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森に帰る。〜その1〜

 ごはんを持って、狩り用の服を着て、カーちゃんとトーちゃんはジークとわたし、それぞれの肩の上だ。


「さて、転移扉でウルディアに行きます。まだわたしも行ったことがないので、一緒に探検して下さい」


「探検、了解!」

 ビシっ!


 キィ!

 キィ!


 ふふっ

「2匹の敬礼が見られるのもあと少しかー」


「やっぱり少し寂しい気がするな」


「うん。でもきっとまた会える」


「そうだな」

 なでなで


「では……」


 転移扉を開け、中に入る。


「俺、話に聞いてただけで、初めての経験。扉、入ったのを入れると5枚あるな」


 あっ!!聖域の分!

 これは……まだ言えないな……。


「1枚は特別な扉だから開かないの。ウルディアはここ。いい?開けるよ?」


「了解」


 カチャと開けると、いつもの如くどこかの部屋。

 配魔盤だけある。


 正面のドアを開けると、廊下。

 絨毯が敷いてある。

 ふっかふかだ。


「北の領地だから絨毯なのかな?」


「そうだな、冬はかなり雪も降るから寒いぞー」


「へぇ!ちょっと楽しみ!」


「家の中はいいけど、外は吹雪くからな。お楽しみにしておくといいよ」


 ふふっ

「さて、行きますか」


 左手に降りる階段、右手にドアがふたつ。

 手前のドアを開けると、コンパクトなLDK。

 あくまでも王都の家に比べたら、だけど。

 見回しても他にドアはないので、もう1つのドアへ。

 客間で、中にトイレ、洗面所。

 やっぱりシャワーブースはないのね。


「随分シンプルだね」


「そうだねぇ。まだあるかな?」


 廊下に出て右に進むと上がる階段。


「こっちに上がる階段があった」


 上がっていくと、ドアが3つ。


 手前が、広々LDK。


「おお!王都位ある?」


「ありそうだなー。窓が小さめなのは寒さ対策かな?」


「なるほど」


 薪のいらないペチカがある。

 雪を眺めながらペチカで煮込みとかステキ!


 次のドアは、トイレ、洗面所、お風呂!


「ここにもお風呂あるね」

 ふふっ


「冬にお風呂で暖まるのは良さそうだね」


 次のドアは寝室。

 やっぱりお姫様ベッド。

 うん、絶対あると思ってたよ!

 寝室にもトイレと洗面所。

 至れり尽くせりですな。


「1階行ってみよう」


 1階に行くと、やっぱり店舗。

 ここは何だろう?


「あ、厨房発見」


「こっちには製薬室?と、裁縫部屋?」


「んんん?どんなモノでも使えるように?」


 もしかして、他の家にも全部備わってて見逃してたりするのかな?

 わからんなー。


「まぁ暫く使わない部屋ですね、うむ」


「後で部屋を作る方が手間だからな、先に作っておいたのかもしれないね。用意周到なご両親だな」


 うっ!!!

 心が痛い!!!


「シャルル?大丈夫?」


「……うん、大丈夫」


「寂しいよな。俺がいるからな」

 ぎゅーっ


 そうじゃないけど!!

 ごめんねジーク!!

 いつか話せる時が来ると思うから!!

 でも、ぎゅー


 キィ

 キキィ


「ありがとう」

 ふふっ


 玄関を見つけてジークの魔力の登録も完了。


「今日聖域に入る?って、今から行ったら夕方になるかな?」


「そうだな。なら木もれ陽亭でメシ食って、明日聖域に入るか?」


「あっ!それいいね!」


「カーちゃん、トーちゃんはどうする?外に出ると目立っちゃうけど……」


 キキィ!

 キキィ!


「えっ!?行くの!?いいの!?大丈夫??」


 キィ!

 キィ!


「あぁ、本当は強い子なんだったね。なら一緒に行こうか。ジークもそれでいい?」


「いいよ。俺達も居るから大丈夫だろ?」


「そうね、何があっても守ってあげるからね」


 キィキィ!

 キィキィ!


「カーちゃんもトーちゃんも守ってくれるのね?頼もしいね!」

 ふふふっ





 ◇◇◇


「こんにちは!」


「はーい!いらっしゃいませー!ってジークと彼女さんじゃない!あら?あらあら〜?もしかして?」


「はい、もしかして、です」


「まぁぁ!めでたいね!!さぁさ!座っとくれ!」

 あんたー!ジークに彼女がー!


 うわ!叫んでる!

 ひやぁぁ!恥ずかしい!!

 ちょ!奥から旦那さん?が出てきたよ!


「おぉぉぉぉ!こりゃー別嬪さんじゃねぇの!!ジークも男前だしなぁ、こりゃーお似合いだな!」

 わははははは!


 見てる!ほかの人も見てるから!


「おわっ!?えっ!」


 キィ!

 キィ!


「あ、カーバンクルなんですが、一緒にいいですか?」


「はっ!?カーバンクル……って、カーバンクル!?」


「はい」


「えっ!?いや、うちはテイムした子も入れる店だから大丈夫だが……えっ!?カーバンクル??」


「テイムはしてないんですけど、懐かれちゃって。明日森に帰すんです」


「こりゃあ大変だ!!おう!ここに居るお客さんの代金は取らねぇぞ!!カーバンクルが来てくれた店なんて聞いたこたぁねぇからな!!縁起がいい!!ひゃっほう!!」


 ”うおおおおお!親父やるなぁ!!”

 ”やったぜ!いえーい!”


 うわぁ!大騒ぎになっちゃった!!

 お客さん結構居るよ!?いいの!?


「何でも好きなもん言ってくれ!ジークと彼女さんは食べ放題飲み放題だ!!」


「「えっ!?」いや!それはダメだよ!」


「何でぇ何でぇ!ちっせぇ事言うなぃ!ほら!飲みねぇ!食いねぇ!言わなきゃこっちでどんどん出すぞ!」


 ジークが苦笑して

「なら、オススメを「ふたつ!」」


「飲みもんは?」


「えっと……わたしは……ピルリアジュース」


「なら俺は白ワインで」


「おう!ちっと待ってな!」


 キキィキィ!


 何で2匹が満足気なの!?


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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
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