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閑話 ジークの幼馴染。

この前18:00更新の本編あります。

 今回、南東にある牧場で度々カウカウが襲われるので調査、魔獣が居れば討伐との依頼が来た。

 通常なら中ランクの仕事だが、イグアールの目撃があったので、俺達が派遣された。

 そう、俺”達”。ソロじゃなくペアだ。

 イグアールは群れはしないが足が早く、爪が鋭く、厄介な竜巻型の風魔法を使う。

 ただの竜巻なら、そんなに厄介ではないが、斬撃を仕込むんだよなー。

 普段なら人のいる所には寄り付かないはずなのに。

 めんどくせぇ。

 で、めんどくせぇのはコイツもだ。


「ペア組むの久しぶりだよな!サッサとSランクに上がっちゃうしよー。俺置いてきぼりだもんなー。なぁなぁ!王都に居るって聞いたから定宿行ったのに泊まってないって言うじゃん。今どこ住んでんの?実家帰ってんの?」


 こいつは幼馴染のアレクサンド・ジャクソン。

 幼馴染なので、コイツも貴族だ。

 うちが1区上の1、コイツんちが1区上の2。

 隣同士だし、歳も同じだから、最早腐れ縁だな。

 コイツは4男なので、俺より更に貴族としての価値は縁談しかない。

 縁結びに使われる位ならと、俺がハンターになる時に着いてきた。


 まぁ市井に降りた時は2人して戸惑ったりしたけど、今じゃ一端の平民気取り。

 俺もだけど。


 コイツもSランクが見えてきたAランクだ。

 試験さえ通ればSランクになるんだろうけど、コイツ勉強嫌いだしな……。


 Sランクは腕っ節だけでは到達出来ない。

 ペーパー試験もあるんだよ?

 馬鹿や粗野じゃなれないって事だ。

 魔獣の特性、倒し方、繁殖地、若干の薬学、マナーその他諸々。

 まぁマナーは15歳までに貴族なら誰でも叩き込まれるから、何とかなるだろうが、ハンターの勉強がなー。

 地頭は悪くないのに、脳筋気味に育っちまいやがって試験何度か落ちてるらしい。

 アホだ。


「置いてきぼりって、オマエが試験勉強しないからだろうが。落ちてんの知ってんぞ」


「えぇぇ!個人情報!」


「それがSランクだ」

 ふん


「まぁボチボチやってるよ。次回は行けるはず!で?どこ住んでんの?」


 ちっ、誤魔化せなかった!

「あ、探知に引っかかった。2km弱これじゃね?」


「うん、居るな。行ってみるか」


 身体強化と認識阻害、気配探知と気配察知。

 コイツも金混じりだから難なく使う。


 イグアールは木にも登る。

 餌を木の上で食うんだ。


「カウカウの残骸あるな。気をつけろ」


 見つけた。やっぱりイグアールだ。

 ハンドサインで回り込む。

 シャルルが使ってたヴァイン、俺も練習したもんねっと!

 ”ヴァイン”!


 ギャン!!ガァァ!!


 うわ!斬撃で切るか!!


「おま!何やってんの!?」


「牽制だよ!こっち来るから背後から頼む!」

 嘘だけど!失敗だけど!気にすんな!


 飛んでくる斬撃をシールドと剣で防ぎつつ、再度ヴァイン!竜巻で回り込む斬撃うぜぇ!!でも!

 前に斬撃飛ばしてるから自分が疎かだぞ!っと!


 アレクが尻尾を切る!


 ギャン!!ギャギャーーー!!


 のたうち回るイグアールを袈裟斬り!

 ザシュ!


 ビクビクとして、動かなくなる。


「ふぃー、お疲れー。さっきの何?蔦?」


「そう、拘束魔法。森じゃないと弱いけど、結構使えるよ」


「へぇ!俺も練習してみよー!」


 ……コイツはやらないな。


「マジックバッグに入れとくな」


「おう!牧場行って確認してもらおう」




 牧場で確認して貰ったら、見た模様と同じだったようだ。

 これで数日様子を見てもらって、再度カウカウが襲われなかったら完了になる。

 俺達は王都へ戻るけどな。


「帰るか」


「えっ!?帰るの明日でしょ?もう夕方じゃん!」


「俺は早く帰りたい!」


「ってか、気になってたけど、ジークのメシめっちゃ美味そうだったよな。もしかして女?」


 ぎくっ!


「え、マジで?嘘だろおい!紹介しろよ!」


 コイツ、デンタツ持ってないから板見てないし、大丈夫と思ったのに、メシで特定すんの!?

 食いしん坊なの!?


「紹介するまで付きまとうからな!実家にも押しかけるからな!」


「それはヤメロ。分かった。今夜彼女に伝話するから、その時な」

 はぁぁぁ……


「うわっ!マジで女だった!!え、じゃあ住んでるのもソコなの!?マジ!?だからゴレ車で急いで来たの!?嘘だろおい!あのジークが!!時々デンタツ見てたの女の為!?」

 うわーランクでも女でも先越されたわー


 なんか言ってるけど知らん。


 シャルルすまん。

 ちょっとだけ付き合ってくれ。



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