フェスタリオス。〜パーティーその3〜
「ヘルベスさん、これメコラです」
と、おにぎり3種類を見せる。
「え?これが?ドロドロしてないじゃない」
「煮ないで炊くんです。お口に合うか試してみて下さいね」
二口で食べられる大きさに握ったから、試すくらいなら大丈夫だろう。
って!一口で!?
「美味い。これ豆はフルンだな?これがメコラ……」
ツナマヨも肉巻きも一口か!
「!!! どれも美味い。うわ、メコラの革命だぞこれ!サラナ!これ食え!」
ってサラナさん呼んだから、みんな集まって来て、おにぎり3種類があっという間に消えた。
まだあるよー。
「メコラって病人食でしょ?なのに!調理の仕方でこんなに……」
「「「仕事!禁止!」」マイクが言ったんだろうが!」
あはははは!
「いやでも美味いな」
「どの料理も凄く美味い!どこぞのシェフでも呼んだのかと思ったら、全部シャルルちゃんの手作りだと!?」
と、ラシードさん。
やだ照れる。
「俺の彼女は凄いんです」
ふふん!
と胸を張るジーク。
やだ照れる。
「惚気んなー!」
「もっとやれー!」
「どっちだ!」
あはははは!
大人たちはみんなお酒を飲んでるが、物凄い勢いで酒がなくなる。
さすが白蛇並!誰も酔った顔してないわ!
ジークも飲んでる。が、こちらも涼しい顔。
「みんなお酒強いんだねぇ。凄いわ」
「ここに居るヤツらは特に強いわね〜。このお酒なんか、火が着くわよ」
ひぇ!?そんなの平気で飲んでるの!?
「そんな顔しなくても大丈夫よ!正気を失うなんて失態は冒さないわ〜」
うふふふ
ゴードンさん、見れば見るほど違和感です。
いや、イケメンなんですよ?でも男装にしか見えなくて、
「さすがにこの体型のドレスは厳しいのよ。普段着ならどうにでもなるけどねぇ」
「え、声に出てました!?」
「いいえ?顔に出てたわ」
ぶはっ!
「それ、みんなに言われるけど直したい!」
あはははは!
「そのままでいいじゃない!その方が可愛らしいわよ〜!逆に表情が分かりづらいと、人に見えないかも!」
「えっ!?人じゃなければなに!?おばけ??」
あはははは!!
「やめて!!腹がよじれる!!」
あはははは!!
割と真剣なんですけど!!
「はぁもう笑いすぎて腹筋割れるわ!割れてるけど!」
割れてんだ。
「だから脱いだら凄いのよって言ったじゃない」
「あ、また顔に出てた?」
あはははは!
「やーめーてー!んもぅ可愛いんだから!!ジーク!ちょっと!この子アタシにちょうだい!」
「あげませんよ!!」
シュタタタ!と走ってジークがわたしを抱きしめた。
ガルガルと威嚇してるワンコのようだ。
「なによ、いいじゃない!アタシだって男の子なんだもの、ちょっとだけでいいから!」
「あげません!!てか、男の子って歳じゃないでしょうが!」
「ココロは少年よ〜!はー楽しい!」
「やっぱり酔ってません!?」
「そうね〜、雰囲気に酔ってるかも!とっても楽しいもの!」
ふふふっ
「それならよかったです!」
「よくないよ!シャルルはあげないの!」
「どこにも行かないよ?」
くすくすっ
「そうね〜、ジークに泣かされたらアタシが貰うわね!そうしましょ!」
「「ダメでしょ!」え?」
「何シレッと参戦してんですか!」
「え?するでしょ?この状況なら」
と、ラシードさん。
ギャンギャン言い合う男どもを置いて、そっと離れる。
「シャルルちゃんも大変ねぇ」
ふふふっ
「あ、マリアーナさん、今日のバッグはマジックバッグですか?」
「ん?えぇそうよ?どうしたの?」
「前に旅行行ったので、お土産あるんです。それを渡したくて」
「あら嬉しい!態々ありがとうね」
「後で渡しますね!」
「久しぶりにゴードンの男装見たわ」
「わたしは初めてでした。衝撃的」
ふふふっ
「そうね、パーティーにも滅多に出ないし、パーティーじゃなければ女装しかしないものねー」
「何か拘りがあるんでしょうかね?」
「え?いいえ?あれは完全に趣味よ」
ぶふぉ!
「そうなの!?何かココロの問題とかあるのかと思ってました」
「ないない!やりたくてやってるだけよ!見た目も言葉も女を装ってるけど、中身は男だからねー。抱くのも女よ?」
ひぇ!?生々しい!
「あらやだ。刺激が強すぎた?」
くすくすっ
「ちょっと!マリアーナ!暴露しないでよ!」
「はいはい、ごめんなさーい」
くすくすっ
「ダメよ、お詫びに今夜付き合いなさいよ。数年ぶりに楽しみましょ?」
え
「そうねぇ、それもいいかもね?」
ええぇぇ!!??
衝撃的すぎる!!!!




