インターホン。
チリン あっ!
”デンタツ”
『おはようシャルル!報告終わったよ』
「ジーク!おはよう!って、もう報告終わったの!?」
まだ4の鐘前だけど!?
『早く帰りたくて、すっ飛ばしてきた。でもちょっと寄り道するから、4の鐘半位に着くかな。シャルルのごはん楽しみにしてていい?』
「もちろん!いつ帰ってきても大丈夫よ!すぐ食べられるように用意しておくね!」
『うん、なるべく早く帰るな。待っててね』
「うん、待ってる。早く帰ってね」
フォン!と鳴って切れた。
それにしてもすっ飛ばしてきたと!?
どんだけのスピード出したんだろ。
制限速度ないからって!恐ろしい。
◇◇◇
カランコロン〜♪
「おかえりなさいっ!!」
ぴょん!
「ただいま!はーやっと帰れたー」
「お疲れ様!朝早くからだし、ゆっくり休んでて」
「いや、その前にこれ付けよう」
「これなぁに?」
「お土産」
◇◇◇
それからジークは”それ”を設置し始めた。
鍵登録窓と、玄関、門を繋いで、玄関の内側とキッチン、寝室、リビングにキラリとした魔石の付いた板を取り付けた。
門と玄関の外にも、似たような魔石板を取り付ける。
「これ何するやつ?」
「ふふふーん、まぁ見てなって」
鼻歌交じりでチャカチャカと取り付けていく。
凡そ半刻もしない内に、
「よし、ここでちょっと待っててね」
「うん?」
玄関の内側の魔石板の前で待つ。
ジークは外に出ていく。
カランコロン〜♪
魔石板が光った!!
モニターが出た!!なにこれ!インターホン!?
光った魔石板に触れると、
『シャルルーおーい』
「わぁ!ジークがモニターで見えるよ!」
『お!出来たね!よし、戻るね』
玄関から入ってきたジークが、
「誰が来たか分かるようにした。パーティーに来た人全員に出迎えの対処難しいでしょ?これ、俺も対応出来るしね」
うひゃぁ!!
「ジーク!ありがとう!凄いねこれ!」
説明を受けると、モニターに出た人をタッチで選んで家に招き入れる事が出来る。
反対に、選ばなかった人は元々家に張ってある結界に阻まれて入れない。
ゴレ車の場合も中の人を確認出来る。
会話も出来るし、門の開閉も、何なら玄関の開閉も出来る。
この家に付いてなかったのは使用人ありきだったからじゃないか?との事。
なるほど。盲点。
「2区なら変なやつは来ないと思うけど、普段シャルルひとりでいる時に心配だしね」
くぅ!優しさ爆盛り!!
「ありがとうジーク。大好き!」
「シャルルから!シャルルから初めて大好きって言ってくれた!いつも俺からなのに!」
え?言ってなかったっけ?
マジか。
「ごめん!言ってるつもりだった、思ってただけだったのか。これからもっと言葉にするね。大好きよ」
「俺も大好きだよ」
ちゅ
「シャルルを食べたいけど腹減った」
ぶふっ!
「すぐ用意するね、着替えてきて」
くすくすっ
お昼は、前回塩コショウの味付けだった肉巻きおにぎりの甘辛お醤油ver.と、塩鮭おにぎり、肉じゃが(ホクリ)、お味噌汁は流石にまだアレかなーと思って、蛤のお吸い物、ほうれん草の胡麻和え、お試しに、オークの角煮と花巻き(蒸しパン)擬き。
和食中心にしてみたけど、さて、反応は……?
「うっま!!肉巻きおにぎり、こっちのが好き!魚のおにぎりも塩加減抜群!それよりこれ!何これ!トロットロで口で解けてめっちゃ美味い!このパンは?このまま食べるの?」
「白い蒸しパンは、割って角煮挟んで食べても美味しいの。おにぎりが無理だったらと思って出してみたよ?大丈夫そうねー」
よしよし!いい感じ!
「蒸しパン?ふわっふわだ。肉挟むとパンが肉汁吸って美味くなるな!でも俺、メコラ好きだわ、腹持ちいい気がするんだよなー。持っていったお弁当にも入れてくれてたでしょ?パンよりおにぎり食ってたわ」
お!
「腹持ちいいよね!でもサンドイッチみたいに1食完結出来るほどおかずを入れて握れないからねー」
「あぁ野菜とかは別に食わないとだもんなー。それでもおにぎり選んじゃうわ。美味いし」
「また作って入れておくね!」
今度はおにぎらずにしてみるかな?海苔以外に使えるの探そう!
「ごちそうさま!美味かった!いつもありがとうな」
「どういたしまして。お茶入れるね」
「デザート食う。シャルルおいで」
え?
「シャルル”が”デザート」
え!?
「まだお昼!あぁ!!」
そしてパックンされたのでした。
※誤字報告ありがとうございます!




