マリアージュ。〜計画その17 ブーケ〜
とりあえず監視は外せたみたいだ。
フランシア家から帰る時には何も感じなかったし、カーちゃんトーちゃんも何も反応しなかった。
しかし、まだ気を緩めるには早い。
誰が何を企んでいるのか分からないから。
つーか、許さんぞー!
わたしの大事な日を穢す気でいるなら覚悟しやがれ!
あの世の対岸見せてやる!
ふんがー!
「シャルル?鼻広がってる」
あはははは!
「えっ!?うそっ!!」
キキキキキ!
キキキ!
「ちょ!ふたりも笑うの!?酷いじゃん!」
「シャルルだけ張り切ってなくても大丈夫だよ?俺も居るんだ」
「うん。分かってるんだけど、落ち着かないぃぃぃぃ!」
あははは!
「なら集中出来るように、ブーケを作りましょう?お嬢様?」
ぶはっ!
「それやめてぇ!」
あはははは!
◇◇◇
まずは腹ごしらえ!
夜ごはんは、カーちゃんトーちゃんも一緒に食べた。
今日はハンバーグだ。
えぇ抑えられない衝動を、お肉に叩きつけるにはもってこいでしょ?
叩いて叩いて叩きまくって、それはそれはジューシーなハンバーグが出来上がりましたよ。
カーちゃんトーちゃんのハンバーグもちゃんと作ったよ。
ハート型♡と星型☆
わたしとジークは通常サイズの目玉焼き乗せ。
カーちゃんトーちゃんは、うずらの目玉焼き。
えぇ、うずらはこの世界の物じゃありません。
が、もうジークは知ってるので構うもんか。
「うんまぁぁい!やっぱりハンバーグが優勝!」
キキィ!
キキィ!
うんうん、ハンバーグ美味しいよね!
やっぱりミンサー欲しいけど、ガルボさんが多忙になったので注文しにくい。
ま、わたしのせいなんだけども。
「えっ!?カーちゃんおかわりするの?凄いね。トーちゃんはマッシュホクリ(ポテト)?はいはい、待っててね」
ジークの食欲も凄いが、このふたりも凄い。
自分の体積よりも食べるのか!?
……ノームもそうだったな。
四次元胃袋か。
「まだ熱いからね?ふーふーしてね?」
そう言ったら、なんと!冷却魔法で適温まで冷ましてるよ!
流石!食欲の権化!
「カーちゃんトーちゃん、おいでー、クリーンしようね」
ふたりにクリーン。
手掴みで食べるから、食前食後は必須なのだ。
キキィ!
キキィ!
「ん?そう言えば自分で出来るんじゃないの?」
キィキキィ!
キキィ!
はははっ
「これは分かった!やってもらいたいんだって!甘えんぼだなー」
キィ!
キィ!
ふふっ
「いいよー」
よしよしもふもふ
食べたら籠に入って丸くなる。
うん、いつも通りだね。
◇◇◇
「さて、ブーケ作る?」
「お花の選定だけして、組むのは明日にしようか。お花選ぶだけで時間掛かりそう」
くすくすっ
さーて!お花山盛りだよー!
とりあえず種類別に、どかん!どかん!
「確かに。これは選ぶだけで時間掛かりそうだ」
「このまま出してると萎れちゃうから、保存魔法掛けとくね」
”キープ”
「作りながら選んでも大丈夫?」
「もちろん!じゃあわたしもそうしよう。何個作ってもいいもんね」
レースにリボン、紐にハサミ、ブーケに使えそうな道具も用意して、れっつ!”クリエイト”!
赤基準で、ラナンキュラスの丸くこんもりとしたラウンドブーケ。
チューリップの茎の長さを利用して、スラリとしたスタイリッシュなクラッチブーケ。
様々な花を混ぜて、縦長に垂れるようなキャスケードブーケ。
お花を選ぶのは自分だが、流石のクリエイトスキル、そつなく綺麗に仕上げてくれる。
ジークを見ると、顔が真剣そのもの!
楽しんでる?難しい?
「どぉ?」
「花を選ぶのが難しい」
「色は赤に限らず何でもいいよ?直感でいいなと思ったのを使ってクリエイトするの」
「赤くなくてもいいの?」
「もちろん!ジークが選んで?」
「分かった!」
それなら……と、ちゃきちゃき作り始めた。
ふむ?ピンク系なんですね?
わたしは手を止めて、ジークが作るブーケを見てた。
「ドレスがあの形だから……」
おぉ!?ドレスの形か!考えずに作ってたわ!
確かにプリンセスラインだから、クラッチブーケじゃないよな。
あれはもっと大人っぽいデザインの方が似合う。
そう考えたらキャスケードブーケも流れるデザインだから、Aラインかマーメイドの方がいい感じ。
ジーク凄いな!
「こんな感じ?」
ピンクのシャクヤクがベースのラウンドブーケ。
可愛らしい!
「ジーク凄い!これがいい!これにする!」
「え!?赤くないよ!?」
「赤はブーケじゃない所に付ける!ジークもお揃いでブローチ作るから、ブーケはこれにしたい!いい?」
はははっ
「光栄です!」
新郎がブーケを作るって、何だか新しいな?
ってか、ブーケがこの世界、いや、この国初なのか。
「ありがとう。凄く可愛いね!これを持ってドレス着るね!」
「楽しみだね」
にっこり
式まで、後7日。
◇◇◇
その頃、とある場所で……。
ぽん!ぽぽぽぽん!ぽんぽん!




