閑話 アマンダ。
本日2話目。アマンダの狂気を垣間見れるよ!
私のお祖母様は魔道具も作れる魔術師だった。
大好きだった。
お祖母様の家は、本当に不思議な物で溢れていて、私にとって宝箱のような家だった。
魔道具の使い方や、どんな効力なのか。
呪術は怖いけど、使い方で良い物になるんだとか。
お祖母様が若い頃に、ピクシーを捕まえた事があるって聞いた。
私も欲しくて強請ったけど、その時にはもう保護区になっていて手に入らなかった。
忌々しい。
私は小さい頃から可愛いと言われて育った。
だって、美しい海のような水色の髪。
珊瑚のような瞳。
薔薇色の頬は柔らかく、桃色の唇は小さく。
誰もが褒めそやしたわ。
お祖母様も言ってたもの。
”アマンダは美しく育つよ”って。
お祖母様は嘘をつかない。
ほら、大人になっても、みんなが褒めるわ!
だから、あの人も絶対私に靡くはず。
なのに……
あの女……
お祖母様が亡くなって、あの家は封印された。
魔道具も、ただ捨てるのは危険だからと、ちゃんとした手続きで捨てないとならないが、なんせ数が多い。
捨てるにも、解呪の為のお金が掛かるから、それなら封印してしまえばいいと。
私は、あの魔道具が捨てられなくて良かったと思う。
ほら、やっと今使う時が来たのよ!
封印?そんなの簡単に破れるわ。お祖母様に貰った魔道具だってあるし。
私だって魔術師としてハンターBランクまで上がったんだもの。
欲しいのは、針。
魔力の回復を著しく抑えて、相手の場所を特定出来る針。
あれがあれば、弱ったあの人を介抱しつつ、私の魅力を知ればいい。
そうよ、私を知らないから拒否するだけ。
知ったら虜になるはずよ。
あの女……
あの女は、魅了でも使ってるに違いない。
見た目から人外じゃない。
騙されてるのね、可哀想に。
大丈夫、私が助けてあげるの。
待っててね。
◇◇◇
いつあの人が来るか分からないけど、いつでも使えるように持ち歩いたわ。
来ればギルドに絶対寄るもの。
待っていればいいだけよ。
チャンスがこんなに早く来るとは思ってなかったけど!
知ったのは偶然だった。
Sランクの調査が入るって、ロイさんか、ジークさんが来るらしいって。
でも、ロイさんが夏は仕事しないのは有名よ。
だから絶対あの人が来ると信じてた。
ほら、ね?
やっぱり来たじゃない。
あの女は見えないわ。
大丈夫、助けてあげるのは私よ!
そっと手に触れた時、針を刺したわ。
力を入れなくたって、針の先で触れるだけでいいの。
スルッと入っていくわ。
ふふふっ
大丈夫よ。
私が助けてあげる。
だから、私を見てね。
◇◇◇
夜中に宿を特定した。
宿には鍵が掛かってたけど、簡単に開いたわ。
封印よりも簡単だもの。
ドアをノックしたけど、まだ弱りきっていないみたい。
宿屋の人にハンターギルドの者だと言っても、聞く耳持たず。
……。
今夜は諦めるわ。
明日になれば、弱った身体に心が引っ張られて、心も弱くなるはず。
食欲も落ちるでしょう?
不安になるでしょう?
私が慰めてあげる。
ふふふっ
◇◇◇
ギルマスに呼び出された。
何故泊まってる場所を知ってるのかって?
当然じゃない。愛し合ってるんですもの。
そう言ったら、家から出るな、ですって。
いいわよ?夜に会いに行けばいいんですもの。
ふふふっ。もうすぐね。
◇◇◇
宿を変えても無駄よ。
愛があるから、どこに居ても分かるの。
早くあなたにも、それを分かって欲しい。
ノックをして名乗ったわ。
早く中に入れて欲しいのに、誰かに邪魔されるなんて、真っ平よ。
あら?宿を出るの?
まぁ!誰にも邪魔されないようにでしょう?
ええ、追いかけるわね。
待っててね。
◇◇◇
ゴレ車の中なのね?
どうやって声を掛けようかしら……。
ノック、でもいいかしら。
でも、ふたりの初めてにしては、ちょっとロマンチックに欠けるわね……。
え?どこ行くの?
また私に追いかけろと言うの?
まだ弱りきってないの?
こんなのおかしいわ……。
◇◇◇
え?何これ……
やだ!!待って!何なのこれ!!!
離れなさい!!やめて!!!
いやあああああああああああああ!!!!
……あぁジーク……
何処にいるの……




