状況説明とカーテシー。
その後、憲兵から連絡があり、ジークは出かけて行った。
わたしはお察し。
ベッドでうつらうつら。
ふ、と起きると、既に夕刻。
まだジークは帰って来てない。
しかし……お父様が王弟?
いいお家の子だとは思ってたが、まさかの王様の甥っ子だと。
その甥っ子の実家に?わたしが?
やばい。貴族のマナーとか知らんぞ。
お辞儀にもなんかあったよね?
なんだっけ、えーと、うーんと、カーテシー!
バレリーナとかフィギュアスケーターで見るよね?
あとほら、どこぞの国の王太子妃がやってたよね。
スカート摘んで、片足下げて、膝を曲げて、会釈。
あれ?あぁきっと前世だ。
時々ポロッと出てくるよね。
これが朧気にってやつなんだろうなー。
そうなのか?いやきっとそうだ。うん。
こっちでも通用するのかな……。
知らんけど。
まぁ無作法でも、わたしは平民だから。
って!それが許されなかったら無礼討ちじゃね!?
あぁぁぁぁこれは!誰に!聞けば!
ジークじゃダメだ。
”気にしなくていいよ”って言いかねない。
……。
マリアーナさんか、サラナさんか、ゴードンさん。
ここにゴードンさんが入るものオカシイけど。
オネエは女性の仕草は女性よりもキレイだもんね。
よし、行く前に聞いておこう。
「ただいまー」
「おかえりなさい!」
あっ!裸だった!!
「あれ?誘ってるの?」
ぱぁぁ!
「そうじゃなくて!さっき起きたの!」
わたわたとシーツを巻き付ける。
「なんだー。お誘いじゃないのか」
しょんもり。
「そんな顔しなくてもー」
「じゃあ……!」
がばちょ!
「いや待って!先に話!」
てしてし!!
◇◇◇
通報はギルマスがしてくれていたらしい。
謹慎を言い渡した時の様子が、明らかにおかしかったので、夜中にジークから連絡があった時点で、警戒の通達はしてたと。
ジーク本人からの通報がなかったので、とりあえず見回りをしていたら、鬼のような形相の女が中央通りを彷徨いていたので拘束。
身元を調べたら、ハンターギルド所属のアマンダ・ジャファーソンだった。
拘束した時、かなり暴れたが、すぐに大人しくなり倒れて、医者に見せたが匙を投げられ、そのまま牢屋に入れられた。
まぁ呪術なら医者では無理だし。
ジークには、状況説明と被害の確認。
解呪した人物も問われたけど、フランシアの名を翳して、とりあえず回避。
王都で詳しく事情聴取されるらしい。
使われた針は、ギルマスが保管。
後に魔術検査員に手渡しする。
わたしは、王都からゴレ車でぶっ飛ばせば1日で来れる距離なので、呼ばれて来たと言うことにする。と。
まぁ、うちのゴレくん、ハイスペックだからね!
わたしの魔力云々言わなくても、1日で来れる魔石は詰んでるしね!
調べられても無問題。
「俺のゴレ車も魔改造しよう」
「それ以上やるの!?ジークのも凄いじゃない」
「シャルルの見たらまだまだだと気がついた」
魔石を後5個は積んで……テントも拡張して……
と、余念がない。
「おーいジーク?こっち向いて?」
「ん?あぁ脱線した。それで、実家には王都に戻ったらすぐ行くようにするね」
「わたし貴族のマナー知らないから、ご挨拶の仕方をゴードンさんに聞こうと思ってたんだけど……」
「そんなの気にしなくていいよ」
ほらーやっぱりー。
「そういう訳には!ご挨拶”だけ”はちゃんとさせてぇぇ!」
「んー、分かった。じゃ、その翌日ね?事情聴取までそんなに時間ないと思うから」
そっか、そうだよね。
あ、
「なら立体で聞くか。今デンタツしてみる」
”デンタツ”
「ゴードンさん、お忙しい所すみません。今お時間頂けますか?」
『大丈夫よ〜!あら、ジークも居るのね?こんばんは!』
「こんばんは。ちょっとシャルルに付き合ってもらっていいですか?」
『もちろんよ!どうしたの?』
とりあえず簡潔にジークの家に行くことになったから、挨拶の仕方を教えてとお願いした。
やっぱりカーテシーが通用するみたいだ。
で、
『もう少し足を引いて、ドレスじゃないなら、右手は胸で、そう!顎は引いて!背中丸めない!不格好になるわ!その代わり膝は深く折る!』
ひーー!!スパルタだった!!
『シャルルちゃんは言葉遣いは問題なさそうだし、カーテシーもたどたどしくて可愛いから、フランシア家なら大丈夫でしょ〜!頑張ってね!』
と、簡易レッスンを終えたのだった。
本番、ちゃんと出来るかな……とほほ。




