甘えんぼ。
「シャルル、おいで。疲れただろ?カフェル入れようか?」
「ジークぅ抱っこ」
「お?珍しいね、シャルルから抱っこのおねだり」
「甘えたくなった」
はははっ!
「大歓迎」
ジークに抱っこしてもらって、ここ数日を振り返る。
忙しかったけど、楽しかったな。
「ジーク、ありがとうね。楽しかったね」
「シャルル頑張ったもんな、みんなも凄く喜んでた。よかったな、大成功だったよ」
「ほっとして気が抜けたぁ」
ジークにくしくし顔を押し付ける。
「俺も、こんなに楽しいパーティー初めてだったよ。忘れられないフェスタリオスだね」
「最初は2人でって思ってたんでしょ?ごめんね」
「謝らなくてもいいんだって。楽しかったって言ったろ?」
「うん。わたしも楽しかった。片付けしてもらっちゃったね」
「あれもみんなの気持ちだよ」
「うん。ジーク、大好き」
「うん、俺も大好きだよ」
ちゅ
「みんな無事に帰れたかな?」
はははっ!
「ハンターギルマスサブマスに元Sランカーが居るんだし、大丈夫さ。ヘルベスさんも実は強いんだよ」
「そうなの!?それは知らなかった」
「まぁ商業ギルマスだからなー。ハンターでもやって行ける実力はあるよ」
「へぇー」
くしくし
「眠くなっちゃった?」
「うーん、まだなんか気持ちが昂ってる気がする」
「そっか」
なでなでなでなで。
「なでなでされたら寝ちゃいそう」
くすくすっ
「お風呂はいってゆっくりしたら?」
「そうしよっかな」
「俺も一緒に入るけど」
「えっ!?ゆっくりできる!?」
あはははは!
「ゆっくりする日もあるよ。お湯入れてくるね」
◇◇◇
泡石のお風呂でジークに背中を預けて脱力する。
「そのタオル退かさない?」
「え、恥ずかしいもん。明るいし」
「今更な気がしなくもないけど。もっと恥ずかしいカッコしてんのに」
「もう!気分の問題なの!」
はははっ!
「わかったって!」
「でもあれよね、ゴードンさんとマリアーナさん」
「あぁ、あの二人はくっついたり離れたりしてるからなー。それも何度も。俺には考えられんな」
「そうなの?」
「まぁ捉え方の違いかな。結構いるしね、そう言うカップル」
「へぇ。ジークは……何でもない」
「ん?なに?」
前の彼女はって聞きそうになったけど、やめた。
「顔見えないから言いたいことが読めなかった。なにが聞きたかった?」
「ううん、いいの」
「ふぅん?」
さわさわさわもみもみもみ
「んっ!こら!」
「言っちゃえよーほらー」
「んっく!こらぁ!」
あはははは!
「何でも言うから聞いたらいいのに」
「……前の彼女はって聞こうと思った。けど、聞かない」
「こう言うと不誠実だけど、彼女って思った事ないんだよね」
「え?」
「あっちからアプローチされて、付き合ってる人もいなくてOKしたら、束縛キツくて嫌になる感じ」
「なるほど」
「どっちかって言うと、俺ってアクセサリー扱い」
「え?」
「自分で言うのも何だけど、寄ってくるヤツは多いのよ、連れて歩くステータス?って感じだと思うよ。Sランカーだし、ゴレ車もあるし。そりゃーオトコノコですし、それなりには、ねぇ?やる事やったけど。そしたら結婚ひけらかして縛りつけようと必死になってくるから怖くなる。だからここ何年も女は居なかったよ」
「そっか」
「自分から追いかけたくなった女はシャルルだけだな」
「女冥利につきますね!」
ちゅ
「それだけいい女だって事だよ。見る目は確かだった。最初の出会いから、その、あんなだったけど、あの後も話してて楽しかったんだ。変に色目使われる事もなくて、一緒に居たくて必死だった」
ふふふっ
「海に誘ってくれたもんね。あの時ホントにひとりで行こうと思ってたんだよ」
「王都に帰るなら一緒にと思ったら断られたから、もう必死!」
あはははは!
「あの時は知り合って数日の人だったからね、まさかモーリェでコテージだと思わなくて、実は焦ってた」
「あー、あれも必死に言い訳考えて半ば無理やりだったよなぁ。すまん。俺必死すぎカッコ悪」
ふふふっ
「まさかこうなるとはね!でも……」
「でも?」
くるりと向きを変え、ジークに抱きついて
「ジークでよかった」
「男冥利につきますね!」
あはははは!
「さ、出ようか、逆上せちゃうよ」
ホントに、ジークでよかった。
ジークさん、言わないながらも結構酷い目にあってたりします。
そのお話は、何れまた。




