうか、その2つでもその反応なのか。

 この人は挙式ドレスのお伺いをした時に泣いちゃった人ですね。


「あら、それならここの布地は不必要だったかしら……」

 しょんもり


 えっ!?

「いえ!そもそも単一の布地じゃなく、いくつもの布地を合わせて使いますし!ほら!このレースなんてキラキラでコクーンの布地とも合いますよ!ね!?」


「そ、そうでございます!レースは上掛けにも使いますし!」

 うんうんうんうん


 首もげるよ!?


「そう?そうよね?無駄じゃなかったわよね?」


「「はい!」」


「ならデザインを見ましょうか!」


「「はい!」」


 ふぇぇ!気を使うぅぅぅぅ!





 提示されたデザインは、殆どがロングトレーン。

 Aラインからプリンセスライン、ベルラインにマーメイドライン。


「式のドレスを作る時に描いたものですが」


 そこに以前、式のドレスを考えた時にわたしが描いたデザインを出す。


「秋なので、袖を付け足すようになると思うんですが参考までに」


 と、話し始めたらジークが退散して行った。

 まぁ女性のドレス決めるのには居心地悪いよねぇ。

 この場には女性しか居ないし。

 ふふふっ

 ただ、出る前に、


「挙式では身内だけだったから貴重素材が使えたけど、お披露目では他の貴族の目に触れるから、貴重素材は控え目にね」


 と、釘を刺すことも忘れない。

 これ重要。うむ。

 まぁ、それを聞いたママが、分かりやすく”ちぇー”って顔になったのには苦笑するしかない。


「まぁジークの言う事も尤もね。分かるけど何だか悔しいわっ!」


「その分デザインで圧倒しましょう!針子達も我武者羅に腕を磨きました!今度こそお手伝い致します!」


 お?今回は、わたしが縫わなくて大丈夫な感じ?

 その後、あーでもないこーでもないと鐘1つと半分の時間を費やし、チャーリーさんが、


「そろそろ昼餐になさっては如何ですか?お茶の時間になりそうですよ」


「あらっ!やぁね、集中してて忘れてたわ!次は食事の後にしましょう」


 わたしも忘れてた!

 気付いたら、急にお腹減ったわ!






 お昼ごはんを食べて、また被服室。

 わたしが縫わなくていいなら、口出ししなくてもいいかなーなんて思って、ふんふんと相槌を打ちながら聞いてるだけだ。

 楽ち〜ん!ふへへ!


 そうこうしているうちに案が煮詰まってきた。

 コクーンの生地をベースに、レースを重ねてエンパイアラインとプリンセスラインで迷ってるらしい。


「これだと腰の細さが際立ちませんし、ご懐妊されていると思われそうですね……」


 あーね!胸下からの切り替えでストーン!と落ちた形だしね!


「しかし、プリンセスラインは挙式でもお召になっておりますし……」


 あーね!二番煎じ感あるよね!


「シャルルは何かいい案はないかしら?」


「いっそロングトレーン止め「「「えぇぇ!!」」」」


 おっとぉ!?


「ロングトレーンは是非ともお願いしたいのです!」


「ドレス界の為にも!」


 うーむむむむむ……

 ならば!

「腰周りの膨らみは抑えたAラインならどうでしょう?裾はサーキュラーで後ろはロングトレーン。こんな感じ」


 さささっと描いてみる。

 ふわっとした腰周りじゃなく、富士山形にね!

 ん?


 ぱぁぁ!

「これ!これがいいわ!パニエはチュールレースをふんだんに使って円形(サーキュラー)に!えぇ、これにしましょう!」


「「「「「はいっ!」」」」」


 きゃあきゃあと楽しそうだなー。

 いや、わたしも楽しいよ?

 けど圧倒されるのよね。

 たははー


 たっぷり鐘1つ分使ってドレスデザインは決まった。

 ジークの式服は……あんまり変わらないので、チャチャッと決まった。

 男性って、楽よね。


 ヴェールは顔を隠さないタイプで、ティアラは挙式のを使う。

 ブローチは、ジークのリクエストなので、それも使う。

 ふむふむ。


「ドレス作成は、針子達に任せるわよ!信じているから頑張りなさい!」


「お任せ下さい!わたくしの人生を掛けてやり遂げます!」


 フロリアさんが!お針子さん達が!燃えている!メラメラと!

「お、お願いします」


「やるわよー!」


「「「「「はいっ!」」」」」




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