表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

286/386

フルーレフェス。〜当日 その2〜

「流石にガルボさんのお店はお休みか」


「金物屋さんだしねー。お祭り回ってるのかな?」


 ガルボさん、なかなかのイケメンだから、すぐ花だらけになりそうだよね!


 大通りをぐるっと回って2区から3区へ。

 ここまで来る間に、すれ違う女性がギラギラしてたのは気の所為じゃないと思う。

 やっぱこの世界の女性強し。

 男性のテンションの差は……まぁ致し方なし。


 囲まれる事がないのは、ハンターさんや警邏の人が上手に捌いてくれているからだと思う。

 素晴らしい。


 でも時々、お祝いの言葉を貰ったりしてホッコリする。

 うん、公示が早くて良かったな!

 もしフェス迄に公示がされてなかったらと思うと、恐ろしくて街に出られなかったもんね。

 主にジークの胸が。


「いやー、初めてこんなにじっくりフルーレフェスを堪能してるよ」


 ふふっ

「お揃いだね!わたしも初めてだし!」


「シャルルの初めてもーらい」


 ぶっ!

「なんかその言い方含みがありそう。でも!ジークのフェスもほぼ初めてでしょ?もーらい!」


「いいね、初めて同士」

 くふふっ


 あははははは!






 市場の辺りで、その人を見た。


「ねぇ?あそこの人って……もしかして」


「あー、あれは凄いな」


「お仕事中だから、逃げるに逃げられないって事かな」


「それも多分あると……ぷ」

 ぷくく


「ちょ、笑っちゃ、ぷ」

 ぷくくくく


「あれが緑ならエールーカだ……」

 ぷはははははははは!!


「おいコラ!聞こえてんぞ!!何がエールーカだ!!」


 あははははは!!


「ヘルベスさんっ!!すっ凄いっ!」

 きゃははははははは!!


「うるせぇ!市場のおばちゃんが面白がって挿すんだよっ!!」


「もっ!もてもてっでふね!!」


「笑いすぎで噛んでんじゃねぇか!にゃろう!」


 あははははは!!


「あらやだ!英雄様だよぉ!」


「んまー!ご結婚おめでとうー!既婚者だから花挿せないねぇ!」

 あははは!


「その分もギルマスに挿しちゃおうか!」


 きゃーははははは!!!


「おいっ!おばちゃんが既婚者だろうが!」


「あーら、あたしらはいいんだよ!」


「おばちゃんの旦那ー!どこだー!」


「おう!ここだ!いいねぇ!ギルマス、モテモテ!」

 がはははははは!


 完全に遊ばれてる!!

 ヤバい!腹筋割れるっ!!


「英雄様おめでとう!嫁さん可愛いな!」


「当然だ!」


「やだよ!惚気られた!」


 あははははは!


「俺、これでギルドまで帰るのかよ……とんだ笑いものじゃねぇか」


「なら顔まで花で隠してあげようか?」


「要らねぇよっ!!」


 あははははは!!



「お花は途中で外したらダメなの?」

 コソコソ


「外で外すと花の女神が怒ってイタズラするって言われてるんだよ。だから逃げられるなら逃げた方がいいけど、仕事だとなー」


 なるほど!

 そりゃ外せないわな。


「シャルル、ヘルベスさんギルドまで送ってあげよう?流石に不憫だ」


「うんうん!ヘルベスさんギルドまで一緒に行きますよ!」


「……すまん、ありがたい」


「ギルマス、フェスの間にまた来てねー!」


「もう来ねぇよ!」


 あははははは!!!





 花まみれのヘルベスさんを連れてギルドに向かう。

 行き交う人が、みんな振り向くよ!


「あーもー外に出たくない……」


「ヘルベスさん、愛されてますねー!」


「愛!?これが!?おもちゃじゃねぇか!」


「それも一種の愛情表現ですって!」


「こんな愛は要らねぇ……」


「わぁぉ」


「わぁぉ、じゃねぇ!!」


「見事にやさぐれましたな」


「やさぐれるよ!ちくしょう!」


「あと少しの我慢です!そうしたらギルドです!」


「……ギルドでもどうせ笑われるんだろ?」


 これは……相当キてる!?


「だ、大丈夫!俺が何とかするから!」


「……ギルド着いたらもう外出ない……」


「う、うんうん!」





 〜商業ギルド〜


 ドアを開けたら喧騒が止んだ。


「あー、ギルマスはお疲れだ。執務室で休ませてあげてくれ」


「あー、はい、了解です!」


 とぼとぼと執務室に消えるヘルベスさん。


「今年はギルマスだったかー。あれは凹むよなー」


 ん?

 今年は?


「あぁ、毎年市場で餌食になるヤツが出るんですよ。おばちゃんパワーには勝てませんて」


 ぶっ!


「だから市場は既婚者が行けって言ったのにー!あーあ」


「ギルマスの面倒は見るんで大丈夫です!祭り楽しんで来て下さい!それと、ご結婚おめでとうございます!」


「「ありがとう」」

 ふふっ


「ヘルベスさんを頼みますねー」


「大丈夫です!連れて来てくれて、ありがとうございました!」


「じゃあまた!」


「お気をつけてー!」






「毎年の事なのねー。市場に行く前には本気のお花もあったかもしれないのに」


「笑っちゃって可哀想だったかな」


「ねー。今度労ってあげよう」


「ギルマスも大変だ」


 まったくだ。





 ここから3区まで歩くと遠いから、第1門を通ってショートカット!

 第2門は空間魔法で3区までが近いんだよね。


 第2門を出ると、目の前はラウンドアバウト。


 おぉ!やっぱり2区とは雰囲気が違う!

 より賑やかだ!

 屋台の香ばしい香りもする!

 この香りだけでごはんが食べられそう。


 さてさてー、色々買い込みますかね!






エールーカはイモムシさんの魔獣です。


そして、良いお年を!( 'ω')/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ