お土産クッキーを持って。
しゃしゃしゃーしゃっしゃっしゃしゃー
クッキーの大量生産も終わったので、次はラッピングだ。
ちょっと華やかにしたい。
ガラスの保存瓶にただ入れるだけじゃつまらんな。
レースで覆ってリボンで留めるか。
リボンで花を作って……うん、これなら。
しゃしゃしゃ?……何の音?まぁいい。
「ジーク、こんなのはどうかな?」
「この花どうやんの?凄いね!こっちも見て!」
ん?
「わぁ!瓶に模様?凄い!」
「記念だから、文字も入れようかなって思ってさ」
これってサンドブラスト!?
え、道具は!?
「クリエイトと風魔法土魔法の合わせ技だよ」
「凄ぉぉぉい!!!あっ!さっきのしゃしゃしゃか!」
あはははは!
「ちょっと音が出ちゃうのは仕方ない」
「よく思いついたね!流石だわ……」
「いやー、魔獣で砂を使った攻撃してくるサンドバンシーって魔獣がいるんだよ。何もかも削り取るから、真似してこれにも使えるかなって。シールドないと人も削り取られるんだ。そいつと出会ったら骨も残らないと言われてる。見た目は華奢な女型だから、騙されるんだ」
うぇ!?恐ろしい!
「まぁ滅多に出ないけどねー」
「でもこうやって役立ってくれたね」
くすくすっ
「じゃあ瓶に模様は俺担当、包むのはシャルル担当ね」
「よしきた!」
刻む文字は、受け取った人の未来が幸多からん事を祈る言葉の飾り文字。
幸せのおすそわけ。
出来上がった瓶にクッキーを詰めてラッピング。
ジークは興が乗ったのか、どんどん造るので最終的には50個位出来た。
ふふふっ楽しそうでなにより!
それでもまだ詰めてないクッキーは半分位ある。
これはマジックバッグに入れてノームへのお土産にしよう。
たくさん居たからね!
「楽しかった!これハマりそう」
はははっ
「クリエイトスキルのレベルが上がると、こんな事も出来るよ」
徐にガラスを持って
”クリエイト”
くにゃ
「!?」
「ガラスは容易に形を変えられるから、また別の楽しみも出来るかもよー」
「くっ!……まだその域に達してないからビクともせん!絶対出来るようになってみせる!」
ふふふっ
「楽しみながらね!」
◇◇◇
さて、瓶詰めクッキーも出来たし
「準備はいい?」
「いつでも!」
「行きまーす!」
シュンッ!
◇◇◇
にょーんにょーんにょきっ!
にょーんにょーんにょきっ!
「世界樹さん、こんにちは!」
にょきーん!
『何じゃ、我よりも先に世界樹か!よう来たな!』
「あっ!すみません」
『よいよい』
「こんにちは、お久しぶりです」
『おぉ、よう来た!魔力はどうだ?安定しとるか?』
「はい、お陰様で、飛ぶのもだいぶ慣れました」
『そーかそーか!』
「あの、ドラゴンさんて、何か召し上がったりしますか?」
『ん?いや、我は口からは食わない。養分を世界樹から貰っとる』
「そうなんですか。いえ、クッキー作ってきたので召し上がるかなと思って」
『よいよい、その気持ちだけありがたく貰うよ。そこなノームは待っていたようじゃがな』
ん?
にぱっ!
「ノームさん!こんにちは!約束のクッキー持って来ましたよ」
コショコショ!
にぱっ!
コショコショーー!!
「うわっ!どんどん集まってくる!」
「ひゃぁ!足りるかな!?もし残ったらここに入れておくから仲良く分けてね」
足元にわらわらわらわら!
コショコショーー!!
コショコショ!コショコショ!
ぶは!ちゃんと順番待ちしてる!可愛い!
シートを敷いてマジックバッグからクッキーを入れた箱を出した。
ちゃんとひとり1個取って捌けていく。
素晴らしい!
それを見てる間にジークが時間超過の謎を、ドラゴンさんに聞いていた。
『汝らは長い道を通って来たじゃろ?彼処が”時渡りの道”じゃよ。人によっては年単位になる事もある。汝らは2ヶ月と言ったか?マシな方じゃな』
はっはっは!
なんと!!
「道を通る体感はみんな同じなんですか?」
『それも人それぞれじゃの。まぁここに来た最後のヤツは一瞬で来たのに、戻ったら3年経っておったわ』
ひぇ!!
浦島太郎じゃん!
ん?
はっ!待って!
「その道を通ってないから、今回は時渡りしませんよね?」
『ん?んー、多分大丈夫?』
「「ええぇぇええ!!!」」
『何かあるのか?』
「春に結婚式があるんです!!時渡りしたら困るんです!!」
『おお!めでたいな!よし、ちこう寄れ』
ジークと手を繋ぎ、ドラゴンさんの前に行くと、ドラゴンさんの爪をふたりの額に当てて
『我の加護を与える。この者に大いなる幸を与えん』
「「!!!」」
キラキラと光る風がふたりを包み渦巻いた。
ノームがコショコショと何か言いながら騒いでる。
光の風が収まり、ドラゴンさんが
『よし、これで時渡りの影響も受けず、如何なる状態異常にも掛からず、呪いの類の呪術も跳ね返すぞ。この加護を与えるのは久しいな。かれこれ……はて、どれくらいぶりじゃったかな?』
「そんな貴重な加護を……ありがとうございます」
「ありがとうございます!わたしもドラゴンさんに何かしてあげられる事はないですか?」
『なに、たまに遊びに来い。それで充分じゃ』
はっはっは!
「絶対また来ます!」
『よいよい、我は寿命がないからの。人の営みの間に、思い出した時で構わんよ』
優しいドラゴンさん。
可愛いノーム。
また来るね!
ありがとう!




