ダンジョンアタック。〜その1 同行者〜
おはようございます!
秋晴れのいい天気です!
「おはよ」
「おはよ」
ちゅ
「たまにはシャルルからキスが欲しいな」
「えっ!」
……ちゅっ
「よし、元気出た!……息子が」
「えっ!?ああっ!!」
ぱっくんちょ。
◇◇◇
えっと、
おはようございます!
秋晴れのいい天気です!
えぇ、やり直しです!
油断も隙もありゃしませんよ!
「だって、次いつか分かんないし……」
うっ、それ言われたら……ごにょごにょ。
「えと、朝ごはん食べようか!作り置きのだけど」
「うん、いつもありがとうね」
ちゅ
部屋も片付いてる。
キッチンも。
時停棚には調味料だけが残ってる。
聖域のは食材あるけど、まぁ大丈夫だろう。
なんせ使ったら元通りになる特別製だ。
「サンドイッチ?おにぎり?」
「おにぎり!」
よしよし、米普及計画も順調だ。
ふふふのふ。
おにぎりとおすまし、カラポ(ピーマン)の肉詰めとルビシュ(トマト)サラダ。
取り合わせがアレコレだとか言ってはいけない。
とりあえず食う!
「同行者との顔合わせがあるから少し早めに行っておこう」
「誰が来るか知らないの?」
「ラシードさんに任せたんだ。シャルル以外、誰が来ても変わらん」
「そんなもんなの?」
ふふっ
「Aランクが来るって事だけだなー」
「途中までなのよね?」
「うん、シャルル「わたしは最後まで!」」
「……うん。一緒に行こう」
「当然よ」
ふふん!
だーれが途中で帰るもんですか!
誰が!何と言おうと!わたしは!ジークに!着いてくの!
「服はそれで行くのか?」
いつもの狩りスタイルに革の短めのジャケットだ。
「インベントリに着替えもたんまり入ってるから、必要があれば着替えるよ。ジークのも入ってるからね」
「一応、偽装のマジックバッグは持って行ってな」
「うん、大丈夫。リュックにしたから両手空くしね」
リュックって見当たらなかったんだよねー。
だから作った。
「あれいいよな!便利便利!」
「ヘルベスさんが見たら商品化!って言われそう。マリアーナさんかな?」
はははっ
「便利なものは普及させたいからなー。ハンターにはいいと思うよ」
ごはんの片付けも済んだ。
忘れ物もない。
「じゃ、行こうか」
「うん!」
手を繋ぎ、転移扉を潜る。
ダンジョンのあるウルディアへ。
少しの間、留守にするね。
大丈夫、帰ってくるよ。
「行ってきます!」
◇◇◇
「おはよう!ジーク!」
「は?え?アレク!」
「シャルルちゃんも、おはよう!」
「おはようございます。アレクさん」
「今日からよろしくな!」
「「えっ!?」」
まさかの!アレクさんが同行者!?
「俺だけじゃないけどねー!」
はははっ
その後、5人の同行者と会った。
何だろう。みんなもじもじしてるけど。
トイレかな?
「あー、シャルル、多分違う」
「えっ!声に出てた?」
「いや、いつものだ」
うぐっ。
「自己紹介しとけ。あ、姓はいらん」
「はい!エアハルトです!前衛タンクです!」
「はい!ファビアンです!弓使いです!」
「はい!オルゲンです!後衛ヒーラーです!」
「はい!ギュンターです!前衛剣使いです!」
「はい!ハンスです!後衛攻撃です!」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
「シャルルです。えーと、前衛?です。後衛かな?多分どっちも出来ます。よろしくお願いします」
ぺこり
はははっ
「シャルルは器用だからな。臨機応変でお願いするね」
「はい!」
「シャルルは可愛いなぁ」
なでなで
「ちょ!ジーク!雰囲気壊したらダメ!」
”うわぁ聞きしに勝る””妖精たん可愛い”
「はいはい!俺はアレクね!前衛!よろしくねー!」
「ジークだ、今回は上層階、中層階はお前たちが先行だ。下層階からは俺とシャルルが前に出る。同行者は下層階の途中で魔獣が湧く前に離脱。それはこちらから指示する。様子を見て変わることもあるので、指示には従うように。後、知ってるだろうがこのダンジョンには転移陣はないので、途中離脱は後方ポーター次第となる。各階のセーフティエリアで休憩、宿泊だ。食事や水はそれぞれ用意はあるか?」
「「「「「はい!」」」」」
「ならよし。もし足りなければ相談してくれ」
「「「「「はい!」」」」」
「ポーションは持ってるか?」
「はい!新型を支給されました!」
新型?
あ、わたしのか。
「ポーションも足りなくなったら、早めに言うように。こちらで用意があるからな。早め早めで報告はする事!いいな?」
「「「「「はい!」」」」」
しかし、いいお返事だなー。
わたしも見習おう。
「後は時間まで待機!」
「「「「「「はい!」」」」」」
なでなでなでなで
「ジークの溺愛止まらんな!」
あはははは!
もう!恥ずかしいよ!
って、いつもの事だった。
へにょり。




