ジークの実家。〜事情聴取〜
高い高いの衝撃から回復し、今は茶話室でお茶を飲んでいる。
事情聴取の話を聞くために。
「事情聴取は恙無く無事に終わったよ。既に魔法検査員に渡されていた針の魔力特定も済んでいて、アマンダが呪いの犯人だと特定された。アマンダ自身も、自供したからね。ただ……その自供自体が、やっぱりジークを助ける為だったの一点張りで、ジークと一緒に居た女が魅了を使ってジークを誑かしているからと言っていたらしい」
は?
「もちろんジークも検査されて、魅了に掛かっていないと、きちんと証明されているから、大丈夫だよ」
「えっと、思い込みで実行したの?」
「そうだね。自分はジークに愛されるべきだと、愛されていると思い込んでた」
「それ聞いて吐きそうになった」
怖っ!!何それ!!
「思い込みって怖いわねぇ。その女をジークが愛してるって、どうして思ったのかしら……」
「自分は誰よりも美しいと、誰からも愛されると、そう言われて育ったらしいよ。だから、自分が狙ったジークも自分を愛するはずだと。祖母、ジャクリーンがそう言ってたと。祖母の家で過ごすのが常で、呪物を魔道具だと思っていたらしい。ただ、これでジャクリーンの封印された家も検査官が入って調べる事が出来る。今回はジャファーソン家に邪魔はさせない」
「その家を調べたら、ピクシー事件も解決する?父さんが調べるのは叶わないよな?」
「そうだなー。何とかしたいんだけど……まぁ無理ならユージーンに任せるよ」
「ユージーンなら手加減なしよ。やる気よあの子」
はははっ!
「確かにな!普段飄々としてるけど仕事に厳しいのは知ってるよ」
「ただいま!よかった、まだ居た!」
「あら!噂をすればユージーン!早いわねぇ」
「ユージーンお兄様、おかえりなさい!」
「ただいま!ジークにこれ渡そうと思って、仕事残して帰ってきちゃった」
「まぁ……いつも晩餐にも帰ってこないのに」
はははっ!
「すみません。ジーク、これ呪術避け。出来るだけ小さくしてあるから、身につけといて」
「え?これ、通常の半分以下じゃない。兄さんが作ったの?」
「そうだよー?凄いだろ。この大きさならペンダントトップにも加工出来そうだろ?まぁこの巾着のままでもいいけどなー」
それは青く透き通った石の中に、金色の文字が刻まれている。
大きさは直径2cm位かな?
「凄い……すごくキレイ。なんて繊細なの。ユージーンお兄様凄いです!」
「お!シャルルに褒められた!ハグは!?」
「ダメです」
「えぇぇ!ジークのケチ!」
あはははは!
「兄さん、ありがとう。流石に通常サイズのはでかくて躊躇してたんだよ。これなら仰々しくなくていいね」
「ジークは変な女に纏わりつかれるからなぁ。ま、お守りとして持っておけ」
変な女?
こてん、と首を倒す。
「あっ!シャルルじゃないよ!?」
「当然です!シャルルが変なら世の中が狂ってる」
え、わたしもいい加減変だと思うけど。
「シャルルは可愛いもんな」
なでなで。
ついでにユージーンお兄様も、わたしをなでなで。
なでなでなでなでなでなで。
「何この手触り……すげぇ気持ちいい!」
これはあれか?ペットのもふもふ扱いか?
べしっ!とジークが払いのける。
「気安く触らないで下さい」
「ジークのケチ!」
「ジークも最初そうだった。さすが兄弟ね!」
ふふっ!
「しーっ!バラしちゃダメ!」
あはははは!
「ただいま!」
「まぁ!クリスまで!」
「クリスティアンお兄様、おかえりなさい!」
「ただいまシャルル、ハグは?」
「ダメです」
「ジークったら、そればかりね!おかえりなさいクリス。あなたも、いつも晩餐にも帰ってこないのに……」
はははっ!
「すみません。あれ?ユージーンも帰ってる。早いな」
「俺はジークに呪術避け渡すために早く帰ったんだよ」
「あぁ、よかったなジーク。身につけておけよ?おまえ変な女に言い寄られるからなー」
まただ。変な女?
「シャルルじゃないよ!?」
「ユージーンお兄様も同じ事言うの。何かあったの?」
「ジーク話してないのか?」
「思い出すのも虫唾が走る」
えぇぇ!?そんなに!?
「シャルルは知らなくていいよ。俺鳥肌もんだから思い出したくないし」
「よく分からないけど大変だったのね?」
よしよし
「あぁ癒される!」
あはははは!
「まぁいつか話してあげるよ。ジークが経験した怖い女達の話!」
達!複数人!
「やっぱりジークは、わたしが守らなくちゃ!」
むんっ!
「「「シャルルは可愛いなぁ」」」
うぉ!サラウンドになった!




