表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

208/386

ダンジョンアタック。〜その14 ふたり2〜

「久しぶりにシャルルのメシを腹いっぱい食った!」


「そうだね、ずっとサンドイッチだったもんね」

 くすくすっ


 まだお米普及運動は始まってないのだ!

 帰ったら少しずつ頑張るとしよう!


「今日はゆっくり休んで、明日の昼位に出ようか」


「朝じゃなくていいの?」


「少し寝坊したい気分」


 あははははは!

「まぁみんな居たから、そういう訳にいかなかったしね。うん、そうしよ」


 夜ごはんよりも早く食べたので、後はまったり。

 お腹が空いたら何か食べればいいもんね。

 ふたりなら時間の使い方も自由だ!


 誰もいない。

 鐘の音もしない。

 閉ざされた空間なのに、ジークと一緒なら、何があっても大丈夫。

 そんな気がするよ。


 体内時計だけは設定してあるけど、見てないし、気にしてない。

 いずれ、この世界にもっと慣れたら、この世界の流儀?に従って、これも外す。

 ゆったり、のんびりが基本だもん。

 せかせか生きずに、ね。


「シャルル」


「ん?」


「膝枕希望します!」


 あははははは!

「どうぞ!」


 こてん、と横になったジークの髪を撫でて、ゆっくり過ぎる時を楽しむ。

 殺伐としたダンジョンの中で、どうにも似合わないな。

 明日は、今日のように上手く行かないかもしれない。

 でも、今は……。






 ◇◇◇


「よし、行こうか」


「うん!」


 次の階へ!






 ◇◇◇


「何だろう、この道」


「結構長いね」


「魔獣の気配も、探知にも引っ掛からない」


「だいぶ歩いたよね?」


「うん、鐘ひとつ分は確実に歩いてる」


「一本道だったよね」


「間違えようがなかったよなー。おかしいな」


 てくてくと歩いても脇道もないし、部屋も見つからない。

 薄暗い所を長い時間歩いてると不安になる。

 マップを展開しようにも、線だけしか見えないし。

 うーーむむむむ……



 更に鐘ひとつ分歩いた感じの時、唐突に壁にぶちあたる。


「え?何これ、行き止まり?」


 マップにはまだ先がある。

 壊して行くのか!?


 すると、目の前の壁が虹色に輝く膜になった!


「ジーク……」


「ちょっと下がって」


『汝、資格があるなら中に入れ』


「「えっ!?」」


「聞こえた!?」


「聞こえた。耳じゃなく頭の中で……」


『汝、資格があるなら中に入れ』


「「また!!」」


「資格、って何だろう……」


「訳が分からん……」


 そっと虹色の膜に手を当てたら、


「うわ!!通り抜ける!!何これ何これ!!」


「シャルル!うわ!!俺も!?」


「とりあえず、中に入ってみよう。手を離さないで」


 こくん


 膜を抜けると、重苦しい空気……


 けほっ

「これ、何だろ。妙に息苦しい」


『汝ら、世界樹の葉を持っているだろう。葉を(かざ)せ』


 世界樹の葉!?

 それぞれ世界樹の葉を出して翳すと、重苦しい空気が消えた。

 え、これ、この葉って浄化の為のもの!?


『やれやれ、遅かったではないか!我待ちくたびれたぞ!』


「「は?」」


 目の前に……

 ドラゴン……!!!


 抜刀!


『あー、待て待て、我に戦う意思はない。我は世界樹の守護者よ』


「「は?」」


『汝ら、”は” しか言わんな。言葉を知らんのか?』


「「えっ!?」」


『おお!増えたの!』


「あぁいや、話せます!ちょっとびっくりして」


『なんじゃ、話せるなら先に言え』


 言えるなら言ってますって!


『我は古代龍(エンシェントドラゴン)、世界樹の守護者である。よう来た!』


「ジークフリードと、シャルルです。「初めまして」」


『おお、おお、礼儀がなっとるな!まずは話を聞け』


 そう言うと、徐に話し始めた。






 ◇◇◇


 この世界の世界樹は10本。

 この国、コルサーナの大地を護っている世界樹は3番目。

 通常であれば、他の世界樹と繋がっていたはずが、ひょんな事から繋がりが切れてしまった。


 地上の魔素は、汚れたら世界樹を通して天界に送られ、更に綺麗にして地上に戻される。

 しかし、この地下では地上に送ることが出来ず、世界樹の幼樹が、汚れた地下の魔素を吸い上げ、大きな世界樹に送る。その役を担っていた。

 だが、この幼樹がある時枯れてしまった。

 汚れた魔素は天に還らず、地下に留まり、溢れそうになったので、外に漏れ出ないように封印した。

 その封印が、他の世界樹との繋がりを絶ってしまった。

 封印を解く訳には行かず、そのまま1000年程経ってしまった。

 だが、汚れた魔素は溜まる一方なので、困っていた。


 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


 ふむ?


「その、俺たちに何が出来ますか?」


『おお!聞いてくれるか!ならば、世界樹の実を持ってきて欲しい。葉を手に入れられるのじゃから、簡単じゃろ?』


「は?簡単じゃありませんよ!?魔獣倒しながら来るのに苦労するんです!」


『えー』


 ”えー”って!軽い!もしかして軽い(ドラゴン)!?

 って、あれ?世界樹の実?


「あの、世界樹の実って言いました?」


『言ったな』


「もしかして、コレ?」


 インベントリから、前にカーちゃんから貰った実を出す。


『おおぉぉ!(まさ)しく!なんじゃ!持ってるなら早う言わんか!』


 えー


「何でシャルルが持ってんの!?」


「前にカーちゃんから貰ったの。それで、これを差し上げれば良いのですか?」


『いや、我は今は動けん。なので、汝らが植樹せよ』


 ダンジョンで植樹!?

 何かエライ事になった!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ