光と闇。
活動報告に感謝の印として、おまけページ載せました。
良ければ暇つぶしにでもお読み下さい。
あ、おまけページの投稿は12/14 pm21:00頃です。
「……依頼したい」
「……どこからの紹介だ」
「何処でもいいだろう。金はたんまり払う」
ガシャ
ひゅ〜♪
「へぇ?俺らは汚れ仕事専門だぜ?」
「とある人物を屠って欲しい」
「ふぅん?こんなに金を積むって事は、相当なヤツだな?」
「そいつよりも一緒にいるヤツが厄介だ」
コソコソ
「は?正気か?」
「出来ないのか?」
「……まぁ、遊んでやるのもいいかもしれねぇな。ヤツには仕事をひとつ潰された恨みもあるから。いいぜ、殺ってやるよ」
「その袋は前金だ。成功報酬はそれの倍払う」
あははははは!
「金払いのいいヤツは好きだよ!任せな」
「日にちは……」
◇◇◇
ブーケブーケふふんふーん♪
やっぱりブーケは野に咲く花よりも、少し華やかな方がいいと思って、お花屋さんに突撃します!
2区のお花屋さんは、流石に庶民寄りなので、1区のお花屋さんに来ました。
ママに聞いたのよねー。
「うちの花を使ってもいいのよ?」
そう言われたけど、フランシアの薔薇だと豪華過ぎるんです。
小娘にはちょっと……。
「ジークは好きなお花とかある?」
「俺、さっぱり分からん」
ふふっ
「一緒に選んでね」
「分かった」
ぶふっ!神妙な顔!
「もっと気軽に選んでよ」
「あっ!これは?」
ふむふむ、スターチスか。
「シャルルの色!ちょっと濃い目だけど!」
ぶはっ!
でもわたしは……
「わたしはジークの色を使いたいな」
言ってて照れる。
ん?反応ないぞ?
「!!」
真っ赤だった!
それを見てわたしも赤くなる。
店員さんが微笑ましげに見てるよぅ!
よし、さっさと片っ端から気になったお花を買い漁ろう!
「えと、」
基準は赤だけど、他色のも入れる。
ダリアにラナンキュラス、チューリップにシャクヤク。
スイートピーにマトリカリア、ライラック、ミモザ、レースフラワーにかすみ草、アスチルベにガーベラ!
それと、恐らくこの星の花なんだろう、よく分からないけど綺麗なのがあったので、それも数種類。
もちろん、スターチスも入れました。はい。
「お届けしますか?」
「いえ、持ち帰ります」
どどん!と積まれた花の量よ。
まぁマジックバッグにぽいぽい放り込むだけだ。
金額も凄かった。
この世界もお花はいいお値段するのね。
「ありがとうございました!またのご来店をお待ちしております」
丁寧にお辞儀をされて店を出る。
「何かよく分からないうちに終わってた」
あはは!
「あの場で決めようと思ったら何時間掛かるか分からないから、適当に選んだだけだよ。お家でブーケに組み立てるよー」
「俺も手伝う!せっかくスキルあるし!」
ふふっ
「うん!お願いね!」
ゴレ車を出して乗り込む時に
「ジーク」
「うん、気付かないフリしてて」
何だろうこれ、粘っこい視線……?
殺気と言うより、粘着質な……。
「一旦、特別門に入るよ。特別門の中でも感じたら、貴族って事になるから」
「分かった」
平民は特別門を潜れない。
特別な許可が必要だからだ。
「お帰りなさいませ!エイプリル様!」
門兵さんがスーッと門を開き、中に入る。
少し走ればフランシア家だ。
だけど、フランシア家には行かずに、貴族街の間を走る。
「……門を越えたら感じなくなった?」
「追えなかった可能性もあるから、少し待ってね」
あ、そっか。
そう言う危機管理はジークの方が上だ。流石ハンター。
暫く待ってみたが、何事も無かったので、転移で家に帰った。
◇◇◇
「実は、登城した時に同じ様な視線があったんだ。だから貴族かと思ったんだけど……」
「じゃあ今回のは別って事?」
「城ではクリス兄さんがどうにかしたはずだからね。って、その後どうなったのか聞いてなかった。メッセージで聞いてみるか」
”デンタツ”
そう言ってメッセージを送った。
「よし、これで返事待ち。まぁ何があってもシャルルを守るよ。って、今までシャルルに守られた事しかなかったわ」
しょぼんぬ
「えっ!?そんな事ないよ?一緒に居てくれるだけで心強いもん!それに憲兵本部で助けてくれたじゃない。ふたりで持ちつ持たれつだよ」
顔を見合わせて笑い合う。
本当に、この人はなんて可愛いんだろう。
「シャルル、愛してるよ」
「わたしも、ぁぃしてるっ!」
むぎゅっ!
まだ恥ずかしさが勝ってしまう!
「恥ずかしいの?」
こくん
「ベッドでは言うのになー。そんなシャルルも可愛い」
ちゅ
ひやぁぁぁぁ!!
なんつー事をっ!!
あれは!その!無意識でっ!
ちゅ ちゅ
「あー、可愛い」
こっ!このままじゃ食べられてしまう!
まだお昼ごはん前なのに!
ブーケ作るのに!
「あの!あの!ジーク!」
「ん?」
ちゅ ちゅ
「あ、デンタツ来ちゃった。残念」
きっとクリスティアンお兄様!グッジョブ!
「伝話だ。出るね」
「うん」
「はい、ジークです。はい、え?居なかった?ふむ。いや、今日1区でシャルルと居る時に、同じ様な視線を感じたんだ。うん、シャルルも一緒に感じてるから間違いはない。特別門に入って様子を窺ったけど、貴族街では感じなかったから、別口かなと。うん、分かりました。大丈夫ですよ。あ、母さん達には言わないでね?大袈裟にされたら困る。はい、じゃあまた」
「居なかった、って、見つからなかったって事?」
「恐らく貴族だから、城で他のやつに紛れるのは可能だからね。ま、来るなら来いってな!シャルルは絶対ひとりで外に出るなよ?」
「ジークもだよ!ジークが出る時は、わたしも行く!」
うん、とふたりで頷きあった。




