ダンジョンアタック。〜その3 上層階1〜
「ここから最初のセーフティエリアまでは突っ走る。向かって来る魔獣は蹴散らせ!お前達はここ慣れてるか?」
「はい!中層階半ばまでなら庭です!」
はははっ
「んじゃ任せた!行くぞ!」
「「「「「応!」」」」」
それから身体強化で走る!
わたしは初めてだから、キョロキョロしながらだけど、ちゃんと付いていくよー!
と言うか、こりゃ確かに広大だわ。
案内なしで行こうと思ったら、迷子必須だね。
わたしはマップがあるから大丈夫だけど。
魔獣も数が多い!
ゴブリン、コボルト、角うさぎ、ちょっと大きいとグレーターベア。
コボルトもベアも初めましてだわ!
顔の怖い犬っぽいヤツ。
可愛くなーい!
ベアもクマさんじゃなーい!いやクマだけど。
凶暴過ぎて顔が怖い。
蹴散らせって指示に従って、剣で薙ぎ払うか、蹴るか。
中々大雑把。
わたしも時々、アイスニードルで眉間に風穴開けたりする。
「この感じなら半刻もしたら最初のセーフティエリアに着けるな」
「早い感じ?」
「あぁ、優秀だな」
”へへっ!””よし!””やったるぜ!”
「ジーク!今日はどこまで進む?」
「セーフティエリアまでの時間で決めようと思ってるけど、アレクはどうだ?」
「そうだなー、このペースなら上層部抜けられそうな感じ?」
「ちょいと到着が遅くなっても、その方が良さそうかな。中々ハイペースだけど」
「素材拾わなくていいから楽だし、行けるんじゃね?5人チーム!リーダーはエアハルトか?」
「はい!俺っす!」
「ペース的に行けそうか?」
「大丈夫っすよ!道はハンスがバッチリ辿れますし!」
「おお!頼もしい!」
「ハンスです!お任せください!」
流石Aランク!わたしの俄とは違うわー!
「その、シャルルさんは大丈夫ですか?」
「あ、はい!大丈夫です!ちゃんと付いて行けますから!」
「了解っすーー!」
ひゃっはー!
テンション高いな!
途中コボルトが20匹位の集団で襲ってきたが、可哀想になる位瞬殺された。
程なくセーフティエリアに到着し、1回目の休憩だ。
「ペース早いなー、無理してないか?」
「あ、俺達は大丈夫っす。シャルルさん、も、ケロッとしてますね」
「シャルルは俺のペースで走れるから大丈夫だ」
「えっ!ジークさんのペース?マジで!?」
「大丈夫です!なので、お気になさらず!」
にっこり
「すげぇ。ならガンガン進みますね!」
「お疲れ様でーす!後続ポーターしてます!みなさん頑張って下さい!」
「「「お疲れ様です!」」」
「ありがとう」
そう言うとポーターさん達はセーフティエリアから戻って行った。
その後もポーターさん達は続いて、手持ちがない人達は、わたし達の後から続くためにセーフティエリアで休憩する。
上層階は低中ランクが、中層階は中高ランクが、と分けられているらしい。
「ジークさん達ペース早いっすね!流石です!」
「エアハルト達が張り切ってくれてるからな」
「え!いや俺達は、その、が、頑張ります!」
何だか初々しく見えてしまう。
わたしよりも先輩なのにね。
SSランク目の前にしたら、こうなるかー。
「よし、行けるか?」
「「「「「応!」」」」」
「なら、またセーフティエリアまでノンストップだ!行くぞ!」
そうしてまた走り出す。
出てくる魔獣は、少し変わってくるらしい。
「虫系が増えてくるよ」
虫!?
「虫には火が効くんで、焼き払います!俺の前には出ないでくださいね!」
と、ハンスさん。
頼もしいっす!
「最初はファンタズマプシューケーですね。鱗粉掛かると惑わされます」
”ファイアウォール”
おお!でっかい蝶々が全部落ちたよ!
その間を走り抜ける!
わたしも時々ファイヤーボールで焼いていくよ!
魔法が得意じゃない人は、今回無理せず付いていくだけ。
まだ活躍の場はあるからね。
でっかい蜂とかも出てきた!
この蜂、はちみつ溜め込んでるんだって。
今じゃなければ探したのにー!
ダンジョンって、もしかして素材、食材の宝庫なの?
「シャルルが何考えてるのか分かるけど、今度な」
はははっ
バレてる!
ぴゅーぷぴー(口笛吹けない)
どんどん進んで、ムカデみたいのも全部焼き払って、若干焼け野原だけど、すぐ元に戻るらしい。
ダンジョン凄いわ。
それからセーフティエリアまであと少しの所で、でっかいダンゴムシが道を塞いでたのを、ギュンターさんとアレクさんとジークが切り刻んでた。
グロい。
ペース的には軽い位だけど、無理せずセーフティエリアでは少し休憩を取る。
中層階までにセーフティエリアは5つあるらしい。
鐘の音は聞こえないけど、大体9の鐘で上層階終わりまで行って、今日は宿泊。
普通、こんなに早くは行けないんだって。
素材とか拾わないからの力技みたい。
どんどん進むよ!




