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マリアージュ。〜計画その1〜

 とりあえず、事情聴取も終わったし、後は薬師ギルマスの処分がどうなったかの連絡を待つだけになった。

 ユージーンお兄様が言ってた、生涯魔力封じで拘束される刑が処させるであろうが、まだ決定ではないので。


 正直、薬師ギルマスがどうなろうと犯した罪の償いなら仕方ないと思う。

 脅された職員さんの方が気になるよ。

 わたしは口出し出来ないけどさー。


「まぁ、ポーションの方も一段落したし、式の時期について父上の予定を確認したかったんだ」


「そうよね!エルバートが帰ったら確認しましょ!まぁ、わたくしでも分かるのは二つ星の月は難しいわねぇ。師団長を辞したとは言え、まだフェスタリオスには駆り出されるから。ユージーンも無理よねぇ」


 ふむふむ。

 なら秋か冬になるのかなぁ?


「俺そんなに待てない!春でいいじゃん!」


「春なんてすぐそこよ?ドレスが間に合わないじゃない。春の終わりひと月前からフェスタリオスに掛かるから、今からじゃ三月(みつき)ちょっとしかないのよ?」


「……ドレスって、どれ位掛かるの?」


「そうねぇ……本当なら1年は準備に欲しいわね」


 そんなに掛かるの!?

 レンタルでいいんだけど!

 って、レンタルなんてないのか?

 SSランクの嫁がレンタルはまずいのか?

 自分で作れば良くない?ダメ?


「あのぉ……自分でドレス作ったらダメですか?」


「シャルルが?作るの?」


「はい」


「作ってる暇ある?生地だって探さないとだし、招待状や教会との打ち合わせ、結構忙しいわよ?あ、住む所はどうするの?褒賞で最上(さいじょう)に家を貰ったでしょう?」


「あぁ、それ断るんだ」


「は?」


「今住んでる2区上が住みやすいし、デカすぎても管理出来ないからな」


「……王に次ぐ権力者が2区上……」


「俺、基本ハンターだし、政治に関わらないのに城に近い家なんていらんよ」


「警備とかに支障があるんじゃないの?大丈夫なの?」


「俺に勝てるのはシャルル位だよ」

 はははっ


 ちょ!何言うてるだ!


「そうよ!妻が強くなければ家は回らないわ!」

 うふふふふ


 あ、そゆことね。ホッ


「まぁ警備は必要ないよ。家の周りをうろつかれる方がストレスだし」


「ハンターですものね。まぁ権力者とは言え強者に手を出す輩は、この国には居ないわねぇ」


「あ、そうだ。それなら披露パーティーは後で式は先にって出来ないかな?もうシャルルが平民薬師など言われたくないんだ」


 ジークったら、あの言い草によっぽど腹を立ててたんだなぁ。


「……それもそうね。実質結婚してれば、そんな事言わせないものね。えぇ、エルバートに相談しましょう」






 ◇◇◇


「ただいま帰ったよ」


「パパ!「お帰りなさい!」」


「わっ!」


 ひょいっとわたしを抱き上げる。

 やっぱりフランシア家は抱っこ家!


「ちょ!父さん!」


「いいじゃないか。な?」


 な?と言われても、笑うしかないよ!王弟殿下!


「まったく油断ならないな!」


 と、ジークに奪還されるのも慣れました。はい。

 小さな子供じゃないんだけどなー!


「今日はお疲れだったね。城でちょっと聞いたよ。まったく、ラッセルにも困ったもんだ」


「ラッセル?って、ライランズ家の?」


「そう、ライランズ家の嫡男だな」


「まぁ!ライランズ家の嫡男ともあろう者が名乗りもしなかったそうよ?それに、平民薬師風情とかなんとか!ね?ジーク」


「そう、俺が一緒に居なかったら、きっと無理やり承諾させてたよ。処分はユージーン兄さんに任せたけど、どうなったかな」


「うーむ……あまり厳しくすると侯爵家が黙ってないからなぁ。しかもシャルルはまだ立場は平民だし」


「あぁっ!だから早く結婚したいんだよ!シャルルが理不尽に下に見られるのは我慢出来ない!シャルルは凄いのに!」


 ジークったら……。

「ジークのその言葉だけで救われてるよ。今日も護ってくれたじゃない。ありがとう」

 すりすり


「シャルル……」

 なでなで


「もうきっと貴族と関わるような事件は起こらないよ!ジークが居てくれたら大丈夫!」

 にっこり


「ママも居るわよ〜!」


「パパもな!それに、うちが後ろ盾になってるんだから、万が一無理やり承諾させられていても、覆すから安心おし。ジークだって、それ位は出来る立場だからな」


「はい、パパ、ママありがとう」


 護られてるなぁ。

 本当にありがたい。



「それで、式の話なんだけど、いいかな?」


「あぁ、そうだな、その話もしなくちゃいけない。私はフェスタリオスの時期は時間は取れないよ?」


「うん、それは分かってる。なので、式だけ春に挙げて、お披露目は秋って感じには出来ないかな?」


「うん?別にやるのか?」


「俺、秋まで待てない。またシャルルが貴族に蔑ろにされたら、今度こそ無礼討ちしそう……」


 ひぇ!?ジーク!?


 はははっ

「聞いたよ、今日剣を抜いたってな!」


「殺っちゃえばよかったのに……」


 ママ!?


「うーむ……今までにない試みだからなぁ。王はどうするんだ?」


 えっ!?おおおおおお王様!?


「お披露目だけでいいだろ」


「いやぁ……王としてじゃなく、私の兄として来そうだよなぁ。あの人、ジーク可愛がってたし」


 あっ!だから遊びに来いって言ったのか!


「シャルルを王子の妃にとか、冗談でも言う人を呼びたくないんだけどなぁ」


「拗ねるぞ」


「拗ねさせとけよー。俺を揶揄うのが趣味なんだよ?」


 はははっ

「愛情の裏返しだな!」


 とんでもない人が来る予感っ!!





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