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新作登録申請。

 みんなとの会合が終わった翌日、ヘルベスさんがポーションを取りに来た。

 ダンジョンでは、ほぼ使わなかったので在庫はたんまりあるのよ。

 言わないけど。


「ポーションはウルディアのと合わせてヒット、マナ75×2と毒消し、状態異常25×2、確認して下さい」


「うん、大丈夫。これ書類な。助かったわー、在庫切れでハンターが(うるさ)いらしいよ」


 あぁ2ヶ月経っちゃったからねー。


「ジークは報告書進んでるか?」


「もう少しで終わりますよ。パーティー楽しみたいから、その前に終わらせます」


 はははっ

「確かに、と言っても報告が控えてるんだろう?」


「まぁそっちは、全員で報告書の答え合わせみたいなもんだし、大丈夫っすよ」


「そうか、なら心置きなくパーティー楽しめるな」


「あ、ヘルベスさん、これ持って行ってサラナさんと検討して下さい。試作品のお菓子とレシピが入ってます。一気に出すんで、登録するかはお任せします」


「一気!?」


「あぁ今回はお菓子だけです。まぁ数は結構ありますけど。時間停止付いてるんでご安心を」


「……分かった。サラナに渡しておくよ」


「で、ヘルベスさんはここで食べて行きませんか?」


 商業ギルドの職員さんは食べたがりな人が多かったし、ヘルベスさん食いっぱぐれそうだし。


「あぁ、ありがとう。頂くよ」


 とりあえず、5人組が騒いでたプリンアラモードスペシャルver.

 シフォンケーキ、ロールケーキ、マドレーヌ、フィナンシェ、マカロン、ラングドシャ、フルーツタルト、トドメにミルフィーユだ。


「……」


「あ、食べきれない分は、これに入れてお持ち帰りして下さいね」


 ガルボさんに貸し出してたお菓子用のマジックバッグだ。

 クレープは売ってたので、ミルクレープは入れてない。


「……」


「ヘルベスさん?」


「あぁ、あーこれはまた凄いな」


 口が甘くなるので、サンドイッチも置いておく。

 和菓子なら塩昆布なのに。

 はっ!あんこ!忘れてたじゃん!

 今度作ろう。小豆は売ってるかなー。

 あんこがあれば、どら焼き作れるし。

 あぁカステラも作りたい。

 今度ね、今度。


 ヘルベスさんは食べて唸って、食べて唸ってしてた。

 そして、食べきれない分をお土産に持って帰って行った。






 ◇◇◇

【商業ギルドにて】


「サラナ、シャルルからお菓子の試作品とレシピ預かってきた」


 バビュン!と音がしそうな程の速度で来たと思ったら、マジックバッグをひったくられ、消えた。

 遠くで「ありがとうございまーす!」と聞こえる。

 あいつもシャルルの料理の虜だしな。

 分かる。分かるけどっ!俺が食べるとか考えてねぇよな!

 まぁ先に食べたけど。

 食べておいて、更にお持ち帰りは正解だった。

 シャルル、グッジョブ。


 鐘ひとつ経った頃、


「ギルマス、すみません。全部なくなっちゃいました」


 と、にこにこ悪びれもなく報告に来たサラナ。

 すみませんって顔じゃねぇよな!?

 知ってたよ!食わせる気なんてなかったろ!?

 だけど……


「あぁ、先にシャルルの家で食べた。お土産付きでな」

 ふふん。自慢してやる。


「……なんで、すって?」


 はっ!鬼だ!鬼がいる!


「……どれだけ食べたの!?わたしなんて、こっそり隠れて食べようと思ってたのに、職員に見つかって、1口!全種類ほんの1口しか食べられなかったのに!」


「……いや、こっそり食うなよ。それに全種類食ってんじゃねぇか」


「……登録。そう!登録する為の試食なのよ!なのに!あいつら許さん。ギルマスもっ!」


 ドスドスと足音を立てて出ていった。

 全種類食ってんなら味見出来たじゃん。

 えぇー、理不尽……。


 俺、ギルマスなのに……。






 ◇◇◇


「報告書提出して来るな。シャルルはどうする?一緒に来る?」


「ううん、パーティー用のお菓子作ってるから、待ってるよ」


「あぁそうだったな。分かった、すぐ帰ってくるな」

 ちゅ


「うん、行ってらっしゃい!」


 ハンターギルドも、ちょっとまだ行きたくない感じ。

 ジークと一緒に居れば大丈夫とは思うけど、ピンク髪さんと顔合わせたくないしなー。


 って事で、パーティー用のお菓子!

 口金も買ったし、デコレーション楽しいし!

 今回は三段重ねのケーキにした。

 補助はプラスチックが無いので薄い強化ガラス。

 ウエディングケーキみたいね。

 ふふふっ


 このケーキに生クリームをナッペするのが楽しい!

 回転台に乗せてクルクル〜!

 多少凸凹したって飾りで見えなくなるし大丈夫、何て言わせない。

 完璧にしてこそ!飾りが映えるってもんよ!

 本当はプラスチックチョコがあればケーキ全部を覆ってみたかった。

 まだ残ってるエディブルフラワーも使って、と。

 むふふのふ。


 そう言えば、パーティー3日後だけど、場所聞いてないな。

 まぁいっか。


 そうこうしてる内にジークが帰ってきた。


「ただいまー。パーティー、お迎え来るって」

 ちゅ


「おかえりなさい!お迎え?」


「うん。ちょっと離れた所でやるみたい。手ぶらでいいって言ってたけど、差し入れは大歓迎って、よく分からん事言ってたよ」

 はははっ


 ぶふっ!

「真逆ね!なら、差し入れケーキでいいかな?他にもいるかな?」


「あっちでも用意してるだろうし、ケーキがあれば大丈夫じゃない?」


 ふむ

「じゃあ後は登録申請した焼き菓子でも持って行こうかな」


「うんうん」


 楽しみ!



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