事情聴取当日。〜事前打ち合わせ〜
ヘルベスさんとラシードさんがフランシア家に来た。
「本日は当方のふ「あー、堅苦しいのはナシ!いいから入れって!」」
何と、ユージーンお兄様も家にいる。
お仕事は!?
「午後から行くよ」
なでなで
べしっ!
あっ、また顔に出てた?
茶話室に通されたヘルベスさんとラシードさん、それからジークとユージーンお兄様、わたし。
「今回は、それぞれに話を聞くはずだ。まぁデンタツで聞いてたみたいだから、齟齬はないよな?」
「あぁ、最初から聞いてたし、それぞれが聞かれても同じ事しか話せないよなー」
「うむ。それにラシードのギルドに1回来てるんだよな?」
「そうそう。最下層アタック中なー。サンディアに戻った途端乗り込んできやがったよ。違法薬物だー!ってな」
何と!そうだったのか!
「もし、あの時シャルルが居たら、それこそ召喚されてたと思うよ。今となってはダンジョンに行ってて良かったよな」
わはははっ
「シャルルの登録も間違いなかったしな。脅された職員は、可哀想だけど減給降格になったはず。まぁ未遂に終わったけど、脅されたとは言え実行犯だし。あのまま薬師ギルドに居るのは辛いだろうし、薬師ギルドは辞めるんじゃないかな」
「お子さん生まれたばかりなのに、可哀想……」
だって子供を盾に取られて脅されて仕方なくなのに、職を奪われたも同然じゃん!ぷんすこ!
「まぁな。とは言え、実行する前に誰かに相談するとか、憲兵に突き出すとか、何か行動しなければならなかったのも事実だから」
「そっか……」
しゅん
なでなで
「シャルルが被害者なのに」
「実害なかったし、わたしはその人を咎める事はしない、けど、法では、そうは行かないんだよね」
「うん。する前に止めるか、実行したかでは雲泥の差だからね」
「そう、だよね」
出来ればすぐに職が見つかりますように。
「で、シャルルもひとりで事情聴取されると思うんだけど」
「ひとりでは行かせないよ?」
「うん、昨日も言ったけど、その方がいい。ジークは必ずシャルルと一緒に居る事!後、マイクはポーション取り扱いについて、こっちにも卸せと言われるかもしれないので、突っ撥ねろ!ラシードもだ!」
「その可能性があるのか?」
「ある」
はぁ
「面倒なヤツが居るんだな?」
「何を隠そう!うちの副師団長だ!」
はっはっは!
「「「笑い事かっ!!」」」
その副師団長様、いたくポーションを気に入ったらしい。
でも魔術師団に納品するとなると、量がハンパない。
わたしだけでは到底無理なので、断るしかないのだ。
まぁ、出来るか出来ないかで言えば出来るけどさ!
わたしは齷齪したくないのだ。
「欲しいならハンターギルドに個人で買いに来たらいいよ。月に各1本限定4本までだけどな!」
わははは!
ハンターも買い占めを防ぐために月に1人各1本4種までと決めてるらしい。
初日にほぼ売り切れるみたい。
「あのポーションを作るのに、どれだけシャルルの負担になってるのかと思うと、滅多な事じゃ数は増やせないからな」
えっ!?
えとえと……にっこり
わらごまー!
「品質は元より、アンプルがな。調薬スキルとクリエイトスキルを併せ持つのが珍しいし、なかなか居ないよ」
ダラダラダラダラ……冷たい汗が……
「それだけシャルルが凄いって事だもんな」
なでなで
うん、ジークはブレない。
「実際、師団が必要なのはマナポーションだけだからな。魔獣討伐はハンター任せだし、不測の事態でも起きない限り、師団の出る幕はないし」
ん?じゃあ普段は?
「結界の維持と魔法を使った研究や、時々こうやって事件解決の手助けだよ」
王都の結界は魔術師団でしたか!
「あの広範囲を!?すごい!」
「シャルルに褒められた!ハグは!?」
べしっ!
「けち!」
ふふふっ
「いつも守ってくれてるんですね!ありがとうございます!」
「結界は魔力勝負だからね、魔術師団の真骨頂だよ。2区までの結界も魔術師団だよ」
「すごい!」
「だからハg「ダメー」」
「……なぁ、いつもこんな感じ?」
「流石ユージーン」
「俺の可愛い妹だからな!義妹だろうが何だろうが、い!も!う!と!いい響き!」
「「やっぱりユージーンだ」」
あははははは!
「そうだ、シャルルは武装しないのか?」
ぶはっ!
「このままじゃダメですか?」
今日は丸襟前ボタン、プリーツスカートのワンピースだ。
「ふむ、シャルルは何を着ても可愛いから大丈夫か」
「シャルルは可愛いもんな」
なでなで
ふふっ
「あくまでも平民薬師ですからね」
「俺の奥さんになるまで限定だけどね」
ちゅ
「ジーク!人前!」
「「「今更」」」
むぅ!
「さて、そろそろ時間もいい頃合い。行きますか?」
「そうだな、んじゃそろそろ出るか」
「あぁ、うちのゴレ車出すから」
「えっ、俺ら今は平民なんだけど!?」
「まぁいいじゃない。SSランクが同乗してるんだし、各ギルマスじゃないの。気にしない気にしない!俺もそれに乗って行こーっと」
と言う事で、みんなでフランシア家のゴレ車で憲兵本部へ!




