フェスタリオス。〜パーティーその1〜
2日目は2区を攻めてみた。
確かに3区よりは大人しめなものの、屋台と言うより出店が多く食べ物屋よりも小物や服、魔道具などが多く、賑わっていた。
やっぱり食べ物は3区だね!と、3区に舞い戻る。
そして最終日。
◇◇◇
飾りよーし!テーブルよーし!お料理よーし!デルタさんのクローシュ被せたよーし!
追加料理の入ってるマジックボックスよーし!
カトラリーよーし!グラスよーし!ナプキンよーし!
お皿たんまりよーし!後はー後はー
「シャルル、何度目の指差し確認?大丈夫だよ、家なんだから。何か足りなくてもすぐ用意できるよ」
苦笑しながらジークが言う。
「気になるんだもの!これ緊張してるのかな?」
「そうだねー。ホストが大変なのは分かるけど、ミニミニパーティーがコンセプトでしょ?はい!深呼吸!」
すーーーはーーー
きゅっ!と抱きしめて背中とんとんしてくれた。
「はい、お茶」
「ありがとう。よし、落ち着くぞ。よし」
くすくすっ
「それよりほら、着替えておいで。俺も着替える」
「あっ!そうね!じゃあちょっと行ってくる!」
今日は”花”のドレス。
オフショルの折幅は広めに。ベルの様にふわっと膨らませたスカートの裾を少し絞ってヘムフリルをスカラップにした。
カンパニュラみたいなスカート。
上から、白から紅へのグラデーション。
……赤はジークの色だし。照れる。
まだこの服はジークに見せてないんだよね。
ああ、髪の毛!
編み込みハーフアップにして、小さい花を編み込みに飾る。
姿見で確認!
よーしよーし!大丈夫!な、はず!
「どう?変じゃない?」
「……シャルル、凄く綺麗だ。花の妖精だね。このまま独り占めしたいよ」
「ジークも素敵!ホント、モデルさんだね。足なっが!」
今は三つ揃いのジャケットは脱いでるけど、ボウタイでキメッキメだ!
一応ホストだからって事で、ほぼ礼服だけど、招待客の服を見て着替えるか!と言うことになった。
普段着で来てくださいねって言ってあるし、もしもみんながホストの服を見て引いたら、最初だけです!って事にした。
でも、そこそこ地位のある人達なので、パーティーと名のつくものには変な格好で来ることはないとジークが言う。
まぁそうか。
「後はお客様が来るのを待つだけだね」
ビシッ!
「うん」
はははっ!
「シャルル!ほら笑って!固まってるよ?大丈夫だよ、俺も居るだろ?あぁ撫でたら髪型崩しそうだね」
「背中!背中なでてくらさい!」
あはははは!
「仰せの通りに」
膝に座らされて、なでなでとんとん。
大丈夫だよーって、なでなでとんとん。
わたしは子供かっ!!
でも緊張するんだよぉぉ!
◇◇◇
カランコロン〜♪
「きたっ!!」
モニターを確認したら、ラシードさんと、誰?
「はい!いらっしゃいませ!今開けますね」
「シャルルちゃ〜ん!お招きありがとう!」
うぇ!?ゴードンさん!?
モニターをタッチして門を開ける。
玄関を開けて、
「いらっしゃいませ!って、ゴードンさん男装……」
「やぁね!こっちがホントでしょうに!まぁ!シャルルちゃん素敵ね!お花の妖精ね!」
コロコロと笑うが!女装しか見てないから違和感が!
てか、普通にイケメンじゃん!!
「きっと戸惑うから言葉はいつも通りにしましょうか?それとも、俺に戻る?」
ひぇ!声まで変わるの!?
「ゴードンさんの話しやすい方で大丈夫!」
あはははは!
「ならいつも通りにするわね〜!」
「シャルルちゃん、お招きありがとう!これ使ってね」
「ラシードさん、いらっしゃいませ!これ?何でしょう?」
「音楽!色々入れてあるよ」
はっ!?
「音楽!忘れてました!ありがとうございます!」
「お二方、いらっしゃいませ」
そう言ってジークは2人と握手する。
「やぁ、もう自分の家みたいだね?」
バチッ
「えぇ、そう遠くない未来にはそうなるので」
バチッ
……バチバチしてるわ。
「やぁね、男って。ささ!シャルルちゃんご案内してね〜!」
「あ!すみません、こちらへどうぞ!」
さぁて!お客様1号が来たし、パーティーが始まる!
◇◇◇
”何事だ?ハンターギルマスサブマスがビシッとキメて第1門に入ってくぞ……”
”それを言うなら商業ギルドもだ。何があるんだ?”
”え?ガルボ、デルタ兄弟も!?”
”マリアーナさんがドレス!?美麗だ……どこ行くんだろう”
”茶会やパーティーなら、何かしら情報が出回るのに、何も無いぞ?”
”なんだろう””なにかしら”
静かに、しかし大きく噂は広がる……。




