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閑話 その頃の地上。

このお話の前に本編があります。

 ジーク達がダンジョンに入ってから魔獣の解体が凄いことになっていた。

 今、再度ウルディアに戻って報告を受けている。

 アッチコッチ行き来するのは正直大変だ。

 しかし、


「今回、首斬り死神が一緒って本当ですか!?」


「は?」


「オーク系オーガ系が綺麗に首を撥ねられてますよ?」


 あぁっ!シャルルちゃん!!

 隠したくないの!?


「……そうか」





 かと思えば、


「は?魔核と魔石を渡された?空気が澄んでいた?」


「は、はい。何もかもが浄化された様で、アンデッドが居た形跡が見られませんでした」


「……そうか」





 シャルルちゃんだなー、シャルルちゃんだよなー!

 そもそもアンデッド単体に浄化しても臭いは取れねぇよな!

 エリア全部に浄化!?

 やりそうなのはシャルルちゃんしか居ねぇよな!


 そうかと思えばっっ!!!


「ハーピーも首を撥ねられてるっす!身体に何らかの拘束した後も見られるっす!」


「……そうか」





 あぁぁぁ!!シャルルちゃんっ!!


「大活躍ねぇ!!頼もしいわぁ!」

 うふふふふふ


 ゴードン、違う、そうじゃない、そうじゃないんだ!

 目立ったら後から困るだろうに!!


「あーら、SSランクが付いてるんだから大丈夫よ〜」


「読むなよ……」


「ならそんな顔しない事ね?」

 うふふふふふん♪






「んまっ!なんて綺麗に斬られてるの!これは高く売れそう!なのに量が多くて供給過多じゃないの!」


「何が?」


「イグアールとキングイグアールよ」


「は?」


「ほら見て!毛皮が綺麗なの!……全部首を撥ねられてるわね。凄いわ〜流石ね!」


「……そうか」




 シャルルちゃん!!

 どうやってんの!?何でこんなにキレイに首を撥ねられるの!?

 こいつら厄介な魔法使うはずじゃん!!


「はっ!けが人は!?」


「誰もケガどころか、元気いっぱいですってよ」


「うぇぇえええ!?」


「これが討伐されたなら、中層階は終りね。下層階はどうなってるのか文献でしか情報ないし……。ここからが本番って所かしらね」





 以前、中層階最後目前でガルボがケガして戻ってきた。

 あの時の事は鮮明に覚えている。

 まだ俺もギルマスになる前だった。

 俺だってSランクだったんだ。

 ショックだった。

 まさかと思った。

 あの時、ガルボは最高に強かったのに……。

 同行者だって、Sランク目前のヤツらばかりだったのに……。

 前回はSSランクの使命じゃなかったけど。


 あれから20年も経って、今回のアタック。

 順調過ぎる程順調だ。

 だから余計に心配になる。

 出来る対策は施したつもりだ。

 ランク別ポーターの投入。

 小型のポーション。

 ふっ、ポーションもシャルルちゃんの作だな。

 ホントにあの子は何なんだろう。

 ……まさか本当に妖精、じゃないよな?


「なぁ、シャルルちゃんてナニモンなんだろうな」


「はぁ?ナニモンも何も、シャルルちゃんでいいじゃない。他に何か必要なの?」


「……ホント、お前のその楽観的思考、少し分けて欲しいよ」


「バカね、目の前の事実から目を背けてないだけじゃない。あるものを受け入れるだけで済むことでしょう?シャルルちゃんはシャルルちゃん!それ以外でも何でもないのよ〜」


「まぁそうなんだけどさー」

 はぁぁぁ……


「やぁね!もっと柔軟になりなさいよ!腐ったオトコなんてモテないわよ!」


「……モテたい人にはモテないもんだよな」


「諦めも悪いとか!はー!やだやだ!……なぁに?アタシに慰めて欲しいの?」


「絶対にご遠慮させて頂く!」


「そうね、アタシも嫌だわ。シャルルちゃんなら喜んでお相手するのに〜ん!」


「そんなん俺だってするわ!」


 あはははは!

「ラシードじゃ無理よ〜!ギラギラしてるもの!」


 がーーーーん!

「俺、そんなに?」


「まぁ傍から見ても分かるくらいにはね?」


 がーーーーん!再び!

「え、バレてるの?」


「そりゃーバレバレよ。この間のパーティーのメンツは、みんな知ってるわね。ジークも多分知ってるわよ」


 がーーーーん!三度(みたび)


「え?まさか気づかれてないと、思ってた、訳じゃ、ないわよね?」


「……思ってた」


 ぎゃははははははははは!!

「やーめーてー!!腹捩れる!腹割れる!」



 俺……って、笑われて可哀想。

 しょんもり。





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