ダンジョンアタック。〜その2 お見送り〜
ジークと休憩という名の荷物チェックをしていたら、マリアーナさんと、サラナさん、ヘルベスさん、ガルボさん、デルタさん!
ウルディアなのに勢揃いじゃない!
「よお!シャルル!見送りに来たよ」
「みなさん!ありがとうございます!後、差し入れ沢山、ありがとう。何年も食べ物には困らなそうです」
あはははは!
「なんだ、みんなして差し入れたのか!」
「考える事は同じねー!」
「ちゃんと帰って来いよ?ジーク置いてでも」
「あっ、ヘルベスさんひでぇ!」
あはははは!
「大丈夫、シャルルは何があっても守ります」
「わたしだってジークを守るよ?」
「うわ、相互で惚気だよ。かー!やってらんねぇ!」
あはははは!
「帰ったら、今度は俺たちでミニミニパーティー企画するから、ちゃんと帰って来いよ」
「わ!楽しみ!なら頑張って早く帰らないと、ね?ジーク」
「うん、ちゃっちゃと終わらせて帰って来ような」
「じゃ、支度の邪魔しちゃ悪いから、行くな」
「はい、みなさん来てくれてありがとうございました!「行ってきます!」」
その後、ラシードさん、ゴードンさんが来た。
「シャルルは随分と軽装だな」
「動きが妨げられるのがイヤなので」
「そうか。まぁ、その素材なら大丈夫か。今回のアタックの為に、現在ダンジョンは封鎖している。アタックチームの後からポーター代わりのハンターが進むから、倒した魔獣は放置でいい。まぁほっといてもスライムが掃除するとは思うが、折角の素材だしな!ありがたく回収するよ」
スライム!
ダンジョンにいたのか!
「シャルルはスライム見た事ないか?」
「はい、何処にいるのか知りませんでした」
はははっ
「まぁ地上にも居るけど数は少ないからな。ダンジョンには掃除屋として欠かせない魔獣だなー」
へぇ、なら見れるかな?
「死骸に群がってるのを見られるかもよ?」
「うげ、1匹でいいです」
仲間になりたそうに見てくれないかなー。
仲間にはしないけど。
はははっ
「そう上手くいくといいな!それと、ジーク」
「はい」
「危なくなったら引き返していいからな。生きてる事が1番大事なんだから。今回ダメなら、また次回でいい。必ず帰って来いよ」
「はい。必ず帰ります」
「シャルルもジークの指示に従えよ?”いや”はなしだぞ?」
うっ
「……善処します」
「いや、善処じゃく、守れ。な?」
今回のだって……ぶつぶつ
「シャルルちゃんなら、大丈夫よね〜!アタシはシャルルちゃんの可能性に期待してるわよ!」
「その期待、重いですぅ!」
あはははは!
「さっきマイクも言ってたけど、パーティーよ!またあの楽しい時間が蘇るのよ!だから帰って来てね!」
「パーティーかよっ!」
あはははは!
悲壮感なんてどこへやら。
いつもと同じように見送ってくれる。
他の人たちの所も、暗い顔してた人が、わたし達を見て、少し明るい顔になれたような気がする。
ジークが暗い顔してたら、こんな風になってなかったよね。
大丈夫!ケガしても癒せる。
この世界は即死以外なら魔法が助けてくれるから。
そろそろ時間。
5の鐘が聞こえる。
◇◇◇
「SS大型ダンジョンアタックチーム!国の悲願を背負いし者よ!最善を尽くせ!俺達は吉報を待っている!だが!必ず生きて帰れ!……健闘を祈る!」
「「「「「「「「応!」」」」」」」」
ラシードさんの短くも思いの籠った言葉の後、
わああああああ!!
”頑張れよー!””待ってるぞー!””気をつけてなー!””ジークさまぁぁ!””妖精たぁぁん!”
何か変なの聞こえるけど、歓声が凄い!
ジークに同行出来なかったら、この歓声の中に、わたしの声も埋もれていたんだな。
まぁどんな手を使っても行ってたけどね!
さぁ!出発だ!
◇◇◇
わぁ、でっかい扉。
「ここがダンジョン入口。見たの初めて?」
「うん。でっかいね!」
「一昨日から封鎖してるはずだからね。普段は開いてるよ」
へぇー!
「ジーク様!同行の皆様!扉が開きます!」
ゴゴゴゴって音はしないんだけど、してる様に見えるわ!
何となく!
扉の先は見えない。
「階層自体は多くないが、上層階、中層階はかなり広い。大型ダンジョンと言われる所以だな。迷子になるなよ?」
あれ?ちょっと……わくわくしてきた!!
これ不謹慎?
はははっ
「シャルル、顔がわくわくしてる」
はっ!バレた!
「俺もわくわくしてきた!」
「俺も!」
と、アレクさん。
「俺もです!」
と、同行者の、えーとえーと、エアハルトさん!
タンクさんだね!
その後も、俺も俺もと、みんなわくわく!
「よし、気を引き締めろ!行くぞ!」
「「「「「応!」」」」」
始まる。先の見えない旅が。
この後19:00に閑話が入ります。




