フルーレフェス。〜当日 その3〜
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします(*・ω・)*_ _)
「あああああ!ジークさん!シャルルさん!ちょっと待って!!」
警備に当たってたハンターさんに止められた。
「どした?」
「ぶっ飛んだ女が暴れまくってるんす!!」
え!?
「欲しがる男じゃなく?女が?」
「未婚既婚構わず突撃してるんす!結構腕が立つので止められなくて!今応援待ちなんすよ!」
欲しがる男がクレクレ暴れるのは時々あるらしいが、挿したがる女が暴れるって……。
挿した所で自分のモノにならないのに、見境どこ行った?
「あー、まぁ未婚なら勝手に挿されても応えなきゃ問題ないけど、流石に既婚はなー」
既婚者にはパートナーが居るし、勝手に挿されたとしても気分良いもんじゃないよね?
「既婚者がパートナーを無視して挿されると、花の女神に別れさせられるんだ。まぁ言い伝えなんだけどさ」
うへ!違った!この世界は神様との距離が近いから、そんな言い伝えあったら信じるよね!
怖い怖い。
”うわぁぁ!やめろぉぉぉ!”
”きゃーーーー!!”
「ちょ、本気でヤバくない?」
「ハンターで止められないのか?」
「俺は無理っす!だってあ「みぃつぅけぇたぁぁぁ!」いつBランクなんすもん!!」
え?
そこには髪を振り乱したピンク髪さんが鬼の形相で立っていた。
どんなホラーだよ!!
つーか、もう名前すら覚えてないよ!
「怖っ!」
「なに勝手に結婚してんのよっ!!!認めないわよ!!花挿して別れさせてやるっ!!!」
ひぇ!突進して来るよ!
”結界”
「いや、おまえ気持ち悪ぃ」
ガツッ!
「何ですってぇぇぇぇ!!!こうなったらアンタも道連れよっ!!!この結界解きなさいよっ!!!そこの女も殺してやるっ!!!」
ガンガンガン!
”ヴァイン”
「ちょ!!何すんのよ!!離しなさいよ!!!」
「逆恨みもいいとこだな。いい機会だから牢に入って来い。世の為だ」
「いやああああああああ!離せえええああ!!」
すっごいわぁ。
思わず立ち尽くしてぽかーんしちゃったわ。
あ、もしかしてピンク髪さんが一連の犯人?
うーん、こんなに見境ない人の犯行じゃない気がする。
「シャルル、大丈夫?」
ぎゅっ
「あ、あぁ、うん、大丈夫。びっくりしただけ」
「通してくれ!どいてくれ!ジーク!シャルル!」
「ラシードさん!」
「ラシードさん、こんなの野放しにするなよ」
「あぁ、すまん。こいつ公示の後から、ずっと無断欠勤だったんだ。すまなかった。怪我はないか?」
「大丈夫です」
「離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
そうやって話してる内に、ラシードさんの胸に、1本、また1本と花が挿されて行く。
「ちょちょ!花は挿すな!!仕事中だ!!」
”きゃぁ!くすくす!”
ガンッ!ドサッ
「こいつうるさいから黙らせました!」
ぶっ!
さっきのハンターさん、剣の柄で殴り倒したよ!
まぁヴァインで拘束されてたからね。
「あ?あぁ、よくやった。憲兵は?」
「さっき連絡したんで、そろそろ着く頃かと思います!」
「そうか。あーーーもーーーー!!」
ピピーーーィ!
「どけ!道を開けろ!」
”痛っ!””ちょっと!”
「おい!民を蔑ろにするな!みんなもちょっと道を開けてくれ!」
すすすーっと道が開く。
「あっ!!す!すみませんっ!!ジークフリード様!」
「貴様に名を呼ぶ事を許した覚えはないぞ」
「申し訳ない事でございます!エイプリル様っ!!」
「さっさとこいつを連れて行け!」
「「はっ!!」」
ぐったりしたピンク髪さんが引き摺られて連れて行かれた。
ぷはー……なんちゅーサスペンス。
”わあああああ!すげぇーー!!”
”流石英雄様だ!!”
”ひゅーひゅー♪”
拍手喝采。
いや、分かるけど、当事者としてはいたたまれない。
「あー、節度を持って祭りを楽しむように!」
”はーい!!了解でーす!”
”英雄様カッコイイー!”
”結婚おめでとうございまーーす!!”
「行こうか」
「うん!」
「待って!置いてかないで!」
「「あ」忘れてた」
「ひどい!」
思わず苦笑。たははー
「近々謝罪に伺います。この度は大変ご迷惑をお掛け致しました。申し訳ない事でございます」
深々〜と頭を下げるラシードさん。
ふぅ
「相分かった。今後、この様な事がないように励め」
「ありがたきお言葉。肝に銘じます」
そっか、周りに見てる人も沢山いるから、ちゃんとしないとダメなのね。
しーんと静まる現場。
ラシードさんの後ろで、さっきのハンターさんも頭を下げる。
わたしとしては、もういいよ、って言いたいけどダメなんだよね?
チラッ
「よし!気を取り直して楽しめ!」
”わあああああああああああ!!!”
あら、言っちゃった!
「俺もハンターだし、ね!」
ふふふっ!
「流石ジーク!カッコよかった!」
「俺の謝罪が台無しじゃねぇか!」
あははははは!
「それじゃ戻るな!憲兵から連絡来ると思うから!」
「はい!ありがとうございました!」
「またなー!」
「ピンク髪さん、随分思い詰めてたんだねー。まぁ許せる事ではないけど」
「シャルル以外の女は怖い」
「わたしも怖いかもよ?」
くすくす
「シャルルになら、殺られても食われても本望だね」
「それやべぇ奴じゃん」
あははははは!!
ピンク髪さん、名前はトーリエ・モリスンです。
退場したし、どーでもいい?
てへ
※まとめて誤字報告ありがとうございます!




