フェスタリオス。〜その1〜
とうとう始まりました!フェスタリオス!
と言っても、料理は作り終えてるし、バルコニーの飾りも終わった。
後は、当日にテーブルとお料理を並べるだけだ。
街は既にお祭り状態らしい。
ゴレ車は通行止めだしねー。
2区まで喧騒は聞こえてこないから、家は静かなもんだ。
メインは明後日の魔法花だけど、3区のラウンドアバウトでは、楽隊やら、マジックショーやら、演し物が延々と続いてるみたい。
後は出店とか。
他の領地でもお祭りになるらしいけど、1番は王都なので、王都に来る人も多い。
ジークは去年まで警備の仕事をしてたらしく、お祭りに参加するのは子供の頃以来だとか。
ハンターさんも駆り出されるのねー。
1区は、楚々とした感じ。まぁ貴族区だし。
2区は、普段より人は多いが、まぁそこそこの盛り上がり。
出店はあるけどね。
このお祭りのメインストリートは3区からと言っても過言ではないらしく、今日は3区に突撃するのだ!
「シャルル用意出来た?」
「待ってー!あと靴だけ!」
今日の装いはパステルピンクのワンピース。
何だかんだ言っても、わたしの肌色にピンクが合うのよ。
ほっぺと同じ色だし。
人混みだろうから、引っ掛からないように形はシンプルなシャツワンピだけどね!
足元は、うーーん、やっぱりこれ!
リボンで足首を固定するバレリーナ型。
「お待たせ!」
「うん、可愛い!その靴いいね、脱げなさそう」
人混みで脱げたら大惨事だし!
「履くのが面倒だけどね」
くすくすっ
「ジークもカッコイイね!そのシャツ似合う!」
アロハっぽいのを作ったのだ。
開襟シャツだから涼しげだし、裾に入れた花柄が似合うんだこれが。
しかも、わたしのワンピのポッケは同じ生地。
さりげにオソロなの。
花の刺繍、もうやりたくないけど。
「シャルルの特別だからなー似合って当然」
あはははは!
「じゃ絶対離れちゃダメだよ?人混み凄いんだから。買い物も一緒に!分かった?」
「はい!了解であります!」
手を繋いで家を出て、第2門に行く。
「お祭りですか?人の出が多いですので、お気をつけて!」
「お疲れ様です!行ってきます」
門兵さんは今日お仕事かー。ありがとう!がんばれ!
◇◇◇
門を出ると、既に人!人!人!
王都に来た時、祭りか!?って思った5倍は多い!
「うわぁ!すっごいね!」
ラウンドアバウトはさながらダンスパーティーだよ!
踊りまくってるよ!
音が凄いよ!?家は静かだったのに!
そして、あっちできゃぁぁぁ!こっちでうぉぉぉ!
な、何!?思わず腕に縋り付く。
そしてきゃぁぁぁ!からぎゃああああ!へ。
だから!何!?なんか見てるし!
「あー、出店見るか!」
「う、うん。何があった?」
「さーなー、祭りだしな!」
「そっか、うん!」
肩を抱かれて歩き出すが、人が凄くて!
しかし、いい匂いは漂ってくる!
「香ばしい匂いするね!焼きコン(トウモロコシ)かな?あ、串焼きもあるんだね!あっちは何だろう?」
モーリェの屋台思い出す!
「モーリェみたいだなー!」
ふふふっ!
「同じ事思ってた!」
「ジークさん!お疲れ様っす!」
ハンターらしき人が腕章付けて挨拶して来る。
「おー!お疲れ!休んで悪いな」
「いえっ!大丈夫っす!祭り楽しんでください!」
「お疲れ様です!警備ありがとうございます!」
わたしもにっこり!挨拶しておかなくちゃね!
ピシィィ!
えっ!?これピクニックでも見たけど何!?
「ははははい!!ありがとうごじゃます!」
あはははは!
「行こうか」
「う、うん。ねぇ、わたし変な光線とか出てないよね?固まるの何でだろう……」
ぶははははははは!!
「光線!!出てないよ!」
あはははは!
ヒィヒィ笑いながら言うんだけど、わたし真剣に聞いたんです!
「そうだなー、シャルルが可愛いからだよ」
頭を撫でながら言うけど、それだけであんなになる!?
おっかしーなー……。
かと思えば、じろじろじーっと粘っこい視線もあるし。
おお、視線を辿れば女性かぁ。
まぁこれはジークと居るからだろうなー。
だけどダメー。ぷんっだ。
「どうした?」
「ううん!」
「抱っこする?」
ぶはっ!
「しません!」
「残念」
残念じゃありませんよ!
屋台見ますよ!




