2人のギルマス。〜その2〜
「えと……、そんなに大事になるとは思ってなかったんです。今、在庫がそれなりにあるので、売れるのかなーと思っただけで、真剣に仕事として作ろうとは思ってなかったです」
「なるほど。ならイタズラに薬師ギルドを騒がせる事もないかな。ポーション作りを生業としてる人もいるからね」
「えっ!?売らないのかい!?ハンターギルドとしては、喉から手が出るほど欲しいんだけど!!見せられただけでお預けか!?」
うわ!圧がすごい!!
でも片手間にやっちゃダメだと思う。
ポーションは命が掛かってるし。
やるならキチンと仕事としてやらないとダメだよね。
「あの、少し考えてもいいですか?」
「もちろん、よく考えてくれていいよ。寧ろ考えなくてはね。そう言えば、シャルルはいくつだい?女性に聞くのもマナー違反だけど」
「15歳です」
「「えぇ!?」」
「いや!いやいやいや!その歳でこれを作れるの!?」
あ、マズかった??
「だから仕事も持ってないのか……。幼く見えるだけかと思った……、いやそれは分かる、分かるんだが……」
ブツブツ……。
やばい、もう帰りたい……。
ポーション買いに来ただけなのに、エライ事になった。
「あの、ちゃんと考えて来るので、今日はもうお暇させて頂いてもいいですか?」
「あ、あぁ、すまない。そうだね、もう遅いし、引き止めて悪かったね」
「いえ、お話出来て良かったです」
「そう言って貰えると助かるよ。考えが纏まったら、商業ギルドに来てもらえるかい?」
「はい、えと、アポは必要ですよね?」
「そうだな……、3〜4の鐘の間は、よっぽどの事がない限り執務室にいる事が多いし、その時間ならアポなしで大丈夫」
「分かりました。では伺う時はその時間にします」
「あぁもう8の鐘がなる時間じゃないか。危ないから送って行くよ」
「えっ!?そんなに遠くないから大丈夫です!」
「いやいや、こちらの都合で引き止めたし、帰りに何かあってからでは遅いからね。車持ってきてるから乗っていくといい」
「いやでも……」
「送ってもらいなよ。その方が心配しなくて済むしね」
「はぁ、分かりました。よろしくお願いします」
◇◇◇
ハンターギルドを出た所で8の鐘が鳴った。
ゴーレム車に乗り込んで、中を見回す。
シートベルトなしでもホールド感すごい!
自前のゴレ車運転するの楽しみ!!
「家はどこ?親御さんに謝らないとなぁ」
「あ、親は居ないです」
「え?ひとりで暮らしてるの!?」
「はい、家は2区上です」
「えっ!?2区上にひとり!?」
あ、マズかった??@2回目
「あぁ、使用人とかがいるのかな?だとしたら少しは安心だね」
ふふっ
ひ、秘技!笑って誤魔化せ!!@2回目!!
「あ、門で大丈夫ですよ」
「ここから近い?」
「はい、すぐそこです」
「わかった、気をつけてね。来るのを待ってるよ。あ、名刺渡したよね?」
「はい、頂きました。送って頂き、ありがとうございました。おやすみなさい」
「またね」
◇◇◇
うわぁぁぁぁぁん!!
疲れたぁぁぁぁぁ!!
聖域帰ろう。
帰ってごはん食べてお風呂入って即寝る!!
今日はもう何も考えないっっ!!!




