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クインシー。

本日、活動報告upしました。

おまけ話ではないのですが……:( ;´꒳`;)

「えっと……」


 下半身が魚で上半身が人、の、手乗り人魚!?

 大きさは、ジークの手の中にすっぽり入ってしまう程小さい。

 可愛いっ!


「……クインシーだ。初めて見た」


「クインシー?」


「海の精霊って言われてる。実在したんだ……」


 大きな虹色に輝く真珠を、がっちりと抱えて、これは寝てる?


 ぴる……ぴ……ぴ……


 違う!!

「ジーク!この子苦しんでない!?」


 はっ!

「海水!!」


「海に飛ぶよ!認識阻害して!!」


 貝を持ったまま転移!

 シュンッ!




 昨日来た浜へ転移して、出来るだけ人目につかない所を探す。

 転移で浜から岩場、岩場からほど近い海の沖に見える小島へ。

 まぁここも岩場っちゃー岩場なんだけど、海に人は入らないから、ここまでは来ないだろう。

 浜を背にして、なるべく浜からは見えない所で貝が閉じないように石を挟んでコンキリアをそっと海水に沈める。


「これなら出られるかな……」


「と言うか、出るつもりはあるのか?」


「え?」


「真珠、がっちり抱えてたじゃん」


 あっ!

「真珠が欲しかったのかな?」


「……分からん。そもそも精霊自体が未知の存在だからなぁ」


 ぴぴぴるる


「「お?」」


 もそもそとコンキリアから這い出てくるクインシー。

 手には巨大真珠。

 自分の大きさと、差程変わらない大きさだよ!

 力持ちだねぇ。ふふふっ


 ぴるるんぴぃ

 ぴっ!?ぴぃ!!


「あ、こっちに気付いた」


「具合はどう?大丈夫?」


 ぴぴっ!


「その真珠が欲しかったの?もう間違って水揚げされないように気を付けてね」

 ふふっ


 ぴるるーーーーん


「あぁ残念だけど言葉が分からないな。シャルルは分かる?」


「ううん、わたしにも分からないねぇ。大丈夫そうだし、戻ろうか」


「そうだな。クインシー、もう捕まるなよー」


 ぴるっ!


 あははははは!

「これは分かった!じゃあ気を付けてねー!」



 シュンッ!








 ◇◇◇


 拠点に戻って一息。

 ふぅ。


「シャルルと居ると不思議体験出来るな」


「いやいや、そんな事……」

 ないよね?ないかな?ないはず……?


「でもクインシー可愛かったねぇ♡あんなに可愛い子がわんさか居たら壮観だよね!」


「そうだなー。そうか……もしかしたら航路が開いたから出てきたのかも」


「えっ?」


「いや、精霊も魔獣が怖くて何処かに隠れてたんじゃないかなぁと」


 ジークの話だと、クインシーは安全に海を渡る道標のような精霊なんだとか。

 実は精霊って、色んなモノに宿るらしく、空には風の精霊なんかも居るんだって。

 何それファンタジー!って、ノームも精霊だったわ。


「だから海で遊ぶクインシーを目視した船は沈没しないし、自然災害にも遭わないって言い伝えはあるんだ」


「ほぇ〜!守り神のような精霊なんだね」


「うん、だから船にはクインシーを模した船首を付ける事が多いんだって」


 はっ!それって何か知ってる気がする!

 前世にもあったはずよね!?


「あんなに真珠にご執心な姿とは思わなかったけど」

 はははっ


「確かに!自分の大きさと変わらない位大きな真珠だったもんね」

 ふふっ


「無事に仲間の所に戻れてたらいいな」


「うん、またコンキリアの中に入らないようにして欲しいねー。あっ、人に見つかったらやっぱりマズイ?」


「うーん……精霊自体は所謂”死ぬ”と言う概念より、”消える”になるからなぁ。あの可哀想なピクシーみたいに姿が残り続ける事はないし、本格的にヤバいと思ったら、自ら消えてしまうと思うけどな」


「じゃあ万が一捕まっても、見世物とかにはならないかな」


「精霊にそんな事したら、災いが自分に降り掛かるからしないはずだよ。それに、そんなクインシーを見つけたら、他の人が黙ってないと思うからね」


 ほっ

「それなら良かった」


 ピクシーもカーバンクルも幻獣だ。

 いくら強い力を持った幻と言えども、動物には変わらない。

 なので、悪さをしようとする人も居たんだよね。


「でも、居たと分かれば調査隊が出張ってくる可能性はあるので、俺達は見てない事にしよう」


「うん、ノームみたいに隠れちゃうもんね」


「そうそう。航海が始まって、自然に目撃されるなら兎も角、コンキリアに入ってたってのは……」

 はははっ


「ちょっとおマヌケさんよね」

 くすくすっ






 ◇◇◇


 翌日、また市場に行って、ウニもとい、エキーノと言うらしい。

 を、大量に買った。


「嬢ちゃん、物好きだねぇ。いや美味いけどよ。美味いの知ってる奴ァ漁師位だぜ?」


「勿体ない!もっと普及するべき!……はっ!普及したら、高級になっちゃう!ぬぁぁ、ジレンマっ!」


 がはははははは!

「エキーノは海底に蔓延ってるから普及してちょっと減らせるなら、そっちのがいいんだけどよ!刺さったら毒持ってっから危ねぇし!」


 ふむ、ならばウニを使った何かを……

 いや、今は止めとこ。

 何れ機会があったらって事で、今回は自分の為に!


「あるだけ買います!」


「おう!太っ腹だねぇ!オマケしちゃるな!」


「ありがとう!」


 よし!お醤油(フルンソース)もあるし、楽しみ楽しみ!

 くふふふふ♪





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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
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