解放。
「あーっと、その、えーっと、あっ!「遊びに来てた」んです!」
「で、俺達の後を追って来たんだよな?」
キィ?
キィキィ……キィ!
トーちゃんが首を傾げるカーちゃんを肘で小突く。
ホントに人臭いわね!
「……なるほど?」
「カーバンクル様には、結界も通じないんですねぇ。凄いです!」
「あぁぁそう!この子達は魔法鍵も開けちゃうので!」
嘘じゃないよ!ホントだよ!
「普段はしないよ!な?カーちゃんトーちゃん」
キキィ!
キキィ!
ふんっ!とまた、ふんぞり返る。
それ、可愛いだけだよ!
「まぁ!お可愛らしい!カーバンクル様もお菓子を召し上がりますか?」
キィ!
キィ!
「あ、何かすみません」
「いいえ!すぐに用意致します!」
そう言ってカサンドラさんはカーちゃんトーちゃんのお茶も用意してくれた。
何その食器。
小さいカップにソーサーにお皿。
「流石にカトラリーはお使いにはならないでしょうから」
そう言って用意するが、明らかにカーバンクル専用食器。
「以前、このお屋敷にいらした時に用意したのですが、届く前にお帰りになってしまわれたので……」
え?特別に誂えたって事!?
「この食器も漸く日の目を見られました!」
他にもあるんですのよ!
と、カサンドラさんは満足そうだ。
マジか。
「それで、えっとー、このふたりが協力してくれるそうなので、テイム調教された動物はどうにかなりそうです」
キィ!
キィ!
「カーバンクル様が?」
しゅるん!とチャーリーさんの前に行って、
キィキィキィ!
キキィ!キィ!
と話してるが、きっとチャーリーさんにはちんぷんかんぷんだろう。
が、
「……なるほど?」
話を合わせてくれるチャーリーさん、凄い。
満足そうなカーちゃんトーちゃん。
わたしもジークも笑いを堪えるのに必死だ。
ぷぷぷっ
あっ、笑っちゃった。
「わたしもどうやるかは分からないんですけど、任せろと言うので、ふたりに任せてみる事にしました」
キキィ!タンタン!
「いや怒らないでよ!お任せするから!助けてくれるんでしょう?」
キィ!
キキィ
分からないと言ったのが気に障ったらしい。
そんなん分からんて!
キィ?キィ
キキィキィ
キキキ?
キィキィ
キキィ!!
「え?早速行くの?」
キキィ!
キキィ!
「分かった。気をつけてね?無理はダメよ?」
キィ!
キィキィキキィ!
しゅたたたたたた!っと走ってドアの前へ行くと、開けろと催促。
カサンドラさんがドアを開けると、走って行ってしまった。
え、どうやって外に出るの!?
まぁ、任せると言った手前、信じて待つしかない。
気をつけてね!
「さて、どうやるんだろう?」
「傍らで見守れないのがもどかしいですな……」
「でも、ふたりなら大丈夫!あの子達強いんです!」
えぇ信じてますよ!
◇◇◇
【カーちゃんトーちゃん】
※流石にキィキィじゃ分からないので、人語に翻訳。
※幼児語なのは気にしない。
「ちゃるるのききだ!」
「じーくもききだ!」
「「ふたりでたちゅけるぉ!」」
お屋敷を抜け外に出る。
きょろり。
「いる?」
「まりょくあるね」
「どこかにいるね」
「こっち?」
「そっち!」
しゅたたたたた!
しゅた!
「あのこ」
門の外の壁の上で佇むアルディジャがいる。
「まりょくあるね」
「まりょくだね」
監視はシャルルとジークなので、カーバンクルには気づいてないようだ。
「はなちかけたらきじゅかれる?」
「あのこのちゅじんにわかっちゃう」
うん、と頷きあって”雷鼓・弱”
ピシャーーーーン!ドサッ
「ごめんね、ちゅぐおわるからね」
アルディジャの身体にある陣を探して
「ここにあったぉ!」
「じゃあやるね!」
”リベレイト”!
刻まれた陣がアルディジャから離れ、浮かび上がる。
文字がバラバラに解けて消えていく。
”ヒール”!
ぱちっ!と目を覚ましたアルディジャ。
「もうだいじょぶ!にげていいぉ!」
きゅんきゅん!
しゅたたたたたたた!と走り出して消えた。
「ぉーち!まだいる?」
「まりょくなーい」
「なー……ある!うえ!」
「「ぱっせるだ!」」
”雷鼓・弱”
ピシャーーーーン!しゅーーーんドサッ
「おちた!ある?」
「ある!ここ!」
”リベレイト”!
……。
「あぇ?おきない」
”ヒール”
……ぱちっ
「だいじょぶ?いたくない?にげていいぉ!」
ちゅん!
パタパタパタパタ……
「ぉーち!もーまりょくなーい!」
「なーい!」
「「ちゃるるとじーくにほうこくぅ!」」
◇◇◇
キィ!
キィ!
てしてしてし!
窓を叩いて入れろの催促。
「おかえり!」
「え?もう終わったの?マジ?」
キキィ!キィ!
キィキィキィ!
「あー、待って待って!落ち着いて!終わったの?」
キィ!
キィ!
キキィ!キィキキィキィ!
「ん?2匹?」
キィ!
キィ!
「アルディジャだけじゃなかったのか!カーちゃんトーちゃん、ありがとうな!」
パタパタと腕を振る様子を見ると、鳥?
「鳥も居たの?」
キキィ!
キキィ!
「2匹も使役してたのか。相当魔力使ってたはず」
「今頃、反動でもんどり打ってると思われますな」
反動あるのか。
そりゃそうか、何もなければ使う人は多いはずだもんね。
さて、ここからどうする?
この後19:00に閑話が入ります。
※まとめます!誤字報告ありがとうございます!




