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ダンジョンアタック。〜ラスト〜

『世界樹の幼樹よ、目覚めよ』


 ……にょき


「「え?」」


 ……にょきにょき


「……」


 にょっきーーーん!!


「いや!シャキーンじゃねぇか!!」


 にょき?


「うぇ!?意思疎通してる!?」


 にょき♡


「「えぇぇぇぇ!?」」


『ん?汝らが葉を受け取った時に意思疎通したじゃろ?』


「さわさわしてたけど、あれが意思疎通なの!?やっぱりそうだったの!?」


 びっくりだよ!!


 わたしの膝辺りまで育った幼樹の手、いや、枝葉をわっさわっささせてボディランゲージ。

 ボディなのか!?


 既に汚れた黒い魔素は浄化されているので、この幼樹の仕事はまだない。

 なので、ここでもう少し大きくなって、幼樹のお仕事をするらしい。


『幼樹も無事に育った。汝ら、そこな扉を開け。さすれば3番目の世界樹も他の世界樹と繋がりを持つ』


「繋がりを持ったら何が起こりますか?」


『航路が開こうぞ』


「「えっ!?」」


『この国は航路が絶たれて長い。それもこれも封印のせいで世界樹の繋がりが切れたせいじゃ。今後は安全に他国と国交が持てよう』


「国の、悲願は、ここにあったのか……」


「あの、ドラゴンさんは、ずっとここに居るんですか?」


『我は国の、世界樹の危機以外ではここを離れん。この国の世界樹の守護こそ、我の使命よ』


 他国からの侵略、戦争。国交が開いても、それらから護るための守護者。

 もちろん他の9本の世界樹にも守護者は居るらしい。

 なので世界樹に護られている国は安定して平和なんだとか。


「ドラゴンさん、かっけぇ……!」


「かっけぇ!」


『いや、なに、ふは、ふははははははは!!』


 あら、照れておられる。


『いいから!ほれ!扉を開けよ!』


「……よし、シャルル行くよ」


「うん!」


 扉に手を当て、力を込めて、押し開ける!


 ズズ……ズズズ……キィ……!


 グワッッッ!と流れる風!

 キラキラと光る魔素。

 足元には、


「「ノーム!?」」


 にぱっ!!


「あれ!?あなた、クッキーあげたあの子!?」


 コショコショ!

 にぱっ!!


「えぇぇぇぇ!!!」


「シャルル!沢山!ノームが!茶色のも緑のも!」


「え?うわ!!」


 ノームノームノーム!ノームだらけ!!


『うん?ノームの根城はここじゃよ?』


「「えぇぇぇぇ!?」」


 連続で驚きすぎだよ!!!


『滅多に地上に出んから、ノームの雫を持ってるとは思わなんだ』

 はっはっは!


 思わず、ぺたんと座り込む。

 そうしたら、あの子が膝に登ってきて、またコショコショ言ってるんだけど、分からんのよ!


 まぁとりあえず

「ノームさん、あなたがくれたノームの雫でジークが助かったの。ありがとう!」


「俺からも。感謝してもしきれない。ありがとうな」


 にぱっ!!

 コショコショ!


 そう言うと、またノームの雫を差し出してきた。


「「えっ!?」」


「いや、これ貴重な物なんでしょう?何度も貰えないよ」


 コショコショコショコショ!

 コショコショ!タンタン!


『ノームは貰って欲しいようじゃぞ?貰っておけ』


「いいの?」


 にぱっ!!


 くぅ!可愛いっ!


「ありがとう。大事にするね」


 コショコショ!コショコショ


『使ってナンボだと!』

 わはははははははははは!


 ぶはっ!!

「うん。その時が来たら使わせてもらう。ありがとうね」


 コショコショ!

 にぱっ!!


 見回すと、今まであった扉は消えていた。

 元々封印する為のものだったから、消えたんだろう。

 虹色の膜は、ここに入る選別の為の結界なんだって。

 世界樹の葉が通行手形?みたいなモノらしい。

 ドラゴンさんに、


『世界樹の葉が選別するモノだと伝えるのは御法度だ。自力で辿り着いてこその場所だからな』


 と、念押しされた。


「はい。守ります」


『ふむ?そろそろ地上では航路が開かれている頃だな。大騒ぎしとる』

 はっはっはっ!


「「え?」」


『汝らが戻る道を開こう!』


 幼樹のある場所に大きな魔法陣。


『そこに乗れば地上に戻れる。あぁ、そこな娘は転移が使えるな?男もいずれ使えるようになるだろう。その時にまた来るが良い』


「は?俺が転移を使えるように?」


『なんじゃ、気づいておらなんだか?黒い魔素が汝の魔力貯まりを広げて、使える魔力が膨大に増えとるじゃろう?感じてみよ、己の魔力を』


「……俺の、魔力」


 ”インベントリ”


 ぶはっ!!

「シャルル!俺もインベントリ出た!!」


「えっ!?」


「言ったろ!いつか使えるようになってやるって!苦しんだ分儲けた気がする!」

 あははははは!


「凄い!!ホント!?うわー!」


 凄い!凄い!ジークもインベントリが使えるようになった!

 いずれ転移もだって!!


『転移は若干練習が必要じゃからな。我もヒマなので、早く使えるようになって遊びに来い。娘が連れて来ても構わんぞ?』


「え?2人で飛べます?」


『汝なら楽勝じゃて!』


 マジか!やった事なかった!


「ドラゴンさん、必ずまた来ます!……ノーム達も、今度はクッキー持ってくるね?今品切れなの」


 コショコショ……


「ああ!ごめんね!たくさん作ってくるから!ね?」


 コショ……

 にぱっ!!


 ふふっ

「じゃあまたね」


「では、また来ます!」


『うむ。それまでさらば』


 魔法陣に乗って、地上へ!



\\\\ ٩( 'ω' )و ////にょっきーーーん!

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