ダンジョンアタック。〜その4 上層階2〜
次のエリアは爬虫類。
トカゲとかヘビとかかな?
「ここは毒エリアなんで気をつけて!」
と、ハンスさん。
「はい!」
はた、と思ったけど、これわたしへの注意喚起だよね。
ジークもアレクさんも知ってるはずだし。
あぁ、今更になって悪いことしたなぁと思った。
「注意喚起すみません、ありがとうございます!」
「だーいじょうぶっすー!お気になさらずー!」
きゃっほー!
このハイテンション。
さっきもだよな?
ジークもアレクさんも苦笑してるし。
はて?
そして出てきたのは二足歩行のトカゲがいっぱい!
「リザードっす、エアハルト頼む!」
「応!ヘイト!」
ぐわっ!と圧を感じたと思ったら、リザードが全部エアハルトさんに向かって行った!
そこへファビアンさんの弓の連射!
ギュンターさん、アレクさん、ジークで切りかかる!
わたしもオルゲンさんを狙うリザードを切り伏せて、横から来るのを蹴りあげ、アイスランスでトドメ!
「シャルルさん、ありがとう!」
「どういたしまして」
にこっ
ビシッ!!
「あっ!」
固まった!?
「あああ!あい!あいがとうごじゃます!」
「おいおい!大丈夫かよ!」
あはははは!
「アレクさん笑いすぎです!」
「ほれ、行くぞ!やれやれだな」
次に出てきたのは足のあるヘビ!
「こいつが毒を飛ばします!氷漬けが効きます!」
ふむふむ。
ならば、”フリージング”!
あっちもこっちも凍らせるよ!
ぷっ!と飛ばした毒ごと氷漬け。
躍動感溢れる彫刻だね!
「お見事!」
走りながらここは少し前に出て凍らせながら進む。
ハンスさんが走りながらマナポを飲んでいる。
うんうん、使って下さいな!
◇◇◇
そうして、どんどん進み、上層階最後のセーフティエリアに着いた。
時間は8の鐘半位。
不思議とランタンが必要な暗さだ。
今まで薄暗い程度だったのにね?
「今日はここで野営する。お疲れさん!」
「「「「「お疲れ様っす!」」」」」
メシー!メシー!
「シャルルもお疲れ、どう?大丈夫?」
「大丈夫!刺激的だったー!」
はははっ
「なら明日も大丈夫そうだな。中層階は今日より進みづらいから、よく休めよ」
「うん!」
テントを置いて、野営の準備。
タープとかは要らないから、簡単!
ごはんもお弁当にしてあるし、さくっと済ませる。
差し入れされた食事もあるしね。
ここには魔獣は入れないので、特に見張りは立てない。
テントにも登録した人しか入れない仕様が普通なので、安心して眠れる。
まぁジークと一緒だしね。
それぞれ食事を終えて、明日のミーティング。
「今日は、かなりのハイペースでここまで来たが、中層階はこれまでのようには行かない。タンクに負担が掛かり過ぎないように進むからな。魔法職とヒーラーは真ん中を進め。殿にはアレク頼む。俺とシャルルは遊撃で、シャルルは左を頼むな」
「はい!」
遊撃って事は、左からのヤツを前後共に警戒ね。
「進むペースとしては、1日でセーフティエリア2つは行きたい。それでも早い位だが、それ以上進む場合は、魔獣次第だな」
中層階のセーフティエリアは10と言われている。
5日掛けて中層階突破が理想って事か。
ふむふむ。
「よし、では明日は2の鐘目安で出発だ。早めに寝ろよ」
「「「「「お疲れ様っす!おやすみなさい」」」」」
「シャルル行くよ」
「はーい!では、おやすみなさい」
◇◇◇
ん?ジークが魔法掛けてる?
あ、防音結界か。
「このテント、元々掛かってるよ?」
「ま、念の為、だな」
「まだ先は長いからね、早く寝よう?」
「うん。おやすみ」
ちゅ
「おやすみなさい」
……ちゅ
ふふふっ
ぎゅぅ
◇◇◇
「……ぉぃ、しー!」
「アレクさん!ダメっすよ!」
「何やってんすか!」
「まさか、おっ始めねぇよな」
「……まさか」
コソコソ……
「何も聞こえねぇや。ちぇ」
「いや、流石にシないっしょ」
「そうか?ジークだしなぁ。うーん」
「もう寝るっすよ!」
「流石に疲れたなー。寝るか!おやすみー」
◇◇◇
翌朝、朝ごはんを食べて出発だ!
「ここからは群れが多い、後衛はヘイトを取らないように気をつけろ!前衛は撃ち漏らしのないようにな!」
「「「「「応!」」」」」
群れか。ヴァインが使えるならいいんだけど。
「行くぞ!」




