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奪還作戦。〜その1〜

 フランシア家から家までは、半刻もあれば到着する。


「ただいまー!」


 やっぱり慣れた家が落ち着くなぁ。


「やっぱりここが落ち着くよ」


「同じ事考えてた」

 くすくすっ


「シャルルも楽しかったとはいえ気を張って疲れたろ?カフェル淹れるから座ってなよ」


「え?運転してたジークの方が疲れてるでしょ?わたしが用意するよ」


 はははっ!

「じゃあ一緒に用意しようか」


 ジークはカフェルを、わたしは軽食を用意した。

 ケーキは放出したので在庫が無い。

 また作っておかないと!

 あ、マカロンもだ!

 あぁ、ガルボさんにシェル型頼んでおけばよかった!

 そしたらマドレーヌも焼けたのに!

 フィナンシェの型もお願いしておこう。

 焼き菓子ならラングドシャもいいな、巻いてシガーにして……


「シャルル?」


「あ、お菓子の事考えてた」

 ふふっ


「ケーキ、喜んでたね。あのサンセバスチャン持ってお茶会に行く母さんの顔が浮かぶよ」


「マウント取れるといいね!」


「女の戦場だっけ?怖くて近寄れねぇわ」


 くすくすっ

「わたしも近寄りたくないよ。ママがマウント取れるように協力はするけどね」


「元近衛副騎士団長だから、好戦的なんだよなぁ。絶対負けないと思うよ」


「あんなに美人さんで強いのよねー。凄いね」


 あはははは!

「シャルルがそれを言うのか」


「わたしはケンカ売らないよ?売られたら買うだけで」


「倍でな?」


「当然です」


 あはははは!


「ジークは判決までお仕事はないの?」


「うん。俺は被害者だから、もうする事もないし、ラシードさんが、ゴタゴタ終わるまで休んでおけって。だから、シャルルとまったり過ごせるね」


 ふふっ

「贅沢な時間だね」


 家事が簡単だから、時間の余裕がある。

 時間の余裕は心の余裕にも繋がるのかな。


 ジークの膝によっこいしょ。

 べったりとくっつく。

 何も言わずに背中をなでなでしてくれる。

 ジークの鼓動が聞こえる。

 穏やかな時間。






 ◇◇◇


 ベタンっ!!

 カリカリカリカリ!!


 えっ!?何!?


「なんの音!?」


 ジークが剣を出した。


「ちょっと見てくる」


「わたしも行く!」


 音のする方へ行くと、サンルームだ。

 トントントントンカリカリカリカリ

 何かがガラスを破ろうとしてる!?

 破れるようなヤワな作りじゃないけどね!


 そっと伺うと


「カーちゃん!!!」


「えっ!?母ちゃん!?」


 あの時のカーバンクルだ!!

 天井のガラスにへばりついてる!

 慌てて窓を開けて


「カーちゃん!!こっち!!」


 キキィ!


「えっ!?カーバンクル!?カーバンクルが母ちゃん!?」


 キキィキィキィ!


「どうしたのこんな所まで!ちょ!怒んないで!」


 わたしの腕をてしてし叩くけど、何で怒ってんの!?


「あぁ、ガラスが透明で見えなくて、まさかぶつかると思わなかったの?」


 キィ!


 ふふっ

「ケガはない?」


 キィ


「シャルルのお母さんがカーバンクル?シャルルはカーバンクルの妖精だったの?え?マジで?」


「そんな訳ないでしょ!」


「え、だって母ちゃんて……」


「カーバンクルのカーちゃん!咄嗟に口から出ちゃったの!」


「あぁぁぁぁ!ビックリした!!と言うか!カーバンクル!!」


「えっ!今!?」


 キキィ!

 てしてし


「あぁ、ごめんね?遊びに来たの?」


 キィ!


「あ、違うんだ。なら……もしかして」


「カーバンクルの言葉が分かるの!?」


「え?いや、何となく?」


 気配探知ON!

 うぐっ!チカチカする!

 範囲を広げて……

 あっ!!赤い点がある!


「また捕まった子がいるのを知らせに来たのね?」


 キィ!キキィ!


「分かった。必ず助ける!カーちゃんはここで待ってる?」


 キィ!


「行くの?危ないよ?」


 キキィ!キィ!


「シャルル!俺にも説明!」


「あ、っと、簡潔に話すとカーバンクルが捕まってる。それでカーちゃんが助けを求めて来たって事。わたしは行くけど、「俺も行く」」


「……気配探知して見て、範囲は3km」


「くっ……街中ではキツイな。……赤い点!」


「多分それがカーバンクル。この子も捕まって弱ってたのを助けた子なの」


「いつの間に……」


「詳しい話は後!行くよ!」




 ◇◇◇


「シャルル!デンタツON!念話仕様!」


「分かった!」


 デンタツを念話仕様にして、駆け出す。

 マップON!


『こっち!』


 マップで詳細な情報が得られるから場所特定もすぐだ。

 カーちゃんは、わたしの肩の上。

 大丈夫だよ、きっと間に合うよ。


『1区下って、貴族街……ジーク、どうしよう。わたしじゃ入れない』


『俺はどこの家の者?』


『フランシア家!』


『任せろ』


 流石!筆頭公爵家!



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新連載始めました! この世界の片隅で。〜新しい人生楽しみます!〜もよろしくお願いします♪
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