マリアージュ。〜計画その10 ドレスと騎士服〜
さぁってと!先ずはドレスからか?
いや、騎士服からにしようか?
うぅん、並行して作るか。
その方が合わせやすいかもしれないし。
作って、ジークに着せてみて、飾りを見なくちゃね。
よし!
えーと、生地は……ここからスキルに頼る事出来るかな?
やってみよう!
”クリエイト”
時間設定、午前の4時間騎士服、午後の4時間はドレスっと。
生地も頼むよ〜!色は白基調にね!
れっつ!そーいんぐっ!
ほほぅ、縫い糸はユニコーンの鬣ですね。
まじか。
ふむ、サーコートからですか。
サーコートは革ですね。
なになに?えっ!?ユニコーン!?
え、ユニコーンの革って使っていいの!?
希少種じゃないの!?いや、めっちゃ綺麗ですけど!
そうこうしているうちに裁断が終わり、特殊針が出てきた。
あぁ、普通の針じゃ刺さらないのか……。
ドラゴンスキンと同じなのね。
縫い縫い縫い縫い縫い縫い縫い縫い……。
ぴたっ
はっ!もう4時間経ったの!?
うはー、まだかろうじて形になったかなーって位だな。
とりあえずジークサイズのトルソーに掛けて、お昼ごはん食べに戻ろう。
お昼は軽くサンドイッチ。
ジークは今頃たぬきじじぃ共を相手にしてるのかなー。
上手くいったかなー。
もぐもぐ。
デンタツも入ってないし、とりあえず大丈夫だろう。
午後はドレスか。
……またとんでもない生地が出てきそうだよな。
いやもう何も考えまい。
家にあるから使う!それだけ!
よし!やるか!
では、行きます。
”クリエイト”
生地はふわふわで軽く柔らかで滑らか。
ヴェールからですね。
フラッフィーバード?見た事ないな。
もしも天女が居たなら、この生地を羽衣に使ってそうだなーって位軽くて柔らか。
しかも光の加減によって色が変わる。
めっちゃ綺麗。
ロングトレーンと同じ位の長さにするので、結構重くなるかと思ったら、全然まったくこれっぽっちも重さを感じない。
布端にレースを縫い込んで行くんだけど、このレースもフラッフィーバードだ。
ぬぉぉぉ!長い分時間掛かるわね!
ヘッドには小さいティアラ。
使うのはヒヒイロカネ?何だそれ。知らん金属だ。
パールと白色オパールで装飾。
オパール必要?
あぁ、パールだけだと反射が足りないのか。
いや、そんなにキラキラしくしなくても良かったんだけど……。
まぁ小さいからいいか。
ヴェールは出来た。
お次はパニエですね?
チュールレースじゃなくクリノリンなんですか。
所謂鳥籠パニエですね。
えーと素材は……ステュムパリデスの羽骨?知らん。
しかし軽いねー!
しかも曲げるのも容易だし、折れないし、これは凄い。
柔らかい布で包んで縫い付ける。
プリンセスラインなので、割と裾の方まで必要なのね。
まぁこれもクリエイトスキルにかかれば短時間で出来ますな。
お次はドレスですね。
コクーンのシルクタフタの裁断からですか。
テラテラしてますなー。
ポリエステルとかレーヨン、ナイロンみたいに石油由来の生地はないからなー。
ん?まぁいいか。
シルクタフタは適度に張りがあって厚過ぎず、薄過ぎず、タックも綺麗に織り込めるな。
ふむふむ。
ぴたっ
お、4時間経った?
今日はここまでー!
◇◇◇
「ただいまーって、まだ帰ってないか」
デンタツ確認したらメッセージが入ってた。
ふむ、どうやら上手くいったみたいね、良かった。
伯父って王様だよね?
何かあったのかな?
まぁ、夜ごはん作って待ってましょうかね。
でもその前に、お茶飲んで一息入れよう。
ふぅ。
「ただいまー」
「お帰りなさい!」
「シャルル、メッセージ見た?老害達はどうにかなったよ。ホッとしたー!」
ぶは!
「老害って!まぁでも良かった!お疲れ様!」
ちゅ
「フランシアに届く釣り書の件も釘刺しておいたから、もう大丈夫だと思うよ」
「そうなの?何か言われたの?」
「いや、婚姻はどのように考えてるのか聞かれたから、婚約者いるし、口出しすんなって言ってきた」
ふふっ
「大人しくなるかな?」
「大人しくしなかったら、お仕置するぞーって言ったから大丈夫だよ」
「お仕置……。どんな風に言ったのか気になる」
はははっ
「大したこと言ってないよ。ま、これで一安心だ。シャルルは?捗った?」
「まだ1日目だからね、形になるまでは、もう少し掛かるよ。楽しみにしててね!」
「うん、めっちゃ楽しみ」
ちゅ
「ジークのが出来上がったら、1回着てみてね。微調整するから。とは言えまだまだ先なんだけど」
「分かった。シャルルのドレスは当日まで見たらダメなんだろ?」
「そうよー、ワクワクしといてね!」
「くっ!早く見たい!脱がすのは俺の役目だからね!」
えっ!?
「旦那の当然の権利を主張する!例えお世話係が女性だろうが、そこは譲らんぞ!」
「お家に帰ってくるまでドレス姿なの!?」
「え?この家からお嫁に行くので、家からドレスを着て式を挙げて、家に戻るんだよ。普通は新居に行くんだけど、俺達の家はここだから、ここに戻るよ?本当はフランシア家の方が支度にはいいんだろうけど、貴族連中に見つかったら面倒だからなー」
マジか!大聖堂で着替えるもんだと思ってた!
「大聖堂までは、フランシアの車を使わせて貰う事になってるから安心していいよ。大丈夫、2台用意してるから」
用意周到!
「分かった、ありがとう!」
まだ知らない常識あるんだねぇ。
よし、がんばろ!




