表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

168/386

奪還作戦。〜その後1〜

  その後当然ながら説明させられた。

 フルンソースを求めてガラティアに転移扉で行ったこと。

 そこでカーちゃんと出会って保護して森に返したこと。

 聖域とは言えないからね。


「それだけなんだよ?」


「転移扉は、俺が知る前だから言えなかったの?」


「……うん」


「そっか。なら仕方ないね。あぁ、ホントにこの子は!」


 ぎゅぅっ!と抱きしめられてスリスリされる。


「あ、いつ行ったか分かったかも」


「えっ!?何で分かった!?」


「前にフルンソース知ってるか聞いたろ?その時だろ。俺がアレクと仕事行ってる時、だよな?」


 うわぁ!なんて記憶力!


「ふふん、Sランク舐めんなよ?」


 マジかー!


「まぁ行った事についても、カーちゃんを助けたことも言うことはないが、ほんっと!気をつけてな?」


「はいっ!気をつけます!」


 ビシっ!と敬礼だ!


 キィ!


 ぶはっ!

「カーちゃんもな!」


 あはははは!


 トーちゃんもしっぽをフリフリ。

 うん、可愛い。


「さて、事情聴取かー。この短期間で2度目とはなぁ」


 と苦笑する。

 確かにねぇ。


「一応、家には知らせないとならんから、今からデンタツしとくけど、言いたくないことはある?」


「……転移扉」


「分かった。ならそこは誤魔化しとく」


 そしてジークは実家に連絡した。





 ◇◇◇


「シャルル、憲兵本部が1区だから、こっち来ておくか?だって」


「え?でも、トーちゃん動かして大丈夫かな」


「どっちにしろカーバンクルも確認しないとならんから、明日連れて行かないとだよ」


「そっか。カーちゃん、トーちゃん連れて事情聴取行かないとダメなんだって。カーちゃんはどうする?森に帰る?」


 キキィキィ!


「あ、一緒に来るの?大丈夫?他に人が居るんだよ?」


 キィキキィ!


「そっか、トーちゃんひとりじゃ可哀想だもんね。分かった」


「ならお願いしますと、」


『シャルルー!聞こえたわよ!大丈夫、一緒にいらっしゃい!まぁ!その子がカーバンクルなのね?』


 わぁ!立体(ホログラム)になってた!


「はい、暫定的にカーちゃんと呼んでます。檻には入れませんけど大丈夫ですか?」


『カーバンクルを檻に繋ぐなんて出来ないわ!大丈夫よ。カーちゃんもよろしくね』


 キィ!

 ビシっ!


 ぶはっ!

「調子いい子ね!もう!」


「じゃ、支度したら行くから、後で」


『待ってるわ〜!』

 フォン!


「今朝家に帰って、夜また実家か」


「ね、タイミングが……」


 と、ふたりで苦笑する。


 カーちゃん、トーちゃんが入れる籠を用意して、柔らかなクッションを敷き詰めて、その中にトーちゃんを寝かせる。

 回復させてあげたいけど、過度なヒールは良くないから、ゆっくり時間を掛ける事にする。


「あっ!カーバンクルって何を食べるんだろう?」


「え?あ、ホントだな。何だろう……」


 フルーツとか木の実とかを並べて


「カーちゃん、どれが好き?」


 キィ?キィ!


「え?それクッキーだよ。ごはんにならないよ」


 お茶請けのクッキーを食べだした。


 キキィ!


「あ、木の実ね?分かった。トーちゃん食べられるかなぁ」


 1粒トーちゃんの前に出すが、まだダメなようだ。

 どうしよう……。

 ペーストにしてみようかな。

 ピーナツバターみたいにしたら食べられるかなぁ?


 魔法ですり潰して、スプーンで口元に差し出してみた。


 ぺろ。ぺろぺろ。


「あ!食べた!これなら大丈夫そう」


 木の実2個分位を舐めて、水も飲んで、満足したようだ。


「ちょっと安心。よかった」


 クリーンを掛けてあげたら、気持ちよさそう。


 キィ!


「カーちゃんも?」


 ”クリーン”!


 キキィ!


 ふふっ

「カーちゃんも頑張ったものね?お疲れ様。出掛けるから、カーちゃんも籠に入っててね」


 それから支度、と言っても着替えるだけだが。


「あぁ、お風呂入りたかった……」


「お、入ってから行く?夜に着けばいいし。メシも軽く食べてから行こう」


「え?いいの?」


「いいよいいよ、お湯お湯〜♪」

 ふふんふーん♪


 ……ジークもすっかりお風呂好きに……と言うか、ごにょごにょ。





 ◇◇◇


 お風呂に入って……まぁお察し。

 軽くごはんも食べて、すっかり夜になってから家を出た。

 慌ただしい!


「籠、膝で大丈夫?オフロードので行く?」


「目立っちゃうでしょ?膝で大丈夫よ」


 2匹が寝ている籠を抱えて、フランシア家へ。





「おかえりなさい!朝ぶりね?ジークはやけにツヤツヤね」

 くすくすっ


 うぐっ!

「またお世話になります。すみません、何度も……」


「そんな他人行儀な!シャルルのお家でもあるんだから遠慮なんてしなくていいの!さ、入りましょ」


 チャーリーさんを差し置いて、ママがお出迎え。

 チャーリーさん苦笑してるよ。



 この世界でも、トンボ帰りって言うのかなぁ。

 とほほ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ