マリアージュ。〜計画その2〜
「まぁフェルディアス兄上に聞いておくよ」
「式は親近者だけでいいからな?俺の姓もエイプリルになったんだし、春に式!秋にお披露目!で!」
「シャルルは親が居ないから、私達でシャルルの親代わりになるけど、それでいいか?」
「はい。よろしくお願いします」
ぺこり
「もうみんな家族だからね」
「うん!」
「ただいま帰りました」
「お帰りなさい!ユージーンお兄様、今日はありがとうございました」
「シャルル、ごめんなー。嫌な思いさせて」
「ううん、大丈夫です」
「ユージーン兄さん、おかえり。ヤツの処分どうなった?」
「まぁ強要未遂って事になるから、減給三月位しか出来ないよ」
「……やっぱり斬れば良かった」
はははっ
「斬ったら斬ったで後が面倒だよー」
笑い事なの!?
この家族ってば、戦意あり過ぎ!
「でもジークの婚約者だって事が分かったから、今後はちょっかい出さないと思うよ。バックにうちも居るって言っといたし」
「ならいいけど、次があったら斬らない保証はないよ」
「そん時は殺っちまえ!」
はははっ
ダメですってば!
「シャルルは心配しなくていいよ。お兄様がちゃーんと抑えるからね」
なでなで
べしっ!
はい、いつもの事ですね!
◇◇◇
「では、春に式、秋にお披露目で兄上に言っておく。国のSSランクの式だから、公示しない訳には行かないぞ?」
くっ!何してもオオゴト!
「まぁ仕方ないです。シャルルは何か希望はある?主役はシャルルだよ」
「ううん。あ、でも式のドレスだけ作りたいかな。お披露目のはきっと別に作らないとだよね?」
「そうね、季節も違うし、お披露目のドレスのデザインは、ママも参加させて欲しいわ!」
ふふっ
「はい。一緒にお願いしますね」
国を上げての結婚式かぁ……。
愛したのが国でひとりのSSランクだから仕方ないとは言え、エライ事になった。
とほほ。
「……俺と結婚するの後悔してる……?」
「えっ?何で?」
「大袈裟になっちゃうから……」
「そんな訳ないじゃない。何があろうと、わたしはジークと一緒に居るよ?後悔なんてする訳ないよ」
ふふふっ
「よかった」
ホッ
この人ってば、いつでもわたしを1番に考えてくれる。
まったく……
「ジーク、大好き」
……はっ!ここ実家!
あっ!みんなニヤニヤ!
「俺は愛してる」
ちゅ
「ひやぁ!ジーク!」
「今更照れなくても!」
「あらあら!微笑ましい!あのジークがねぇ」
あはははははは!
「ただいま帰りました」
「お帰りなさい「クリスティアンお兄様!」」
「シャルルただいま!ハグは?」
「ダメー」
「ジークはケチだな!で?何か楽しそうだったけど、今日の憲兵本部での事?」
「あぁ、クリス兄さんも聞いた?」
「ジークが剣を抜いたって噂だよ」
はははっ
え、どこまで噂が広まってるの!?
「まったく、貴族ってのは噂話が大好きだからなぁ」
「本当よ、パッセル(すずめ)ばかり。嫌になるわね〜」
パパもママも、そう思ってるのか。
この2人は我が道をゆくって感じだもの、噂には流されないんだろうなぁ。
「まぁ自信の無い貴族が自分が得た情報じゃなく、噂に振り回されるのが常だからな。言いたい奴には言わせておけ」
流石強者。
盤石な基盤の上じゃないと、中々それは言えませんよ。
「で?その話?」
「あぁ、違う違う。ジークとシャルルの結婚式の話をしてたんだ。ジークが、春に式、秋にお披露目って提案して来たから、王にも伝えないとなって」
「おおぉぉ!とうとうか!シャルルが妹!良いねぇ良いねぇ!式も早い方がいいよな?うんうん、ジークの言い分に賛成!」
「だよね?流石クリス兄さん!」
「俺も賛成ー!シャルルが妹!いい響き!」
くすくすっ
「ありがとうございます。わたしもお兄様が2人も出来るの嬉しい」
「「シャルルは可愛いなぁ」」
「それ俺の十八番!」
あははははは!
◇◇◇
和気あいあいと話してたら、チャーリーさんが晩餐の支度が出来ましたと呼びに来たので、みんなで夜ごはん。
「そうそう、メコラの新しい食べ方が市井で流行ってるんですって?」
ちらっとジークがわたしを見るので頷く。
「おにぎりって言うんだ。シャルルの考案なんだよ」
「「「「えっ!?」」」」
「シャルルのレシピだったの!?凄いわ!」
「病人食だったよな?あれを流行らせたのか?」
「いえ、病人食はドロドロになってるけど、おにぎりはメコラを茹でずに炊くんです。まったく別物になりますよ」
「へぇ!うちの料理人にもレシピ買うように言わないと!」
「買わなくてもあげ「シャルル?」」
「……ダメ?」
「ちゃんとシャルルの実績にしないとダメだよ」
「そうそう、ちゃんと買うから大丈夫!楽しみだ!」
「なら、レシピで分からないようなら、聞いて下さいって料理長さんに伝えておきますね」
「うんうん、ありがとうね」
「後、ママに新しいお菓子のレシピ持ってくるのは約束してたので、それは明日にでも料理長さんに渡しておきます。試作も持って来てるので、明日のお茶の時にでも召し上がって下さいね」
「まぁ!ありがとう、楽しみだわ!」
ふふふっ
みんなで囲む食卓は楽しいね!




