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マリアージュ。〜計画その14 お針子さん〜

「発言をお許し下さい」


「あぁ気にしないでどんどん話していいよ」


「ありがとうございます。まず、素材が素晴らしく、生きているうちにお目に掛かれる事が幸運でございます。それに、裁縫の手腕、お見事でございます。長年針子をして参りましたが、まだまだだと思い知らされました。シャルル様はまだお若いのに、既に神の手の域に達しておられます。お目通り出来た事、心よりお礼申し上げます」


 は?


「「「「ありがとうございます!」」」」


 え?

 ママ!助けて!


「わたくしも、まさかここまでとは思って居ませんでした。素材云々よりも、シャルルの腕前が素晴らしい!」


 うぇっ!ママ!?

 ジーク助けて!


 はははっ

「シャルルは凄いんだよ」

 なでなで


 違う!そうじゃない!

 うわあああん!どうしたらいいの!?



 コンコンコン

「奥様、お茶の用意が出来ました」


 チャーリーさん!グッジョブ!!


「あぁそうね、ちょっと早いけど、お茶にしましょうか。チャーリー頼んだわよ」


「畏まりました。どうぞこちらへ」


 案内された部屋は、お初に入る場所。

 とても華やかで素敵な部屋だ。

 そこそこの人数が座れる様になっている。

 20人位かな?

 式服はジークがしまった。

 汚されたら大変だからね。

 まぁクリーンあるけど気分的に。





 ◇◇◇


 出されたお茶菓子はサンセバスチャン。

 おぉ!料理長さん、完璧やん!ハラショー!


「まぁ!これはフランシア家の代表のお菓子ではありませんか?ステキですわ!」


「わたくし噂だけは……この形どうなっているのかしら?不思議ですわね!」


 うむうむ。お針子さんにも好評ですな!


 うふふふ

「このケーキもシャルル考案なのよ」


 ママァァァァァァァ!!!何故バラす!!

 頬が引き攣るぅ!


「まぁぁぁ!シャルル様は多才でいらっしゃいますね!素晴らしいですわ!」


 おほほほ、ほ、ほ

「いえ、そんな……」

 うぅ褒め殺しっ!!

 助けてジークぅ!

 あ、ダメだ。ニッコニコしてる。


「では、お披露目の式服、どうするか、何か案はあって?」


 あ、これ会議なんですね。

 黙っとこ。


「己の不甲斐なさに辟易しております……。本当に申し訳ない事です」


「その、すみません……」


「シャルル様は悪くありません!ひとえにわたくしの未熟さが……」


 パンパンッ!

「もっと建設的に話しましょう。反省はいつでも出来るわ」


「申し訳ない事でございます。では、あの式服を超えるモノを作ろうと思ったら、まず素材の調達が困難でございます。この度の素材は、如何様に……」


「あぁ、俺の秘蔵から出した」


「流石はSSランクのジークフリード様でいらっしゃいます!他にも……お持ちではありませんか?」


 ぐは!

 あるにはあると思うよ!

 帰らないと分からんけど!


「あー、ある、かも?」


 よしよし、それでいい。うんうん。


「残念ながら、わたくし共ではお力になる事が叶いませんので、その、シャルル様に……」


 あーね!

 2着目ね!くはー!

 まぁお披露目は秋だし、出来なくもないか。

 デザインはママにも手伝って貰ってなら、一応約束は果たせるかな。


「何か、わたくし共でもお力になれる事がありますれば!精一杯お手伝いさせて頂きます!」


 うーん。

 正直ないんだけどなー。

 うーん。

「では、もし何かあった時はお願いします」


「「「「「はいっ!」」」」」


 うわ!よいお返事ありがとう!


「シャルル、デザインはどうするの?」


 ん?

「ママと相談しようと思ってましたけど、いいですか?」


 ぱぁぁぁ!

「えぇ!もちろんよ!嬉しいわ!」

 むぎゅ!


 ふふふっ

「よろしくお願いしますね」


「今回見た素材やデザインは他言無用だ。外に漏れたら……分かるな?」


「えぇえぇ、もちろんでございます。ここに居るお針子達は絶対に漏らしません。魔法契約をされても大丈夫でございます!」


 魔法契約?

 えーと、識庫さん?

 *魔法で契約を交わした場合、契約を破ったら相応の罰が(くだ)ります。

 契約の重さによっては、四肢欠損、視力剥奪、聴力剥奪、喉潰し、又はその複数等。


 ひぇ!!

 恐ろしい!!

「そこまでしなくても大丈夫ですから!」


「信じて下さってありがとうございます。シャルル様はお優しいですね」


 怖ぇし!やんないよ!


「シャルルは凄いな」

 なでなで


 違う!そうじゃない!


「まぁ、フランシア家に仕える針子達だし、大丈夫よ。ね?」


「「「「「はい!」」」」」


 お貴族様怖ぇ。




 その後はお菓子を食べてお茶を飲んで歓談。

 主にドレスや騎士服のデザインについて聞かれた。

 が、聞かれても困るんだよなー。

 そうだ。


「式とお披露目が終わったら、服飾ギルドに数点ドレスのデザインが売られるはずです。よければ見てもらった方が分かりやすいかもです」


「まぁ!本当ですか!もちろん買います!あぁ楽しみですわ!」


「あの、裾の長いデザインもありますでしょうか?」


「はい。あの裾はロングトレーンと言います。普段使いではなく、主にウエディングドレスで使います」


「ありがとうございます!デザインが売られましたら作ってみたいです!」


 ワイワイと楽しそう!

 売られたら買ってねー!うふふふっ






ロングトレーンとヴェールが大好評でウエディングドレスの定番になるのは、また別の話。

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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
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