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素材選定とデザイン。

 はふぅ……

「これは、あれだ、身内だけの挙式の場合は信頼する人達ばかりだったので国宝級の素材でも問題なかったけど、お披露目だと多くの貴族の目に触れる。不干渉と断る一諾千金の状を貰ったけど、それでも煩い奴は居る。ここは無難な素材を選ぶ方がいいかもしれない」


 なるほど。

「分かった。ジークに見てもらって良かった。わたしだと素材の価値も知らずに使う所だったわ」


「俺は最高の素材で最高に輝くシャルルが見たかった!!……やっぱり有象無象は蹴散らして、このシムルグの七色に瞬く生地を……」

 ぶつぶつ


 何か物騒な事呟いてるよ!

「いやいや!ほら!デザインで魅せれば!ね!?ママとも相談しなきゃだし!ね!?」


「……でも、お揃いのブローチは付けたい。俺達の色だし、あれは外せない」


「うんうん!あれは付けよう!あれを付けても大丈夫なデザインにしよう!ね!?」


「……あのティアラも可愛かった。あれも付けて欲しい」


「分かった!うん!ティアラも付けよう!ヴェールは使い回しでもいいし!ヴェールなくてもいいし!」


 にっこり

「ヴェールなくてもいいんだ。あのティアラを付けたシャルルがお姫様だから」


「そんなに気に入ってたの?」

 くすくす


「凄く素敵だったんだ。あの大扉を開けて歩いてきたシャルルを待つ間の心情は言葉に出来ないよ。でも、裸のシャルルも女神だよ」


 ぼんっ!!

「なな、ななな!何言いよるか!!」


 あははははは!

「聖域の湖で初めて見た時、本当に女神か妖精かって思ったんだもん。今もそう思ってる」


「……それ一生言われそう」


「俺の宝物」

 ちゅ


 ……

「わたしの大事な旦那様」

 ちゅ


 ぼんっ!

「しゃ、しゃるるしゃんっ!?」


 ぶはっ!

「不意打ちには弱い旦那様だった!」


 あははははは!







 それから生地を見繕ったが、そもそも聖域にある素材は貴重品ばかりで、その中でも”これなら大丈夫かな?”と言うのが、お馴染みのアラクネさんとコクーンさんの生地だった。

 どっちかと言えば、コクーンさんの生地の方が光沢があるので、こっちかなーって感じ。

 まぁ、デザイン次第なんですけどね。

 嵐が終わったら、本格的にデザイン決めないとならないので、わたしも数点デザインを出しておく。

 ジークの服も一緒にね!


 挙式のドレスはジークには内緒に、と思ったが叶わずだったので、今回は最初から一緒に考えてみる事にした。


「ママのデザインを見てからじゃないと何とも言えないんだけど、季節は秋だし、余り肌見せしない方がいいよね」


「挙式の時のドレス、背中見て思わず覆い被さろうかと思ったよ……」


「えっ!?」


「だって!ぱっくり丸見えだったじゃん!?」


「いやいや!丸出しじゃなかったよね!?逆三角にしといたよね!?」


「それでもっ!!……まぁ脱がす時に大層楽しんだんですが……」


 ぶふぉ!

「いやまぁその、えと、あれは低身長を誤魔化すためのデザインだったの!上半身に目が行くようにしたの!」


「はい。釘付けでした。えぇそれはもう凝視しました。俺が釘付けだったんだから、当然他の奴も……。ちょっと記憶操作して来ようかな」


「はいはい、物騒な事は言わないの!それで、デザインは……」


 ロングトレーンが好評だったので、多分ママも取り入れているだろう。

 上半身は7分袖か長袖かなー。

 いやまてよ?


「ジーク、お披露目ってどこでやるの?」


「多分、王宮かな?あぁそうか、場所によってもデザイン変わるのか」


「うん、あまり動かないなら装飾もそこそこ付けられるけど、ご挨拶とかで動くならそれなりにしないとならないからねー」


「うーん……ならやっぱり日程やら場所やら確認してからにしようか」


「大雑把に、こんな感じってのは出しておいて、詰めるのは聞いてからの方がいいかもね?」


「そうだね、ならここまで出たデザインを母さんと相談する?俺は日程確認するよ」

 ちゅ


「うん、お願いね」







 ◇◇◇


 夏の嵐もきっちり3日で終わったので、早速ママにデザインのお伺いに実家に向かう事になった。

 行くのは5日後なので、またお土産にお菓子持って行こーっと。


 と言う訳で、今回はミルフィーユ、パルミエ、シュークリーム、エクレア。

 えぇ分かりました?生地は2種類。

 パイ生地とシュー生地だけのお菓子ですよ。

 手間が掛かるのはパイ生地だけ。

 手抜きじゃないですよ?

 って、あれ?そう言えばシュークリーム見た事あったかなぁ……。

 とりあえず、シュークリームを試食係(ジーク)に見せてみる。


「ジーク、こんなお菓子は見た事や食べた事はある?」


「うーん?食べてみてもいい?」


「もちろん、召し上がれ」


 まだ湿気を吸っていないから、生地はパリッと、クリームはトロッと。

 わたしは湿気を吸ってしのしのになった生地のシュークリームも好きなんだけどね。


「あ、美味い!俺の記憶にはないと思う。食べた事があるなら忘れない美味さ!」


「なるほど。それなら登録がないのかなー?一応商業ギルドにレシピと試作品渡しておこうかな」


「うんうん、なら明日実家行く前に寄って行く?置いてくるだけなら時間掛からんよね」


「うん、そうするー。料理長さんには先にお披露目してもいい?」


「ま、味見程度ならいいんじゃない?」


 よし、じゃあレシピ書いておこっと!




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