肉！
そして翌日。
「今日は主にお肉！あの花の形してたのとか、肉団子みたいなやつとか！」
「お花の形にしたやつはともかく、肉団子みたいなのは登録あるんじゃないですか？」
「肉団子はあるわよ？でも、あんなに大ぶり、かつジューシーじゃないの！何か秘密があるでしょ」
秘密ぅ？
ないけど。
まぁパン粉のツナギでジューシーになってるのかな？
「分かりました。では手伝ってください」
「いいわよ！」
はい、と渡したパン。
「え？」
「これを細かく千切って下さい」
「パンを？千切るの？」
こくこく
「こんな感じに」
「えと、お肉料理よ？」
「これがキモです」
はい、びっくり顔頂きました。
それからこまこまこまこまこまこま。
カチカチパンをすりおろすのではなく、生パン粉寄りだ。
わたしはその間にローストカウカウの塊肉に塩コショウニンニク等をスリスリ。
「こんな感じでいい？」
「はい、では次にお肉を細切れにします。寧ろ叩きます。粉々に」
「それは肉団子と同じね。よしっ！」
大量のお肉をトントントントン。
あぁミンサー欲しい。
ペコ(玉ねぎ)もみじん切り。
その間にケチャップも作る。
「お肉を挽く魔道具ないんですかねー。魔道具じゃなくて手動でもいいのに。そしたら挽き肉も簡単なのに」
「うーん、覚えがないわ」
そーかー。残念だ。
ガルボさんに作ってもらおう。
「はい、ではこの中に入れて冷やしながら捏ねます」
「ここにパンが入るのね」
調味料入れて、忘れずにカウミルクね！
こねこねこねこねこねこねこねこね。
「捏ね上がったら、こうして形を整えます」
ぺちぺちして空気を抜いてね！
小判型で真ん中凹ませてね！
「焼きます。今日はオーブンで中まで火を通すから表面だけ焼き固める感じで」
多いからね！オーブン便利！
じゅわぁぁぁ……。
「わ！いい匂い！」
どんどん焼いて天板に乗せて、オーブンへどーん！
使ったフライパンで簡易ソース。
ケチャップとタルミア、少しの赤ワイン、バターで煮詰める。
開いてチラッ閉まる、開いてチラッ閉まる。
またか。くすくすっ
ついでに付け合わせ。
こふきいも。キャス(人参)グラッセ、ロッシュ(ブロッコリー)茹でたやつ。
ローストカウカウの表面をフライパンで焼いてオーブンへどーん！
中はバラ色にしたいから時間に気をつけてっと。
焼きあがったら、ワックスペーパーでぐるぐる保温。
アルミホイルが欲しい。ないものねだり。
ペコソースもちゃちゃっとね。
そうこうしてるうちに、ハンバーグもOK！
「これ、この間のパーティーのと別よね？」
「パーティーでは焼いて冷めたのより、煮込みにしてましたね。今日はこれにしました」
どうぞ。とサラナさんに出してみる。
ナイフを入れたら、勢いよく肉汁が流れ出す。
簡易で作ったけど、ソースも中々だ。
サラナさんが食べてる間に、ローストカウカウを切って花の形にする。
どうかな？とサラナさんを見たら泣いてる。
「えっ！？」
「うっうっ……これは肉団子じゃない」
「う、うん、違う、ね？」
ドアがバンッ！！
「「「「食べさせて！！！」」」」
ひぇ！
「ど、どうぞ？」
あ、ヘルベスさんの分。
ヤバっ！何これ！
うまあああああい！！
この花の形の！これも！！
ちょ！俺が先！
このキャスなに！？
す、凄い。なにこの争奪戦。
欠食児童なのか！？
いや、サラナさん、あなたそこに加わったらダメっしょ。
バンッ！！
「ああ！俺のは！？」
「ありますよー」
「さすがシャルル！」
ヘルベスさんには、こっそり皿盛りのメコラを出してみる。
「これは？」
「一緒に召し上がってみてくださいな」
ぱくっ。
……カッ！と目を見開き、パクパクパクパク。
うむ、白メシは正義。
「ああああ！ギルマスだけ！！」
「あ、どうぞ？」
鍋ごと出したら、これにも群がる。
怖い。
「この料理はなんて言うの？」
「花の形に整えたのがローストカウカウ。ソース掛かってるのはハンバーグです」
「はぁ……美味しくて幸せになるわぁ。よし、登録するわよ！」
昨日のメコラ、今日の2品を登録する事になった。
メコラの登録だけでひと財産になった。
「なんでこんなに貰えるんですか？」
「汎用性が高いのよ。パンの代わりから病人食まで、しかもメコラの仕入れが安いから、挙って使いたくなる可能性があるの。レシピを買った人のマージンも入るから、シャルルちゃんお金持ちになるわね！って、もうお金持ちだったー」
ふふふっ
うぅ、何か申し訳ない。
地球のみんなー！ごめんねー！
ローストカウカウとハンバーグは登録したけど、通常の登録値段。挽き肉料理として肉団子あるしね。
後は買った人のマージンだけになる。
いいよいいよなくても良いくらいだよ。
「まだ教えて欲しいのあるけど、次回ね！あんまり次々と出すと勘ぐられるからね」
「勘ぐられるのは困るので、それでお願いします」
「またよろしくね」
にっこり。
「はい、ではまた」
はー！……疲れた。
