マリアージュ。〜計画その12 評価〜
商業ギルドに行った翌日。
メニューは、女性と言う事で華やかに見えるモノを少し取り入れる。
しかし、冬なので冷製のものは少しだけ。
思えば冷製のモノって華やかになるよねー。
ジュレでキラキラにさせたり出来るし。
なので、とりあえずルビシュのファルシは出す。
後はペコのグラタンスープ、お肉はステーキでもいいんだけど、ひと手間加えてカウカウカツレツ。
……フィッシュフライがあるんだから、カツレツとかトン(オーク)カツとかあるよ、ね?
まぁいい。
和洋折衷だが、気にするな!
お魚は海のモノ繋がりで焼きガニ。
以前モーリェで買った大きなカニがあったので、シンプルにね。
パンとおにぎりと、後はデザート。
アイスクリームにしよう。
寒い時に、あったかい部屋で食べるアイスは至高。
カフェルはジークにお任せ。
圧倒的にジークが淹れたカフェルが美味しい。
よし!アイテムボックスに入れて完了!
先に式服見てもらって、引き出物の事を聞いてからごはん。
後は来るのを待つばかり!
◇◇◇
カランコロン〜♪
「いらっしゃいませ!お呼び立てしてすみません」
「いいのよ!楽しみにしてたんだもの!」
とりあえずリビングに通してお茶を出す。
「それで?早速だけど見たいわ!」
ふふふっ
「ではこちらへ。ジークは待っててね」
「はいよー」
裁縫部屋に案内してトルソーの前に立つマリアーナさん。
「…………………」
無言です。
何も言葉を発しません。
あ、よく見たらぽかーんの顔だった。
「………ねぇ、シャルルちゃん、この素材」
「あ、ソコは気にしたらダメです。デザインと出来上がりのダメ出しお願いします」
「ダメ出し?この完璧な仕上がりのどこに?ねぇ、お披露目する時のドレスは別に作るって言ってたけど、シャルルちゃんが作るの?」
「あ、いえ、公爵夫人が張り切ってまして、多分どこかに依頼するんじゃないかと」
「無理ね」
「え?」
「これ以上のモノは、現存する針子では作れないわ。もしその針子がこれを見たら己の技量に絶望するわよ。自信を持ってる人なら尚更ね」
「えぇぇ!?」
「それに、この素材。1から集めようと思ったら何年掛かるか……。素材もこれ以上のモノは集められない」
やっちまったのかー!
って、家にあったし!
「騎士服のサーコート、これユニコーンでしょ?それにドレスのフラッフィーバード、何方も幻と言われてるのよ。それをこんなに贅沢に……最早値段は付けられないわね」
チラリとドレスの裾を捲って
「クリノリン、えっ!?ステュムパリデス!?ちょ!えっ!?」
ダラダラダラダラ……
「……あぁ仕入れ先は聞かないから大丈夫よ。まぁ住んでるのも2区上だし、デンタツにゴレ車、富裕層ですもの。爵位の低い貴族より、よっぽどお金持ちだわねー」
ふへへ。
わらごまわらごま!
「デザイン完璧。縫製完璧。そして素材が国宝級。非の打ち所がないわ。早くこれを着た2人を見たいわねぇ」
ほぅ……
相変わらず色っぺぇ。
「このドレス、先に公爵夫人にお見せした方がいいと思うわ。もし素材を集めるなら、今からじゃ間に合わないし、針子の覚悟だって必要だもの。もしかしたら、お披露目でもこれを着る事になるかもだし」
え、マジか。
いや2回着るんでもいいけど、ママに聞かないとダメか、そうか。
「分かりました。見てもらってからお披露目のドレス考えます」
「それがいいわ。はぁ、生きてるうちにユニコーンやフラッフィーバード、ステュムパリデスの素材を見られるなんて思わなかったわ。はっ!この家の警備は!?こんなお宝があるなんて誰にも知られてないわよね!?」
「え?警備?警備は結界位ですけど……。知ってる人は今の所ジークとマリアーナさんだけですね」
「……式の後も気をつけてね。分かる人が見たら、これはとんでもないお宝なんだからっ!!」
「あ、はい」
インベントリか聖域の家に置いておくから大丈夫です。とは言えませんな。
「まぁSSランクの家を強襲するヤツはいないと思うけど、用心に越したことはないのよ!」
「あ、はい」
来たら返り討ちにします。とも言えないわな。
「結界は常に最上級にね!」
「あ、はい」
今でも最上級です。はい。
「それから、」
「あー、マリアーナさん、そろそろごはんにしませんか?聞きたい事もあるので!」
「あ、そうね、うん、ごはんお願いします」
ちょっと興奮してたので、ごはんでクールダウンだ!
◇◇◇
「う、わ、すごい!何これステキ!」
「ルビシュにチーズとか詰め物したファルシってお料理です。どうぞ召し上がれ」
「美味しそう!頂きます!」
「マリアーナさんに聞きたいんですけど、お式の時って参列者にお土産って渡します?」
もぐもぐ
「いえ、渡す事はないわね。何か考えてるの?」
引き出物ないのか!
「えと、感謝の印に何かお土産渡した方がいいのかなって思ってて」
「お祝いされる方なのに律儀ねぇ。特に必要ないと思うわよ」
ふふふっ
そーかーうーん。
なら小さな焼き菓子を渡す位に留めるか。
ノーム達のクッキーと同時に作っておこう、そうしよう。




