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奪還作戦。〜その後4 憲兵本部〜

 ジークにエスコートされ、ママも武装(ドレス)して、やってきました!憲兵本部!

 貴族の入口と平民の入口は分かれている。

 ゴレ車で貴族入口に行くと、兵士さんが敬礼している。

 カーちゃんはジークの肩に、トーちゃんが入ってる籠は、使用人さんが持っている。

 うん、仰々しい。


「ジークフリード・フランシアだ。事情聴取で来たので取次を」


「はっ!こちらにお入り下さい!」


 中に入るとシンプルだが、質のいい調度品。貴族対応の応接室のようだ。

 ここで話をするのかな?

 もっとこう、パイプ椅子みたいのを予想…って、それは前世だな。


「お待たせしました。憲兵本部1区隊長のベルンハルト・イージドーアと申します」


「ジークフリード・フランシア、こちらは母のキャロル・フランシアと知人のシャルル・エイプリル」


 昨日の隊長さんだ。

 ん?わたしを見て目がまん丸だぞ?


 キィ!

 てしてし


「あぁ、そうだね。暫定的にカーちゃんと呼んでいるカーバンクルだ。こちらはトーちゃん」

 ははっ


 ぶはっ!

 自分も紹介しろと!

 隊長さん苦笑してるよ!


「懐いてますね、どういった経緯で?」


 と、そこから話が始まり、昨日の説明をする。


「捕縛されていたあの蔦は……」


 ジークが ”ヴァイン”

「これですね」


 おおお!ジークも使えるようになってた!!

 わたしが魔法で拘束したよりも、ジークが拘束して捕縛した方がいいもんね。


「はい、確かにこれですね。跡形もなく消えたので魔法とは思っていましたが、いや、さすがSランクですね。で、エイプリルさん、は、あの場では……」


「カーバンクルの保護です」


「えーと、捕縛もしてたのでは?」


 げっ!!


「まぁ!こんなに可憐な子が捕縛?あなた目は見えているの?どこにそんな力があると思って?嫌だわ、あなたも昨日現場にいらしてたんでしょう?この子が捕縛している姿を見たというの?」


「あ!ああ、いえ、決してそのような。えぇ確かに可憐でいらっしゃいますね。えぇ捕縛など無理ですよね。じゃああの執事は何を……」

 ブツブツ


 わぁぉ!そーゆーこと!?

 この場は笑顔だ!微笑みだ!

 にっこり


 ぽっ

「そ、それでは、その、そうですね、えーと、「事情聴取よね?」」


「あぁ、はい、それ「話は済んだわよね?」」


「え?」


「こちらはカーバンクルの保護をしただけ。犯人の事は、そちらにお任せしてもいいのよね?」


「は、はい、勿論です」


「裏にいるヤツを逃がしたら……分かるわよね?」


「えっ!?いや!逃がしません!」


「そうね、取り調べでは現在の宮廷魔術師団長を頼りなさい。あぁ、大丈夫よ?うちの息子なの。えぇこの子達が巻き込まれてそりゃもう怒り心頭でね?何が何でも捕まえるって言ってたから、適当な捜査や取り調べで下手打ったら……」


「こっ!心します!!」

 ビシっ!


 うわぁ、ママ怖ぁい……。

 そしてユージーンお兄様の出番が!


 うふふ♪

「大丈夫よ、きちんと解決したらいいんだもの。ね?」


「お任せ下さい!必ず、必ず!全て捕まえます!」


 キィキキィキィ!

 タンタンタン!


 テーブルに乗ったカーちゃんが、足で叩いてる。

 これは多分


「カーちゃんも犯人を捕まえて欲しいよね?」


 キィ!


「へ、返事した……?カーバンクルが……」


「とーっても!懐いてるんだ。なので、うちで保護して回復したら森に帰す。それでいいな?」


「分かりました。その件もお任せ下さい」


 ほっ!


 キィ!

 スリスリ


「擽ったいよ!よかったね!」


「なんと、愛らしい……カーバンクルと少女……」


「あぁ、事件の報告以外は口にするなよ」


 はっ!

「はい!」

 ビシっ!


 そして部屋を出て、外に向かう間、こそこそと……

 ”フランシア家だ””フランシア家に娘なんて居たか?””まさか誰かの婚約者か?””どこのご令嬢だ?””ジークフリード様がエスコート!”


「パッセル(すずめ)がうるさい事」


 ぴたっ!


 流石ママ!一言でこそこそ話を止めた!

 わたしは俯かず前を見る。

 ジークと目が合うと微笑み合う。


 ”ほぅ……””これは愛らしい””ジーク様っ!!”


 ママはそれを見て満足気。

 あれ?これも狙ってた?

 それでこの武装(ドレス)


 ゴレ車に乗り込んで、3人で大きく息を吐く。


「さっさと帰ってお茶にしましょう!」


 キィ!


「あら、これはわたくしにも分かるわ、カーちゃんもお茶にしたいのよね?」


 キキィ!


 あはははは!






 ◇◇◇


 帰って、パパに報告。


「ユージーンに振っておいたわ。あの子なら聞き出すなんておちゃのこさいさいだものね?」


 はははっ!

「ユージーンなら喜んでやるだろうな」


 おぉ……ユージーンお兄様、そーゆー感じですか……

 確かに黒い笑顔だったわ。


「俺達が出来ることは終わったね。後はトーちゃんが元気になるだけだね」


 籠のトーちゃんをジークがなでる。


 キィ


「早く良くなるといいね」



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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
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