ダンジョンアタック。〜その7 中層階3〜
翌日も飛ぶ魔獣。大量!
ハーピー、ワイバーン、サムパーティ、フレスベルグの混合だ。
人型に見えるのはハーピーとフレスベルグ。
ワイバーンは恐竜みたい。
恐竜?あぁ前世かー。
サムパーティは丸っきりハゲワシ、巨大だけど!
まぁ戦い方は変わらない。
が、ハーピーは人間位の大きさで他に比べたら小さいし、すばしっこい!
「わたしハーピーに専念しまーす!」
わたしが1番魔法発動が早いからね!
しかもアイツらでかい乳あるし!
いいえ?別に羨ましい訳じゃないし?
ぶるんぶるん揺れる乳をジークに見せたくない訳じゃないし?
違うったら!!ぷんっ!!
ハーピー中心に氷条網!
下に落ちる前に首斬り!
何匹居るのよこれ!
時々躱すヤツ居るけど、逃がさないよー!
「ヤバい!俺笑いたくなって来た!」
ぶはははははは!
「もう笑ってんじゃん!」
あはははは!
「お前ら!気を抜くな」
ぶはっ!!
おや?何か楽しい事があったのか?
ハーピーと時々他のを落としながら進んでると、あちこちで笑い声が。
「いや、シャルルが強すぎて、みんなのテンション上がりまくってるだけだ」
あはははは!
「そうなの?まぁ殺る時は殺るよ!」
ふんすっ!
あはははは!
ダンジョンに響く笑い声。
後方ポーターが聞いて、落ちている夥しい死骸を見て、余りの過酷さにみんな気が触れたのかと思ったらしい。
とは、後の談。
◇◇◇
次のセーフティエリアに着いたのはお昼すぎ。
「予定通り、今日は次のセーフティエリアに着いたら野営にする。メシ食ったら行くぞ」
「「「「「応!」」」」」
メシー!メシー!
このメシー!はお約束なのかしら。
毎回聞くわね。
「今回のアタックはポーター付けてくれたギルマスの作戦が良かったな。気にせず進めるし」
「次の魔獣が湧くまでに少し時間ありますし、後方ポーターも撃ち漏らし叩いてくれるから、有難いっすよね!」
「前回のアタックって何年前でしたっけ」
「うーん……俺らの生まれる前だろ?それまでは無謀なアタック多かったって聞いてるよね」
「確か全滅が続いて、それから簡単にアタックしないようにって言われたんだよな」
「170年前に最後のアタックがあったって聞いてるよ」
「えっ!?ジークさん、そんな前だったんすか!」
「元SランカーのガルボさんがSSになったら150年止めてた念願のアタックに来るはずだったんだが、ケガで引退して、それから頓挫してたからな」
ガルボさん、ケガしたの20年前だったの!?
え?ガルボさんて何歳なの!?
周りを見ても不思議そうにしてない……。
あれ、何か考えたらダメな気がしてきた。
「よし、準備はいいか?行くぞ!」
◇◇◇
入口前で中を伺いながら。
「次のエリアの情報は確か四足歩行の魔獣。イグアールとキングイグアールは確認されている。群れではないが、それぞれが厄介だ。イグアールは竜巻と竜巻に混ぜた斬撃、キングイグアールはその2つに加えて火魔法を使う。魔法抵抗は高い。拘束系は斬撃で切られるから得策ではない」
「あれ?ジーク使ってたよな?」
「……あれは牽制で使ったんだ」
「ふぅん?」
にやにや
ほうほう。
厄介だねー。
竜巻……。相殺出来るかな?
「はい!相殺、もしくは竜巻の上級なら躱せますか?」
ビシッ!と手を挙げ聞いてみる。
「竜巻の上級だとテンペストか?この中全部がぐちゃぐちゃになりそうだな」
はははっ
そうか。
うーむ。
ヴァインも使えない、上級も無理。
識庫さん!何かない?
*インビジブルで消える事が出来ます。
”インビジブル”
「!!! シャルル!?」
”いますよー”
「「「「「は!?」」」」」
シャッ!
「インビジブルでした」
「消えるからびっくりしたわ!!」
ぎゅぅぅ!
「ぐぇ!ごめんなさい。これで背後から行けるかなーと」
えへへ。
いやまさか自分でもホントに消えると思ってなかったっちゅーの!
「……シャルルさん、何でもアリっすね……」
「……俺も使えるかな」
”インビジブル”
「「「あっ!」」ジークさんすげぇ!」
シャッ!
「あ、使えたけど時間足りないな」
「俺も!」
”インビジブル”
シャッ!
「数秒しか持たないっす!魔力消費すげぇ……」
と、ハンスさん。
ジークもハンスさんもポーション飲んでリセット。
「……まさかシャルルは長く使えるとか?」
そりゃ使えますよ。
「まぁそこそこは。なので、ポーション飲みつつになるけど、倒して来ていい?」
ポーション必要ないけどね!
「ちと待て、どれ位居るのか探る」
わたしも気配探知ON!
ついでにマップもね!
「……このエリアには結構居るけど、次に行くまでのだけなら、それでも50……位か」
うーーーん……
わたしなら行けるはず。
だけど、どう説明したら……。
「シャルル、行けるか?」
お!
「行けます!」
「待て!本気か!?ジーク!シャルルちゃん!」
「もちろん俺も行く」
えっ!?
「あっ!ならタンクの俺が行きます!シャルルさんは背後から殺って下さい!」
「ヘイトは使えないぞ?他のやつも来てしまう」
「大丈夫っす!オルゲン回復任せた!」
「やります!」
「エアハルトが前、オルゲン囲んで進む、シャルルはインビジブルで背後から殺る、これで行けるか」
「よし!行こう!」




